
NTTドコモ モバイル社会研究所では、2025年2月にSNS利用者の利用意識において、SNSでの真偽不明なニュースや偽情報、誤情報に対する意識調査を実施。結果をグラフにまとめて発表した(※)。
本稿では同社リリースを元に、その開帳をお伝えする。
※ このレポートにおけるSNS利用者はX、Instagram、Facebook、TikTokのいずれかを利用している人と定義。「真偽不明なニュース」とは、インターネットやSNS上で広く流布される情報の中で、その内容の正確性や信頼性が確認されていないものを指す。誤解を招く可能性がある情報や、意図的に誤った内容が発信されるフェイクニュース、断片的な情報等が含まれる。
真偽不明なニュースを頻繁に目にしていると感じる若年層
10代から50代のSNS利用者を対象に、SNS上で真偽不明なニュースや偽情報、誤情報を目にすることに対する意識調査を行なった。
調査の結果、全体のおよそ半数が「真偽不明なニュースを目にしていると感じない」と回答。約4割が「たまに目にすると感じる」(※)、1割強が「頻繁に目にしていると感じる」と答えた。
性別によってこの認識の違いに変わりはなかった。一方、若年層ほど真偽不明なニュースを目にすると感じる割合が高く、10代では約半数が「たまに目にすると感じる」、2割弱が「頻繁に目にしていると感じる」と回答している。
*真偽不明なニュース、偽情報、誤情報をSNS上で普段どの程度目にするかを3件法(よく見る、たまに見る、見ない)で聴取
出所:2025年SNS利用者行動調査
<図1. SNS上で真偽不明なニュースを目にすることに対する意識(性・年代別)>
[調査対象:全国・15~59歳のSNS利用者・n=4031]
■SNSの利用頻度が高いと、真偽不明な情報を頻繁に目にしていると感じる
次に、10代から50代のSNS利用者を対象に、SNSの利用頻度の違いによって、SNSで真偽不明なニュースや偽情報、誤情報を目にしていると感じる割合に違いがあるかを調査した。
X、Instagram、Facebook、TikTokのいずれかにおいて、利用頻度が1日複数回か、1日1回以下かの2群に分類して比較した。その結果、どの年代においても、SNSの利用頻度が高い人は真偽不明なニュースや偽情報、誤情報を目にしていると感じる割合が高かった。
全体では、頻繁に感じる割合が10ポイント程度違い、SNSを高頻度で利用するほうが偽情報や誤情報を目にすると感じる割合が高いことがわかった。
また、SNSを高頻度で利用する人たちの間では年代による差はそれほど大きくないが、利用頻度が低い人たちにおいては若年層のほうが目にすると感じる割合が高くなっていた。
しかしながら、「目にしていると感じない」と回答した人も、実際には偽情報や誤情報を目にしている可能性があり、それに気づいていないことが考えられる。SNS等で目にした情報を信じ込むのではなく、他の情報と照らし合わせつつ、総合的に判断したい。
<図2. SNS上で真偽不明なニュースを目にすることに対する意識 (年代・SNSの利用頻度別)>
[調査対象:全国・15~59歳・SNS利用者・n=4031]
調査概要 「2025年 SNS利用者行動調査」
調査方法/Web
調査対象/全国の15~59歳男女
有効回答数/4031
サンプリング/QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県のセグメントで日本の人口分布に比例して割付しSNS利用率*を調査。調査結果からSNS利用者比率に比例して再割付を実施。
※本調査におけるSNS利用率とは、X、Instagram、Facebook、TikTokのいずれかを利用している人の割合
調査時期/2025年2月
関連情報
https://www.moba-ken.jp/whitepaper/wp24.html
構成/清水眞希