
AI英会話アプリ「スピーク」を展開するスピークジャパンは、日本人の英会話に対する心理的ハードルを探るため、「日本人の英会話ポテンシャル実態調査」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
本稿では同社リリースをベースに、その概要をお伝えする。
半数近くの日本人が「外国人に話しかけられて断った経験がある」
・「外国人に話しかけられた際、断った経験がある」と45.8%(よくある10.3%、ある35.5%)の人が回答
・実際に日本人に話しかけたが断られた経験がある訪日外国人は20.8%だった。
・断った理由として最も多いのは「英語で伝える自信がなかった(76.5%)」が圧倒的に多
く、2位は「相手の英語を聞き取れる自信がなかった(47.5%)」 という結果に。
・このことから、「日本人の英会話におけるハードルはリスニングよりスピーキングである」ことが明らかになった。
■7割の訪日外国人が日本人の英語は意外と伝わると評価
・およそ半数の外国人が訪日前は、「日本人の英語力は低い(49.2%)」と考えていた(低い6.9%、やや低い42.3%)。
・しかし、実際に日本に来てからは7割の訪日外国人が「日本人の英語は意外と理解しやすい(70.0%)」(非常にわかりやすい10.8%、思ったよりわかりやすい59.2%)と評価していることがわかった。
・一方で、外国人相手に英語で言いたいことを伝える「自信がある(7.7%)」(とても自信がある2.4%、自信がある5.3%)日本人ははごく少数という結果となり、大きなギャップがあることが明らかになった。
・さらに、中国や韓国など「他のアジアの国と比較して日本人の英語がわかりにくい」と答えた人は、わずか14.3%(非常にわかりにくい3.1%、わかりにくい11.2%)と、日本人の英語レベルは世界的に低いわけではないことが判明した。
7割の日本人が「外国人と英語で話すことに抵抗を感じる」
・外国人を相手に英語を話すことに「抵抗を感じる」人は69.8%(強く感じる19.8%、感じる50.0%)。
・日本人は、外国人と話す時の感情として1位「緊張する」2位「怖い」3位「恥ずかしい」だった。
・一方外国人に同じ質問をしたところ、外国人と話す時の感情1位は日本人と同じく「緊張する」だったが、3位が「楽しい」4位が「ワクワクする」とポジティブな感情を抱いていることがわかった。
■間違った英語を話してしまった時の心理的負担は「手を振り返したら自分に向けられたものではなかった」程度
日本人に間違った英語を話してしまった時に近い心理的負担を聞いたところ、以下のようになった。いずれも心理的なハードルとして非常に高いものはなく、少しの勇気で乗り越えられる可能性を感じさせる。
■英語を話せないけど伝える力が高そうな芸能人
英語が話せなくても、外国人を相手に英語でコミュニケーション(言いたいことを伝える)が取れそうな印象を持っている芸能人を聞いたところ、バラエティ番組や海外ロケで身振り手振りを使いながら英語を使う印象が高い出川哲朗さんが選ばれた。
■英会話の勉強になった英語系インフルエンサーとは
コンテンツが英会話学習の参考になったと思うインフルエンサーのYouTubeチャンネルを聞いたところ、1位は「Kevin’s English Room」が選ばれた。
専門家コメント
■まずは簡単な表現でもよいので、間違いを恐れずに話してみる
<麗澤大学外国語学部教授 森秀夫氏>
今回の調査結果によると、日本人は外国人と比べて自信のなさから英語を話すことに強い抵抗を感じる人が圧倒的に多いことがわかります。日本人の多くは小・中・高・大学と併せて10年以上英語を学習しているのにもかかわらず、なぜこのような状況が生じるのでしょうか。
文化的背景も考えられますが、日本の学習方法にも原因があります。日本の英語学習は「インプット中心」です。文法や単語の暗記に多くの時間を費やす一方で、実際に英語を話す機会は限られています。
さらに、学校ではテスト対策の一環として英語を学ぶことが多いため、「完璧に話さなければならない」という意識が働き、「英語で話しかけられると、正しく使える自信がないので話したくない」と感じる日本人が多いのではないでしょうか?
英会話の習得には「アウトプット」が不可欠です。正確さにこだわるよりも、まずは簡単な表現でもよいので、間違いを恐れずに話してみましょう。
学んだ英語を実際に使ってみることで初めて、自分の英語がどの程度伝わるのかを確認できます。毎日話すことが上達への最短ルートといえます。
また、今回の調査で明らかになったように、日本人が思っている以上に外国の方は日本人の話す英語を理解しています。
英語を話すことを「外国人のように楽しむ」姿勢を持ち、まず話してみるのです。この一歩を踏み出すことで、英会話の習得に大きく近づくことができるでしょう。
■知っている単語や文法を実際のコミュニケーションで活用することが重要
<早稲田大学国際学術院・国際教養学部准教授 鈴木祐一氏>
今回の調査結果では、「英語で伝える自信がない」という日本人が多数に上ることがわかりました。それは、日本の従来の英語教育は「正確性」ばかりが重要視されてきたからだと考えられます。
日本人の多くは時間を使って考えられる状況であれば正確に英語を理解できる一方、すぐに自分の言葉で話す必要があると太刀打ちできなくなります。それを解決するためには、豊富なスピーキング練習量が不可欠です。
コミュニケーション場面で、知っている表現をすぐに活用することで、自然な流暢さを獲得できるようになります。
これまでの英語教育では学習者が「単語や文法の知識を持っている」で終わってしまっていました。しかし、そのような知識は繰り返し実践的に使用する経験を通じてこそ、高度なレベルでの英語運用能力につながる可能性があります。
そのため、「まだ上手でないし、恥ずかしいから、まずは完璧な英語を学ぼう」ではなく、「間違えても良いからまず話してみよう」という積極的な態度で、知っている単語や文法を実際のコミュニケーションで活用することが重要です。
間違いから学ぶプロセスが英語力アップに欠かせないことは、第二言語習得研究からも明らかになっています。対面で話すことに心理的抵抗があるのであれば、まずはアプリなどで英会話練習を始めることは効果的な学習法と言えるでしょう。
調査概要
調査名/日本人の英会話ポテンシャル実態調査
調査対象/英会話に関心がある日本人(全国の20〜50代男女、n=400)、訪日外国人(n=130)
調査方法/英会話に関心がある日本人:インターネット調査、訪日外国人:対面インタビュー
調査実施期間/2025年3月17日~21日
構成/清水眞希