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観光客に人気の都市バンコクで「キャッシュレス決済」が普及しない致命的な理由

2025.04.12

日本人に人気の観光地、タイ・バンコク。GWはこの都市で家族と過ごす、という人も多いはずだ。

詳しいことは後述するが、バンコクは日本から近い観光地である。それ故に行きやすく、また都市自体が観光地として整備されているため過ごしやすい。旅行難易度は他の都市よりも低いということでもある。

が、そんな観光都市の「キャッシュレス決済浸透度」は意外にも高くない。より正確には「外国人観光客にとってのキャッシュレス決済インフラが十分ではない」と言うべきだ。

残念なことに、バンコクでは(少なくとも外国人にとっては)「徹頭徹尾キャッシュレス」というわけにはいかないようだ。

タイのキャッシュレス決済事情とは?

東京からバンコクまでの航空券は、Trip.comを使えば最安3万円前後で購入することができる。

もっとも、これはオフシーズンの価格でさらに中国のキャリアを使った経由便の場合の価格である。バカンスシーズンの直行便ではそれ相応の出費は覚悟しなければならないが、それでも日本人にとってバンコクが行きやすい都市であるということに変わりはない。

ただし、注意しておきたいのが「食にまつわる会計の多くは現金決済」という点である。

■国家戦略として導入された『PromptPay』

タイでは2017年から国家戦略として『PromptPay』というものが導入されている。

これは銀行口座と携帯番号、身分証明IDカード番号と紐付けしたQRコード決済サービスで、タイでは「ほぼ全国民が使っている」と言われているものだ。今や個人経営の屋台でも、このPromptPayでの会計に対応している。

が、これはタイ国民と在タイ外国人に向けたものである点にも注意しなければならない。

■外国人観光客にとってはめちゃくちゃ使いにくい!

観光目的で訪れた外国人はタイ国内の銀行に口座を持っているわけではないので、PromptPayのアカウントを作る機会はまずない。となると、日本人を含めた外国人観光客が利用できるキャッシュレス決済はクレジットカード・デビットカードくらいしかなくなる。

しかし、タイではまだまだクレカに対応している実店舗は多くない。

「クレカ決済の手数料をいただきます」

とはいえ、バンコク市内の地下鉄やライドシェア等の移動手段を活用する場面では、クレカは大活躍必至である。この点について心配する必要はないだろう。

が、問題は飲食店である。屋台や個人経営の食堂でクレカに対応している店はそうはない……というより、ほぼ使用不可と言い切ってしまってもいいだろう。これはバーも同様だ。

もう少し規模の大きなディナーレストランであれば、クレカが利用できる場合もある。しかし、店は決済手数料が理由の損失を嫌がり、その分を客に持たせることも。「クレカ決済の場合は、3%の手数料をいただきます」という具合に提案してくるのだ。

なお、バンコクから距離の近いリゾート地パタヤの飲食店も、その大半がクレカ非対応。日本円を両替所に持っていくか、ATMで現金を引き出さなければならない。

なお、タイ国内のATMでクレカを使ってキャッシングする場合はATMオーナー手数料として1回につき220バーツかかるとしているが、クレカの場合はそれが無料になる。レシートにはこの手数料が加算された前提で記録されるため、いささかややこしくなってしまうが……。

タイにおけるキャッシュレス決済の整備は「自国民優先」

ともあれ、タイを旅行するのなら外国人は「完全キャッシュレス」というわけにはいかない事実を強調しておきたい。

これはタイだけでなく東南アジア諸国全体に言えることだが、キャッシュレス決済サービスの普及・浸透の形は「最初は自国民から」が基本フォーマットである。

東南アジアでは、誰しもが都市銀行に口座を持っているというわけではない。全国どこにでも地方銀行や信用金庫がある日本とは違い、東南アジアの地方在住の庶民は地元のマイクロファイナンスを利用する。少し言葉が悪くなってしまうが、これは「クレカ以前の問題」だ。

そのような状況の国でキャッシュレス決済を普及させようとするなら、クレカに対応する決済システムはどうしても後回しになる。言い換えれば、まずは自国民優先で外国人観光客にとっての利便性はのちほど少しずつ整備していけばいい……という発想が動いているのだ。

とりあえず1万円札を持っていこう

以上の理由から、外国人観光客はある程度現金を用意してからタイへ渡航するのが最善策である。

幸いにもバンコクやパタヤでは、両替所をGoogle Mapで検索せずとも周囲を見回せばすぐに見つかる。よほどの農村でない限り「両替所がない!」ということはまずないだろう。ただし、現金を持ち歩かなければならないため相応の自己防衛策も必要だ。

具体的にどれだけの額の現金が必要かは、旅行プランや滞在日数に大きく左右されるだろう。筆者自身は、とりあえず日本円の1万円札を折り畳んでパスケースに入れ、現地に着いたらそれを両替。しばらく過ごしてその現金がなくなったら、あとはクレカのキャッシング……というやり方を実施している。

要は、現金をあまり多く持ち歩きたくないのだ。ただし1万円であれば、それが盗まれたとしてもまぁあまりダメージは大きくないであろう……という判断である。

このように、各々の状況に応じて適切な額の現金を用意しておくのが「バンコク攻略法」である。

文/澤田真一

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