
院外心停止、最も重要なのは心肺蘇生実施までの時間
院外心停止者に対する心肺蘇生法(CPR)は、適切に行われる限り、医師や救急救命士か、経験のないバイスタンダー(その場に居合わせた人)かなどの実施者のタイプが生存に影響することはなく、迅速に行うことが何よりも重要な可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。トリエステ大学(イタリア)のAneta Aleksova氏らによるこの研究結果は、欧州急性心血管ケア学会議(ESC ACVC 2025、3月14~15日、イタリア・フィレンツェ)で発表された。研究グループは、「CPR実施者のタイプにかかわりなく、迅速な心拍再開が院内生存にとって非常に重要であることが示された。バイスタンダーによる初期のCPRと救急医療サービスによるCPRを比較しても、長期生存については同等だった」と述べている。
この研究でAleksova氏らは、2003年から2024年の間にST上昇型心筋梗塞(STEMI)を発症してトリエステ大学病院に入院した患者3,315人のデータの分析を行った。これらの患者のうち、172人は院外心停止を起こし、44人はバイスタンダーによるCPRを受けていた。
研究対象期間を5つの期間(2003~2007年、2008~2011年、2012~2015年、2016~2019年、2020~2024年)に分けて見ると、バイスタンダーによるCPRを受けた患者の割合は、期間を追うごとに増加していたことが明らかになった。具体的には2003~2007年には患者のわずか26%しかバイスタンダーによるCPRを受けていなかったのが、2020~2024年には69%にまで増加していた。心拍再開に至るまでに要した時間の中央値は、全体で見ると10分だったが、バイスタンダーによるCPRの方が救急医療サービスによるCPRよりも要した時間が長かった(20分対5分)。
入院初期に患者の25.6%が死亡していた。解析では、左室駆出率の低下、心拍再開までにかかる時間が長いこと、高齢であることが、院内死亡の予測因子として示された。具体的には、心拍再開までの時間が5分遅くなるごとに、または、左室駆出率が5パーセントポイント低下するごとに、死亡リスクがそれぞれ38%上昇し、年齢が5歳増加するごとに死亡リスクが46%上昇していた。その後、中央値7年の追跡期間中に18人の患者(14%)が死亡していたが、死亡率にCPR実施者のタイプによる差は認められなかった。
こうした結果を受けて研究グループは、「心停止者の生存において重要なのは、いかに迅速にCPRを行うかであり、誰が行うかではない」と述べている。Aleksova氏は、「これらの結果は、院外心停止者には即時のCPRが重要であることを浮き彫りにしている。また、院外心停止後の生存率を現状よりも向上させるためには、人々の意識向上と一次救命処置の訓練の促進が必要なことを強調するものでもある」と述べている。
なお、学会発表された研究結果は、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは一般に予備的なものと見なされる。(HealthDay News 2025年3月18日)
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(参考情報)
Press Release
https://www.escardio.org/The-ESC/Press-Office/Press-releases/resuscitation-in-out-of-hospital-cardiac-arrest-it-s-how-quickly-it-is-done-r
構成/DIME編集部
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