
普段の保険診療とは全く別の仕組みで成り立っている人間ドックは、施設ごとに金額や内容が異なる点をはじめ、利用者目線だと分かりづらいことが多い。今回3人の匿名医師を招き、そのカラクリを思う存分語ってもらった!
内科医Aさん
国立大学医学部を卒業後、大学付属病院など複数の医療機関に勤務。現在は内科医として複数の病院に勤務する傍ら、企業の社外取締役も務めている。
糖尿病内科医Bさん
糖尿病や高血圧治療を専門領域としている。国立大学医学部を卒業後、大学付属病院で助教などを経て現在教授。日本糖尿病学会専門医、日本内科学会認定医・指導医。
外科医Cさん
消化器外科医として数多くの執刀を行ないがん患者を救ってきた。大学付属病院の教授として最前線で活躍するだけでなく技術を後進に伝えている。日本消化器外科学会専門医・指導医。
〈議題1〉人間ドックにおいて「いい病院」とは?
Aさん それでは覆面座談会を行なうということで、週刊誌のような暴露話というよりは、あくまで読者の方々のためになる話をしましょう(笑)。とはいえ、みなさん立場があるので、こうやって匿名で喋らせていただければと。
Bさん C先生なんかは名医として有名ですから、顔出しは厳禁ですもんね。
Cさん またまた(笑)。やめてくださいよ。
Aさん では早速なんですが、みなさん人間ドックのアルバイトって経験あります?
Bさん 一時期やっていましたね。最近はもうやっていないけど。
Cさん 僕は外科医だからというのもありますが、やったことないなあ。
Aさん 僕も昔経験があるんですが、その時の経験をもとに言わせてもらうと、人間ドックを毎年受ける必要って、正直ないですよね。
Bさん もちろん毎年検査に来てくれる分には、収入という面で病院側は嬉しいですけどね。
Aさん でも、毎年受けるのは金銭的な負担が大きい、と思われる患者さん多いんじゃないでしょうかね。
Cさん 会社の福利厚生で受ける人間ドックなら、全メニュー受けても良いんでしょうけど……金銭面だけじゃなくて、身体面でも負担は大きいですよ。
Bさん 多分それって、人間ドックに対して「全身くまなく検査する」みたいなイメージを持っているからなんでしょうね。
Aさん それはありそう。本来、検査項目や受ける頻度は自分が抱えているリスクに合わせて選ぶべき。自分の体型や生活習慣、あとは家族歴も重要ですね。
Bさん 例えば僕の場合だと、大腸の内視鏡を選んでやっています。あとは胃カメラとか。特に大腸はほぼ毎年受けるようにしていますね。
Aさん ポリープがあるとか、何か持病があるんですか?
Bさん そういうわけじゃないんですが、お腹が昔から弱くて。だからがんだけじゃなくて、好酸球性大腸炎のような珍しい病気のリスクも考慮して受けています。A先生はどうなんですか?
Aさん うちは血管系にリスクのある家系でね。だから3か月に1回は血液検査しますし、血圧は毎日測っていますよ。
Bさん 毎日やってるんですか。医者の僕が言うのもアレですけど、大変じゃないですか。
Aさん そりゃあ大変ですよ。でも怖いもん。
Cさん 確かに血管系はいつ症状が起きるか分からないですからね。それくらい用心するに越したことはない。
Aさん それに検査結果を目の当たりにすると、やっぱり人間変わるよね。こりゃいかんって気をつけるようになりますよ。
Bさん 分かります。僕もそれで大腸は毎年受けるようにしましたから。
Aさん その一方で、がん検診は1回も受けたことないんですよ。もしそれでがんになったらしょうがない、そう割り切っています。
Cさん そういう考え方は大事かもしれませんね。家族歴がある病気に対して警戒するならまだしも、全ての病気を防ぎ切るのは現実的じゃない。だから優先順位をつけるといい。
Bさん 病院選びもその考え方ですよね。単に評判のいい病院を探すんじゃなくて、自分の目的や抱えているリスクにマッチした病院を選ぶべき。
Aさん 例えばがんの発症歴が多い家系であれば、がん研有明病院や国立がんセンターのようながん専門病院の人間ドックがおすすめ。もしがん検査で引っかかったらそのまま面倒を見てくれるわけですから。
Cさん 万が一の時にバックアップしてくれる体制が整っている病院だと安心ですよね。
人間ドックを受ける病院や施設は「病気や異常が見つかった後」のことを想定して選ぶとよい。提携先の病院へ紹介してくれるところだと安心だ。
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取材・文/桑元康平 編集/千葉康永 イラスト/安藤直(asterisk-agency)
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