
年齢のせいか、疲れているときこそ眠れなくなってきた。早く起きてしまうのも辛いが、なかなか寝付けないのも辛い。寝れないなあと思っていると、逆に頭が冴えてきて、余計なことをあれこれ考えてしまう。最終的にいきつくのは、「ヒツジを数える」行為だが、これが効果的だったことは正直いってまったくない。
話題の乳酸菌飲料を試したこともあったが、毎日続けるにはコストが高いし、糖分も気になるお年頃だ。
と言うわけで、寝具を見直してみようと考えた。マットレスを買い替えるのはハードルが高いので、まずは枕から。オーダーメイド枕を筆頭に、高級枕の話題を聞くようになってから久しい。
製品情報を吟味する中、運良く「ヒツジのいらない枕」をお借りする機会を得た。本記事では、その最上位に位置する「極柔」モデルをじっくり使った結果をレポートしていこうと思う。
試したのは「ヒツジのいらない枕 -極柔-」(2万2000円)。ほかにも「至極」(1万5800円)「調律」(1万9800円)といったモデルがある。
なお、実際には枕カバーをつけて使用する。写真で枕に装着しているのは、付属のテンセル素材のもの。そして、上にのせているのは別売りのシルクカバー。サラサラと肌触りが良い。
ヒツジのいらない枕は睡眠のトータルブランド
「ヒツジのいらない枕」は、枕、マットレス、かけ布団など、睡眠にまつわる製品を展開するブランドだ。今回試したのは枕の「極柔」モデル。
私が本製品に出会ったのは、某店で行われていたポップアップだった。その特徴的なビジュアルに目を奪われたのを覚えている。従来の枕とは一線を画す三角格子のデザイン。そして、触って驚く「タユンタユン」な柔らかさ。
枕に手を乗せると、ズブリと沈んで指が包み込まれていく。正直なところ、触った最初の印象では「柔らかすぎる」と思った。しかし実際に頭を乗せてみると、意外なほど“しっかり”している。
肉厚な枕が頭、首、肩にフィットし、支えてくれる感覚だ。これまで使っていた枕、というより一般的な枕は、頭を平面で支える。一方、ヒツジのいらない枕は、沿うように局面で支えてくれている。また、筆者はもとより高さのある枕が好きなのだが、その好みにもマッチした。
素材と構造の追求で快適な睡眠をサポート
ヒツジのいらない枕の極柔モデルは、3Dウェーブ構造を採用しており、中央がやや窪んでいる。まっすぐ寝たときの頭から首にかけてのフィット感は、柔らかな「TPE(熱可塑性エラストマー)」とこの構造によるものだ。
TPEは、高い伸縮性と弾力性が特徴の素材で、医療機器やスポーツ用品にも使われているらしい。指でつまむと伸びるので、千切れないか心配になるのだが、今のところまったく問題はない。メーカーによると、10年間分の寝返りに耐えるという。
ちなみに、枕が黒色なのは活性炭を配合しているから。“オジサンの枕”といったら匂うのが当たり前と割り切っている私だが、消臭効果に期待したい。また、水やぬるま湯でそのまま丸洗いができるのもありがたいところだ。
確実に寝つきは良くなった。好みの“厚み”でモデルを選ぼう
さて、構造の話に戻る。3Dウェーブ構造で中央が窪んでいるため、寝返りをうったらフィット感が損なわれるのでは?と思う人もいるはずだ。事実私もそうだったのだが、これはまったく問題ないと断言する。筆者はむしろ、横向きで寝ていることのほうが多い。
特徴的な三角格子は、多くの点で頭を支えるための構造だ。寝返りを打つと、流れるように視点が移り変わり、安定したフィット感を生み出す。
懸念があるとすれば、その高さだろうか。首にフィットする部分が9cm。頭頂部は11cmある。先述のとおり、高めの枕が好きな私にはピッタリだったが、妻は高すぎると感じたようだ。もし低めの枕が好きなら、14段階で高さ調節ができる「調律」モデルをおすすめする。素材と三角格子構造は「極柔」と同じだ。
「極柔」モデルのウリはこの肉厚さにある。柔らかく包まれる感覚は、まさに“極み”だ。
ちなみに、約4.1kgと見た目に反してかなり重い。初めて手にしたとき、おそらく多くの人が驚くと思う。
ヒツジのいらない枕を使い始め、体感で入眠の早さを感じているが、事実データにも現れている。筆者がどハマりしている「ポケモンスリープ」アプリによると、はやくて20分はかかっていた入眠が、なんとほぼ毎日5~10分程度になった(ポケモンスリープで取得されるデータは、あまり厳密でないということは強調しておく)。