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「スマホの使い過ぎ」で若い世代の白内障が急増!眼科医に予防策を聞いた

2025.03.31

加齢に伴い、視力が低下する目の病気として知られる「白内障」。

高齢者特有の眼病かと思っていたら、若い層にも増えているという。ネットでざっと調べてみたら、「スマホの使い過ぎ」が関係しているらしい……。

本当に若い層に増えていて、スマホの使いすぎが原因なのだろうか?

疑問を解明すべく、YouTubeで人気の「眼科医平松類チャンネル」を運営する平松類医師(二本松眼科病院副院長)にうかがった。

白内障とは水晶体が白く濁っていく病気

――白内障は、そもそも何が原因で起き、どのような症状となるのか。そうした基本的なところを、まず教えていただけますか。

白内障とは、眼球にある水晶体という透明なレンズが、白く濁っていくものです。かかり始めは、視力が落ちるのではなく、色合いがわかりにくくなります。例えば、黒地に青とか黄色地に赤の文字が読みにくくなります。症状が進むと、視力が下がっていきます。

水晶体は、卵の白身と同じくタンパク質でできています。それが、紫外線の光刺激で、簡単に言うと茹で上がるような感じになります。それで、年とともに白くなってしまうのです。

比較的若いうちに手術を受ける人が増加

――最近は、比較的若い世代の白内障が増えているという話を聞きます。それはなぜでしょうか?

もともと、50代でも50~60%の人が白内障にかかっています。それに、若い層の罹患者数が増えているという統計はないと思いますが、若いうちに手術を受ける人は、増えているかもしれないですね。

手術が増えた理由で大きいのは、手術に伴うリスクが減ったことです。昔は、本当にリスクが大きくて、高齢になって「いよいよ手術しかない」という段階でするものでした。今ですと、成功率が格段に上がったうえに、近視もある程度補正できたりなどメリットが多くなり、早めにやっておこうと考える人が増えています。

「白内障が増えている説」のもう一つの理由として、近視にかかる若い人の増加があると思います。近視だと白内障が早く進行します。それで、若い人の白内障が目立って増加しているように感じられるのでしょう。

スマホが直接的な原因ではない

――「スマホの使いすぎが原因」という記事を時々見かけますが、やはりスマホの影響はあるのでしょうか?

スマホは、白内障の直接的な原因ではないです。ただ、スマホを見すぎて近視になって、そこから白内障が進むという流れはありますが。

手術を受ける中年世代の人が増えているといっても、彼らが若い頃にはスマホはなかったですし。

紫外線を避け、目に良い栄養素を摂るのが予防の秘訣

――白内障を予防することは可能でしょうか?

白内障が進行する一番の要素は紫外線です。そのため、北欧の人よりは、赤道に近い国の人の方が早く白内障になりやすいと言われます。紫外線カット機能のある眼鏡やサングラスを使うのはいいですね。また、つばのついた帽子をかぶったり、日傘をさしたりなど、紫外線は極力受けないようにしましょう。

また、水晶体への圧迫は良くないので、ついつい目をかいてしまうクセがあれば、やめましょう。

生活習慣では食事に注意してください。糖尿病だと白内障にかかりやすく、40代で手術を受ける人は結構います。なので、血糖値が高くならないよう、甘い食べ物は節制するなど気をつけてください。

白内障の予防に効く栄養素もあります。それは、ルテインやアスタキサンチンです。ルテインは、「天然のサングラス」とも呼ばれ、この栄養素を豊富に含むのは、ほうれん草やケールなど濃い緑色の野菜です。それから、とうもろこしや卵のような黄色い食品にも含まれています。

アスタキサンチンは、海産物の赤身に含まれています。鮭、エビ、カニ、イクラなどです。体内で発生する活性酸素は目にも有害ですが、アスタキサンチンは抗酸化作用が高くて、目のダメージを消去する能力が極めて高いのです。白内障に特化して効くわけではないのですが、目の健康を考えると、よく摂ることを勧めます。

こうした栄養素は、食事から摂るのが一番ですが、サプリでもかまいません。

眼科で検査を受けることが大事

――白内障の手術を受けるハードルは下がったと、先ほどおっしゃいました。実際、白内障と診断されたら、すぐ手術を受けるべきでしょうか。

50代まででは、受ける人は多くありません。メインは70代ですね。受けるかどうかは、進行の度合いによるでしょう。現時点で、日常生活で困っていなければ、あまり積極的には受けたくないでしょうから。

ただ、眼科で定期的に検査を受けることは、強く勧めます。例えば、緑内障にかかっていると失明するリスクがあります。

ですが、緑内障にかかっても、最初のうちは9割がた自分が緑内障だとは気づいていないのです。あるいは、白内障だと思い込んでいるけれど、実は緑内障だったという人も結構います。

早期発見が重要なので、しばらく眼科に行ってないのであれば、検査を受けてみましょう。頻度で言えば、40代に入ったらまず1回行きしょう。以降、70歳ぐらいまでは2年に1回ぐらいでいいです。70歳を超えると、年に1回ぐらいに増やします。眼鏡や老眼鏡が、ちゃんと合っているかをチェックする意味でも、定期的な診断は受けてください。

■お話を伺った方:平松類医師

二本松眼科病院副院長。医学博士・眼科専門医。緑内障手術トラベクトーム指導医。週刊文春「日本の名医50人」、夕刊フジ「名医はこの人 ブラックジャックを探せ」で紹介される。テレビの健康関連番組の出演多数。Yahooニュースの眼科医として唯一の公式コメンテーター。チャンネル登録者数が約30万人のYouTube「眼科医平松類チャンネル」を運営。著書にベストセラーとなった『 1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる! ガボール・アイ 』(SBクリエイティブ)など多数。
二本松眼科病院公式サイト:http://www.nihonmatsu.net/

取材・文/鈴木拓也

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