裁判所のジャッジ
裁判所
「弁護士は夫に慰謝料300万円はらえ」
裁判所は、メールの内容などを根拠に「不貞関係にあったと推認できる」と判断しました。にしても300万はカナリ高額です。一般的には数十万円〜300万円と言われており、そのテッペンなので。
―― 裁判所さん、300万と認定した理由は?
裁判所
「婚姻関係の破綻については夫自身の問題点もあるにせよ、弁護士はひとたび夫が関与する会社の訴訟事件などを受任しており、信頼を裏切る行為といわざるを得ない」
おそらく裁判所は、いろいろ案件を受けて報酬ももらっておいて、依頼者の妻に手を出すってコノヤロー!と怒ったのでしょう。
以下、弁護士の反論も紹介しておきます。
▼ 携帯メールは改ざんされている
弁護士
「携帯電話のメールは改ざんされた可能性があります」
裁判所
「改ざんされたような不自然さはないし、両名の供述は著しく不合理である」
メール・LINE・チャットが証拠提出されれば、ほぼ白旗をあげざるを得ません。
▼ 旅行してません
弁護士
「3人で旅行していません。A子と娘さんだけがユニバ旅行をしただけです。私にはアリバイがあります。その日はサッカーの試合に出たあと懇親会に出席していたのです。旅行は不可能です」
さすが弁護士!理詰めで反論しましたね。
裁判所
「そのアリバイを立証する証拠は客観性を欠きます。3日間の旅行が全く不可能であったとはいえない」
撃沈!
番外編
Q.配偶者の携帯を見てもいいんですか?
A. 今回はOKでしたね。携帯メールが証拠採用されました。裁判所は「民事訴訟において証拠排除をしなければならないほどの違法性を認めることはできない」と判断しました。
違法収集証拠は証拠としてとりあげてくれないんですが、「違法かどうか」はマジで裁判官次第です。配偶者の携帯を見てそれを証拠提出したケースでは、証拠採用されたこともあれば(東京地裁 H21.7.22)、証拠として取り上げてくれなかったこともあるんです(東京地裁H21.12.16)。
今回は以上です。またお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
「ムズイ法律を、おもしろく」をモットーにコンテンツを作成している弁護士
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