渋滞を回避できるルート選び、移動時間の選択も重要
愛犬連れの長距離、長時間ドライブでのプラニングで重要なことは、すでに説明した休憩ポイントの設定のほかに、ゴールデンウイークは大渋滞が予想されるため、渋滞を避けた(=休憩がしやすい)トライブルートを設定することだ。例えば東京から伊豆高原に向かう場合、小田原から海沿いの国道135号線を延々と走るルートと、小田原から山沿いの箱根ターンパイク、伊豆スカイラインを経由する主に2つのルートがある。渋滞の影響を受けにくく、愛犬を車外に出しやすいのは後者で、山道ルートだけで伊豆高原にスムーズに到着できる可能性大(道中のトイレの心配なし)。軽井沢に向かうケースでも、上信越道碓氷軽井沢ICからプリンス通りを経てプリンスショッピングセンターに向かう道は、ゴールデンウイーク中は超絶な大渋滞。が、高速道路を1区間、足を伸ばして佐久ICまで行き、軽井沢にアクセスする(戻る)、比較的渋滞を避けたルートも、地元民が利用する手と言われている。
また、行楽シーズンのドライブの基本として、道が混まない時間帯(早朝など)に移動するのも手だ。目的地に早く着きすぎる点を克服できるのであれば、人間も愛犬もより快適にドライブを楽しめるはずである。
スムーズな運転を心がけ、高速走行ではACCを使うとより快適に
運転に関しては、スムーズさを心がけること。当たり前だが、急ハンドル、急ブレーキは厳禁。乗員はもちろん、車内でどこかにつかまれない犬にとって、そうした運転によるクルマの挙動変化は不快でしかなく、ストレスの原因になる。ドライブモードがあるクルマなら、筆者のようにエコモード(加速が穏やかになり、燃費も良くなるモード)にセットし、高速道路ではACC(アダプティブクルーズコントロール)を使うとよりスムーズな走りになることも覚えておきたい。
エアコンはトンネル内などを除き外気導入が基本
ゴールデンウイークは気温も高まりがちで、エアコンを使うケースもあるはずだが、基本は外気導入だ。JAFが2019年に行ったJAFユーザーテストでは、内気循環のまま走行したクルマの、眠気や軽い頭痛を感じる可能性がある二酸化炭素濃度は高速道路で最大4520ppm、郊外・山道でのCO₂濃度が最大4730ppm、市街地ではなんとCO₂濃度最大6770ppmとなったという。一方、外気導入で走行したクルマのCO₂濃度は常に1000ppm前後と、大きな差が付いたのだ。人間はもちろん、愛犬の健康のためにも、トンネル内などを除いて、エアコンは外気導入にしておきたい。
付け加えれば、愛犬を後席に乗せるとして、これからの時期は後席エアコン吹き出し口のあるクルマだと、愛犬はより快適にドライブが楽しめる。そうでなければ、後席の車内温度に気遣ったエアコンの温度調整をすべきである。犬は毛皮を着ていて、足の裏からしか発汗できず、暑い時期には熱中症になりやすい生き物だからだ。
愛犬を同伴できる飲食店などのチェックも怠りなく!!
ドライブプラニングに話を戻すと、宿泊、日帰りを問わず、ドライブ先でランチなどをとる予定なら、愛犬と入れるカフェやレストランなどの施設のチェック(定休日、営業時間、愛犬同伴席)も不可欠。できれば予約しておくと安心だ(ペット同伴席が満席ということもある)。この季節なら、テラス席のほうが気持ちいい場合もあるだろう(天候によるが)。
というわけで、道路の渋滞、行楽地の混雑が間違いなくあるゴールデンウイークの愛犬とのドライブ旅行を、しっかりと準備して、快適・安全に楽しんで欲しい。
文/青山尚暉/モータージャーナリスト ドッグライフプロデューサー
写真/雪岡直樹 青山尚暉