
コロナ禍を経て健康志向が高まりつつある近年。コロナ禍で一時的にダメージを受けたフィットネス業界も、健康志向の高まりと共に成長を続けている。
さまざまな個性派フィットネスや筋トレなどが登場する中、急速に勢いを増しているのが『マシンピラティス』だ。
男性人気も高いマシンピラティスとは一体どのようなものなのか?ヨガインストラクターやダンス経験もある筆者が、その秘密を探ってみた。
そもそも『ピラティス』がどのようなものかご存じだろうか?なんとなく「ヨガみたいなもの…」という印象を持っている方も少なくないだろう。
ピラティスとは、1920年代にドイツ人のジョセフ・ピラティス氏が考案したメソッドなのだ。第一次世界大戦の時に病院のベッドを改造し、兵士のリハビリのために開発したのが原型と言われている。
ヨガや太極拳の他に、さまざまな医学的知識などを組み合わせて作られており、インナーマッスルを強化することで、姿勢の改善を始めとする身体の調整効果が期待できるものだ。
マットピラティスとマシンピラティスの違い
さまざまなマシン(ゼンプレイスピラティス大泉学園スタジオ)
ピラティス業界の大手と言えばZEN PLACE(ゼンプレイス)だ。現在は全国140店舗のピラティススタジオを展開し、店舗数全国ナンバーワンを誇る。
そんな株式会社ZEN PLACEの広報担当、福田憲子氏に話を聞いた。ゼンプレイスでは2006年の創業時からマシンピラティスを扱っているという。
ピラティスには「マットピラティス」と「マシンピラティス」とがあるのだが、どのように違うのだろうか?(以下「」内、福田氏)
「マットピラティスはマットの上で行い、自重がメインです。マシンピラティスはピラティス専用のマシンを使って行います。
マットピラティスは、主に体ひとつで行うためエクササイズによっては難しい場合もありますが、マシンピラティスは、マシンがサポートになったり負荷になったり調整が可能です。
個人の身体の状態に合わせてピラティスによる感覚を掴むのに適しています。怪我をしている方や産前・産後の方、身体的な制約がある方もできるものです」
マシンピラティスの人気が爆上がり
2年前に韓国でトレンドになって以来、マシンピラティスを受けたくて体験する方がほとんどだという。マシンピラティスのニーズを受け、2年前からクラスの種類や数は5倍に増え続けているんだとか。
男性からの問い合わせも増えており、男性会員は年々増加しているとのこと。
「2022年から23年では120%、22年から24年では130%の増加率です。
以前は健康維持やリハビリ目的のシニアの男性層が多かったのですが、今は30-40代の方が増えています。」
スポーツが好きな方やゴルフの上達など、趣味や仕事のパフォーマンス向上を目的として入会する方が多いという。
男性からの人気の理由とは?
男性からの人気も高いというマシンピラティス。その理由はなんだろうか?福田氏の考えを聞いた。
「このメソッドの考案者であるピラティス氏自身も男性であることも、理由のひとつかも知れません。
ピラティスの動きや説明はとてもロジカルで、背骨やインナーマッスルなどの微細な部分を意識して、頭を使いながら動かします。そこが男性向けなのかなとも感じています」
また、実際に受講している男性からは次のような声も上がっているという。
「ヨガやマットピラティスは、主に男女が混ざって行います。男性受講者が少ないため他からの視線が辛いという方も少なくありません。
その点マシンは1人1台なのでパーソナルスペースが広くて気楽だと言います」
これには筆者も頷いた。以前知人の男性が“ヨガをすると体がスッキリするから受けたいけど、女性ばっかりでスタジオには行きづらいから動画を見て家でやっている”ということを言っていたのを思い出したのだ。
マシンピラティスなら男性も気兼ねなく受けられるのかも知れない。
マシンピラティスを体験!
ピラティスやヨガは経験しているものの、マシンピラティスはまだ体験したことがない筆者。ゼンプレイスピラティス大泉学園スタジオにて、今回初めて体験させていただいた。
インストラクターはTakuya氏。(以下「」内、Takuya氏)
「マシンのサポートがある方が関節の可動域を大きくして動くことが楽だったり、細部に意識がいきやすかったりします。そんなところが人気な理由のひとつだと思います」
さっそくマシンピラティスを体験させていただいた。
キャデラックという、色々な物がぶら下がった大きなマシンに胸が高鳴る。“マシン”というのも男性から人気が高い理由のひとつではないだろうか?「このストラップは何に使うのだろう?このバーは?」と興味が湧く。
キャデラック、リフォーマー、スパイン・コレクター、ワンダ・チェアなどを使用してレッスンが進んでいく。
「こうすると首の後ろが伸びる感覚が分かりますか?」「背骨を上の方から一個ずつ丸めていきます」「骨盤をこっちに傾けます」など、体の細部に注目しながら行うので、どこの筋肉や関節を動かしているのかを意識しやすい。
整体を受けたようなスッキリ感
1時間強のプライベートレッスンを受け終え、1番に抱いた感想は“全身(特に肩や背中)が軽くなった”ということだ。
マシンピラティスは細部の筋肉を負荷をかけて動かし、筋トレ要素も強いのに“整体を受けたかのようなスッキリ感”が得られるのが不思議だ。
筋トレを行うと筋肉の疲労感ややり遂げた爽快感こそあれ、上記のような感覚を得るのは難しい。(筆者の場合)
ヨガの後も筋肉が伸びた感覚は得られるが、それとはまた違う。背骨が整えられたような感覚で、受ける前よりも確かに体が楽になった。
筆者のような運動経験者は、マットピラティスやヨガのようなエクササイズを見よう見まねでやって、見た目には出来てしまうことも多い。しかし、マシンピラティスではそうはなりにくいのだ。
Takuya氏にそのことを伝えると次のように説明してくれた。
「マシンピラティスでは細部を繊細に動かすことを求められるため、インナーマッスルに意識がいきやすいです。筋肉が多い方だと、マットの場合はアウターマッスルを使って力ずくで行ってしまうこともあります」
マシンでは力ずくで行えないエクササイズも多い。その分、筋肉の動きに繊細にフォーカスできるのだ。体験してみて人気の理由が垣間見えた。
その他、一風変わったマシンピラティスも
マシンピラティスを扱うフィットネスクラブは増えつつある。その中でも気になったユニークなものをご紹介したい。
■暗闇のマシンピラティス「Beat Pilates(ビートピラティス) 」
「ビートピラティス)」は、暗闇マシンピラティス専門のスタジオだ。
薄暗い暗闇空間でエクササイズができるため、人目を気にせず行えるという。最新ヒット曲と共に、音楽に合わせてエクササイズを行うとのこと。
■15種類のアイテムでレッスン「CLUB PILATES」
CLUB PILATESは全世界1,000店舗以上オープンしている世界最大級のマシンピラティスブランドだ。
12台のマシンが用意されたグループピラティス専門スタジオ。12台ものマシンを一部屋に揃えているフィットネスクラブはそんなに多くないだろう。
15種類のアイテムを使用しレッスンを行うとのことで、いろいろな道具を体験できるのが特徴だ。
マシンピラティスを設備するフィットネスは今後も増えていくだろう。気になる方はぜひ体験してみていただきたい。
取材協力:zen place
HP:https://www.zenplace.co.jp/
文/まなたろう
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