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血圧を測定できるHUAWEIのスマートウォッチは高齢者でも使えるのか?77歳の母に試してもらった結果

2025.04.06

ファーウェイの「HUAWEI WATCH D2 ウェアラブル血圧計」(以下、WATCH D2)は、スマートウォッチでありながら血圧を測れるユニークなデバイスだ。血圧の測定に関しては日本の管理医療機器認証を取得しているから信頼が持てるし、睡眠や活動量など様々なモニタリングが可能なので、健康管理には最適である。同社のヘルスケアアプリを使用すれば、血圧を含む健康データを家族間で共有することもできるので、高齢者の見守りにも最適だ。

本機の発表会で流されたムービーでは、高齢者が自身で血圧を測る様子が映されていた。だが高齢者には、スマートウォッチの使い方に慣れていない人も多いはずだ。そのムービーを見た筆者は、自分の母はこれが使えるのだろうかという疑問を抱いた。

そこで今回は、メーカーから本機をお借りし、77歳の母に3週間使ってもらった。iPhoneの操作も一苦労な母にとって、初めてのスマートウォッチ。どこまで使えたのか、実相をレポートする。

初期設定にはアシストが必要だった

本題に入る前に、筆者の母のスペックを紹介しておこう。年齢は77歳。スマホはiPhone SE(第3世代)を使用しているが、その操作はかなり苦手。具体的には、LINEのメッセージを送る、あるいはいつもプレイしているゲームをするのが精一杯といったくらいである。自分が撮った写真を、LINEで他人に送ることも難しい。当然ながら、スマートウォッチの使用経験はない。

そんな母の血圧が高めなことを、筆者は前々から知っていた。既往症もあるから、息子としては心配である。そこでWATCH D2の出番。母が本機で血圧を測ってくれれば、ヘルスケアアプリの連携によって、筆者のスマホからもその数値が見える。見守りツールとしてはぴったりだ。だが、母は本機を操作できるのか。それが心配だった。なら試してみよう、ということで本企画が立ち上がった次第である。

WATCH D2。ディスプレイのサイズは1.82インチで視認性が高く、老眼の母でもしっかり見えていた。中央右の赤い水滴のマークが血圧測定ボタン

ここからは、使用レポートに入っていこう。まずは、スマートウォッチを使うにあたって必須な、スマホとのペアリングである。結論から書くと、これは母にはできず、筆者がアシストした。

WATCH D2の画面に表示されるQRコードを読み込む、あるいはアプリからデバイスを追加するボタンを押すといった簡単な操作で済むのだが、なにぶん母は他のデバイスも含めてペアリング操作を一切したことがない。初めてだから仕方ない……といったところだろう。

ペアリング後は、ファーウェイのヘルスケアアプリで母のアカウントを作り、基礎情報を入力していくのだが、これも筆者が行なった。アプリの表示に従って、身長・体重などの必要情報を入力していくだけの簡単な作業だが、母には厳しかったようだ。

初期設定が済めば、本機はすぐに使えるようになる。トップ画面の赤い水滴アイコンをタップすると血圧測定の画面に遷移するので、そこに表示される測定ボタンを押せば、計測がスタートする。なお血圧の測定中は、以下の画像のような姿勢をとる必要がある。

ウォッチを装着している腕を折り曲げ、手首を心臓の高さに持っていく。その肘を逆側の手で支える。座っていても立っていても、静止していれば計測が可能だ

これは母にとってもわかりやすい操作だったようで、やり方を教えたらすぐに自力でできるようになった。母も「これなら私でもできるわ」と口にし、自信を持ってくれた。筆者としてはホッと一安心だ。

リマインダーのおかげで自分から血圧を測ってくれた

WATCH D2では、ファーウェイヘルスケアアプリを通して、血圧測定のリマインダーを設定することが可能だ。毎日、設定された時間になるとウォッチが震え、ユーザーに血圧の測定を促すという機能である。

母に本機を使ってもらううえで、筆者が気になっていたポイントは2つあった。ひとつは「血圧測定の操作を自力でできるか」だったが、先述の通りそれは問題なかった。しかしもうひとつ「血圧測定が面倒でやらなくなってしまうのではないか」という懸念が残っていた。

だが、リマインダー機能のおかげでこれも杞憂に終わった。母にとって特に便利だったのは、リマインダー画面に測定ボタンが表示されること。つまり、通知画面からワンタップで測定を始められるのだ。これなら、面倒くささも感じにくい。

ヘルスケアアプリの血圧測定リマインダー設定画面。起床を検知して、そのタイミングでリマインダーを出すことも可能

母の場合は、毎日10時と15時、20時の3回、リマインダーが届くよう筆者の手で設定をした。外出中であったり家事をしていて手を離せなかったりと、毎回測定ができたというわけではないものの、結果としては平均して1日1.5回程度は計測ができていた。また、3週間の使用期間中、血圧を全く測らない日は1日しかなかった。なおこの間、筆者から母に「血圧を測ってね」としつこく言うようなことはあえてしていない。

アプリの血圧測定結果表示画面。連日のデータがグラフとして表示される

ワークアウトの計測は自力ではできなかった

さて、母は週に1回、趣味の卓球をしている。WATCH D2は100以上のワークアウトの計測に対応していて、卓球もそのひとつ。母にそのことを伝えると「やってみたい!」と乗り気だった。

「これはいけるか?」と思ったのだが、母はこの機能を自力で使うことができなかった。母が本機を使っている間、卓球をする機会が2回あったのだが、1回目は測定することそのものを忘れ、2回目は測定開始の操作がわからなかったという。母にとってワークアウトを測定するという概念はいままでなかったものだし、高齢ゆえの物忘れもある。この結果は、筆者の想定の範囲といったところだ。

また血圧に比べて、ワークアウトの測定を始める動作が少し複雑なのも、母がこの機能を使えなかった要因だろう。ワークアウトを計測するには、本機のリューズを押してメニューを起動し、ワークアウトボタンをタップ、そのなかに表示される卓球を選択、測定開始ボタンを押す必要がある。リューズを押してから、3回のタップが必要だ。血圧と違って、リマインダーも表示されないし、ワンタップでできるということもない。

ウォッチのメニュー画面。中央が血圧測定ボタンで、その左がワークアウトボタン

母曰く、「メニューは開けたもののワークアウトボタンがわからず押せなかった」とのこと。ワークアウトボタンはメニュー画面を開けばすぐに表示されるのでわかりやすいと思ったのだが、一度の説明では足りなかったようだ。何度か繰り返せばできるようになりそうだが、今回は無理だった。

健康見守りデバイスとして、十二分に使える

機械が苦手な母にWATCH D2を3週間使ってもらった筆者の感想は、「健康を見守るためのデバイス」として、十二分に使えるというものだ。本機は多くの機能を備えたスマートウォッチであるが、母がそれらをバリバリ使いこなすことはできなかった。だが、そこまでできることは、当初から想定していない。

ワークアウトの計測を自力でできなかったのは残念であったが、毎日忘れずウォッチをつけてくれたし、血圧はほぼ毎日測ってくれた。また、血圧以外のデータ、例えば心拍数や血中酸素レベル、睡眠などの計測は、ウォッチをつけていれば自動で行われるから、ユーザーが能動的に測る必要があるのは血圧だけ。本機をつけていることが、母にとって負担になることはなかったようだ。

母のある日の睡眠の記録。ウォッチをつけて就寝すれば勝手に測ってもらえる

ウォッチによって測定された母の健康データは、ファーウェイのヘルスケアアプリに蓄積されていく。今回は、筆者のスマホにもそのアプリを入れて連携しておいたので、母の健康状態を連日モニタリングできた。母の歩数が極めて少ないなど、状況に問題があるときは通知も来るので、いざというときの備えとしても安心だ。

筆者のスマホから見た、母の健康データのレポート

ファーウェイはWATCH D2のバッテリーについて、1日あたり6回の血圧測定をし、心拍・血中酸素レベル・睡眠などの測定をオンにするなどした「通常使用」の場合、最大6日間継続するとしている。今回の母による試用では、一度満充電にしたのち、5日間の使用で40%弱になるくらいだった。単純なスマートウォッチとしてみても、十分なスタミナといえるのではないだろうか。充電も、風呂に入っている間にしておけばすぐ完了する。スマートウォッチを初めて使う母であっても、充電に関しては問題なくできていた。

レビュー後、母に買ってあげることに

今回の企画では3週間のレビューを行なったわけだが、そのなかで母はWATCH D2を非常に気に入っていた。自身での購入も考えていたようで、「これいくらするの?」と聞かれることもあった。

実は、本機のレビューを行なったタイミングは、母の誕生日の直前だった。そこで、本機を返却したのち、筆者と姉でお金を出し合ってこれを買ってあげた。企画を出したときにはこんなことになるとは思っていなかったが……。これで母の健康が目に見えるようになると思えば、安い買い物かもしれない。

取材・文/畑野壮太
新卒で学研ホールディングスに入社。アイテム情報誌「GetNavi」や電子書籍の編集に従事。その後IT企業への勤務を経て、2018年にフリーのライター・編集者として独立。現在は、製品レビューやメーカー取材などを中心に雑誌・Webの各媒体へ寄稿中。

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