
2025年が始まって3ヶ月が経過した。
現時点で今年のエンタメ業界で最も注目されているトレンドといえば、やはり「タイプロ」だろう。
昨年の暮れから飛躍的に話題になり、今年の2月にピークを迎えたこのトレンドについて、改めて振り返ってみたい。
タイプロとは?
「タイプロ」とは日本の男性アイドルグループ「timelesz」(旧名:Sexy Zone)の追加メンバーを決定するためのオーディション番組「timelesz project -AUDITION-」(タイムレスプロジェクトオーディション)のことである。
2024年9月13日よりNetflixにて世界独占配信がスタート。2025年2月15日の配信で幕を下ろした。
全16話に及ぶ配信は、配信をされると毎回、SNSでトレンド入り。
18922人の一般応募者の中から最終的には5人のメンバーがこのオーディション番組を通して選ばれ、最終回である2月15日から新生timeleszとしてスタートをした。
タイプロのコンセプトは既存メンバーである菊池風磨、佐藤勝利、松島聡による「仲間探し」だ。
オーディションのリーダーを勤めた菊池は「これは僕らの仲間探し」や「俺は死ぬほど売れたい」といった表現をよく口にし、その熱意は放送を通じてファンの心を響かせた。
旧ジャニーズ事務所のデビューグループはこれまでメンバーを加入することは原則してこなかった。
さらに、今回のオーディションはジュニアからの加入ではなく、一般オーディションを通して選ばれるという異例の方法だった。
初めは戸惑ったファンたちであったが、菊池をはじめとするtimeleszのメンバー、そしてオーディションに参加する候補生たちの熱意に次第に支持する声が高まり、最終的には大成功を収めた。
timeleszの基礎知識
timeleszとはSTARTO ENTERTAINMENT所属の男性アイドルグループである。
SexyZoneというグループ名で2011年11月16日に中島健人、菊池風磨、佐藤勝利、松島聡、マリウス葉の5人でデビュー。
平均年齢は14.4歳で当時の事務所でも最も若いデビューとなった。
2022年末、マリウス葉卒業。そして2024年3月末の中島健人の卒業をもち、グループとしての活動に幕を下ろした。
残ったメンバー三人で、2024年4月1日から「timelesz」としての活動がスタートした。
グループ名の由来はマリウス葉卒業時に5人で作った楽曲「timeless」より取られている。
timeleszとして活動を開始した菊池、佐藤、松島の三人は、2024年7月には全国ライブツアーを達成。2024年11月20日に発売した三人体制最初で最後の「because」というシングルは初週25.3万枚を売上げ、オリコンチャート1位を獲得している。
STARTO ENTERTAINMENTを代表するグループのひとつである。
新生timeleszのこれからの活動は?
約10ヶ月に及ぶ過酷なオーディションを乗り越え、timeleszには新たなスタートをきった。
加入メンバーは寺西拓人、原嘉孝、橋本将生、猪俣周杜、篠塚大輝の五人。それぞれ経歴も年齢もバラバラの男の子たちである。
タイプロでは彼ら新規メンバーたちが、競い合いながらも、時には助け合い切磋琢磨している様子が描かれている。
8人になった新生timeleszは先月2月28日、初となる新曲「Rock this Party」をデジタルリリース。3日で300万DLを突破している。
さらに4月20日からは初の冠バラエティー番組「タイムレスマン」が毎週日曜深夜1時25分よりスタート。さらに6月からは全国8都市をまわるアリーナツアーが既に予定されている。新メンバーの寺西拓人、原嘉孝は別仕事のため一部公演不参加が発表されている。しかしながら、その事実が、「オーディション番組は出来レースではなかった」ということがわかり、より一層タイプロが「本気」のオーディションであったということを浮き彫りにした。
なぜタイプロは社会現象レベルで大ヒットしたのか
なぜ大ヒットしたのか。
その答えは、まず何よりもtimeleszのファンがタイプロを応援したからだ。
上でも紹介したように、STARTO ENTERTAINMENTのグループにとってはメンバーの加入、さらにそのメンバーを一般オーディションで選ぶのは異例中の異例。
それにもかかわらずファンが応援したのは何よりも彼らが「本気」だったからだ。
その本気度がより感じられたのは、泊まり込みで行われた4次審査ではないかと思う。
候補生たちはtimeleszの楽曲でのライブパフォーマンスを求められた。苦戦する候補生たちであったが普段は温厚である松島が
「比較対象が僕らだからイライラする」
「ファンを舐めてもらっちゃ困ります、普通に。だってファンの方は自分の人生を懸けながらお金をかけて皆さんのライブを見に来てくれるわけですよ。でもみんなのパフォーマンスを見て、僕がファンだったらお金を出して観たいかというと一切それは思わなかったかな。そこの覚悟をちゃんと持って欲しいなと思います」
と話す場面もあった。これはまさにファンの気持ちを代弁していた。ファンが応援してきたtimeleszを蔑ろにされていたらファンは絶対にタイプロを応援できなかった。しかし、松島のこの言葉で候補生の意識が変わり、ファンを第一に考えてくれるようになった。
そして、timeleszの仕事に対する考え方や姿勢、プロフェッショナルとしてのアイドル像が、彼らをよく知らない視聴者にもクリアに伝わったことだろう。
もちろん、昨今はオーディション番組企画は視聴者を魅了する。「ノノガ」とか「日プ」とか社会現象になった例をあげるときりがない。
オーディション番組の魅力はなんと言っても「候補生たちの成長過程が見られること」や「デビュー当初からのファンになれること」。もちろんタイプロでもその良さは十分に発揮された。
そして、SNSのバズを狙えるミームが誕生したことも大きい。「菊池風磨構文」だ。
第二次審査で菊池が口にした「歌詞忘れてるようじゃ無理か。歌詞はね、入れとかないと」というセリフが、菊池風磨構文として、ファンの間だけでなく、企業の公式SNSやドラマのセリフ等にも利用されていた。時期によっては流行語大賞を狙えたという声もあるほどだ。
様々な要因によりヒットした「タイプロ」。2025年上半期のエンタメ業界の覇権といって間違いないだろう。
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文/四月一日ちくわ