
アウディ ジャパンは、プレミアムミッドサイズSUVの電気自動車(BEV)「Q6 e-tron」と、スポーツグレードの「SQ6 e-tron」を発表した。なお、両モデルとも2025年4月15日より販売を開始する。
Q6 e-tronシリーズは、アウディがポルシェと共同開発したスポーティでハイパフォーマンスなBEVプラットフォームPPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)をベースにした初の市販モデルシリーズであり、洗練されたアウディのSUV、Qモデルのスタイルと、e-tronのデザイン言語を融合させた次世代電動SUVとなる。
同モデルは、卓越した走行性能、充電速度、そして最長672km(SQ6 e-tron)という優れた一充電走行を実現し、スポーティなパフォーマンスと日常での使いやすさを両立している。
さらに、インテリアの新しいデザイン哲学と先進的なテクノロジーが、アウディのブランドスローガンVorsprung durch Technik(技術による先進)を体現し、これまでにないドライビングエクスペリエンスを提供。
最先端の生産体制と持続可能な取り組みにより生み出されるQ6 e-tronは、PPEの柔軟性を活かしながら、アウディのDNAと個性を組み込み、電動ラインアップ拡充の新たな原点となるモデルとして、未来のモビリティ体験をさらに進化させ、新たな価値と感動を提供する。
アウディDNAを引き継ぐ革新的デザインそしてサステナブル素材の融合
Q6 e-tronは、プレミアムミッドサイズセグメントに属する電動SUVであり、卓越したデザインと革新的なテクノロジーを融合させたモデル。ボディサイズは全長4,770mm、全幅1,940mm、全高1,695mm、ホイールベース2,895mmと、ゆとりある室内空間と安定感のあるプロポーションを実現している。
PPEの採用により、長いホイールベースと非常に短いオーバーハングを特徴とし、アウディのSUVであるQモデルならではの力強くダイナミックなシルエットを形成。さらに、e-tronとしてのデザイン言語にも磨きをかけ、先進的なスタイルを際立たせている。
そのエクステリアデザインは、全体的にソフトな印象を与える流れるようなフォルムの中で、シャープなラインやエッジがコントラストを生み出し、静止しているときでもダイナミックな存在感を放つ。
アップライトなフロントエンドには、完全に閉じられた立体的な造形のシングルフレームとサイドエアインテークがフロントフェイスを際立たせ、高い位置に配置されたデジタルデイタイムランニングライトが、Q6 e-tronに特徴的な表情を与えている。
そしてサイドビューでは、力強い形状のボディがリヤに向かって伸びることで緊張感を醸し出し、ウィンドウエリアは車両後方に向かってわずかに細くなり、緩やかに傾斜したDピラーが筋肉質なショルダー部分にエレガントに流れ込むデザインとなっている。
Dピラーとルーフの間のブラックの縁取りが、キャビンをより長く見せつつ、車両全体のダイナミックな印象を与える。
また、リヤライトからリヤドアへと流れるラインが、Dピラー下部のquattro(クワトロ)ブリスターを際立たせている。このブリスターは、アウディのデザインDNAにおける重要な要素であり、アウディはこれを「テクノロジーの可視化」と表現している。
さらにe-tron GTのデザインをSUVスタイルに落とし込んだ、四輪を強調するquattroブリスターフェンダーは、力強さと安定感を視覚的に表現している。
リヤエンドは、ダイナミックに絞り込まれた造形がエレガントでスポーティな雰囲気を生み出し、左右を結ぶライトストリップを備えた幅広くクリーンなリヤランプが、Q6 e-tron quattroにアウディ特有の洗練された落ち着きを与えている。
一方、Q6 e-tronのインテリアは、デザインとエルゴノミクス(人間工学)の2つの視点により、乗員に最適化されたスペースを創出している。
立体的でハイコントラストな3Dデザインを採用し、前景や背景にエレメントを意図的に配置することで、奥行きと洗練された美しさを実現。MMIパノラマディスプレイとMMIパッセンジャーディスプレイは、非常に鮮明なデジタル画像を映し出し、直感的な操作性を提供する。
そしてソフトラップと呼ばれるトリムは、ドアからコックピット全体そしてセンターコンソールまでシームレスに広がり、乗員を包み込むような調和の取れたスペース感覚を生み出す。
シートには同じカラーと高品質な素材を使用し、一部にはリサイクル素材を採用している。素材の選定は機能性とデザインの差別化を両立させ、エリアごとに独自のキャラクターを演出している。
Q6 e-tronは、アウディの電気自動車フラッグシップモデルe-tron GTより導入を始めたレザーフリーマテリアルを採用する、S lineパッケージエラスティックメランジクロス/アーティフィシャルレザー (レザーフリーシート)をオプションで用意することにより、eモビリティにシフトするアウディの新しいラグジュアリーの姿を示している。
エラスティックメランジクロスは、100%リサイクルポリエステルから製造された素材をメインとしており、異なる色の繊維が織りなす、表情豊かな素材感が特徴。
快適性を重視するエリアには、広々とした雰囲気を強調する柔らかい素材を使用する一方、コントロール類には高品質なハイグロスブラックを採用し、車両との対話に必要な明確さを確保している。
PPEの採用により、広々としたスペース感覚と居住性を両立し、高い実用性を実現。長いホイールベースと、電気自動車ならではのセンタートンネルのない設計が、リヤのセンターシートの快適性をさらに向上させている。
なおトランク容量は526Lで、リヤシートを3分割(40:20:40)となっており、最大1,529Lまで拡大。さらに、ボンネット下のフランク(フロントトランク)には64Lの収納スペースを確保している。
スポーティドライビングと優れた効率を両立
Q6 e-tronは、パワフルでコンパクトかつ高効率な電気モーターと、新開発のリチウムイオンバッテリーによって、卓越したパフォーマンスと長い一充電走行距離を両立している。
このリチウムイオンバッテリーは12のモジュールと180のプリズムセルで構成され、総容量100kWh(総電力量94.9kWh)を誇る。これにより、Q6 e-tronは185kW出力モデルで569km、285kW出力モデルで644km 、スポーツグレードSQ6 e-tronは672kmの一充電走行距離を実現し、ロングドライブにも安心して出かけることができる。
そして後輪駆動のQ6 e-tronは、83kWhのバッテリーと185kWを発揮する1基の電気モーターをリヤに搭載し、0~100km/h加速は7.0秒です。Q6 e-tron quattroは、100kWhのバッテリーを搭載して285kWのシステム出力を発揮し、0~100km/h加速はわずか5.9秒。
スポーツグレードのSQ6 e-tronは、同じく100kWhのバッテリーを搭載して最大360kW(ローンチコントロール使用時は380kW)のシステム出力を誇り、0~100km/h加速は4.3秒(ローンチコントロール使用時)、最高速度は230km/hに達する。
駆動システムの最大出力は、後輪駆動のQ6 e-tronが185kW(ローンチコントロール起動時は215kW)、quattro四輪駆動のQ6 e-tron quattroが285kW、そしてAudi SQ6 e-tronが360kW(Audi SQ6 e-tronのローンチコントロール起動時は380kW)。
後輪駆動モデルのリヤアクスルには、ヘアピンコイルを採用する最大トルク450Nmを発生するPSM(永久磁石同期モーター)を搭載。
一方、quattro四輪駆動モデルのリヤアクスルには共通のヘアピンコイルを採用する580NmのPSMを備え、フロントアクスルには、同じく共通の最大トルク275Nmを発生するASM(非同期モーター)を搭載する。
これにより、俊敏かつ力強い加速力と、優れたハンドリング性能を実現。さらに、ドライサンプ方式の新冷却システムを採用することで、パワートレインのコンパクト化と軽量化を図り、効率性とパフォーマンスの両立を徹底している。
Q6 e-tronは、日常の利便性と長距離ドライブの快適さを両立させるために、最先端の充電技術を搭載した電動SUV。標準バッテリーには800Vテクノロジーを採用しており、欧州では最大充電出力は270kWに達し、最適な急速充電ステーション(High Power Charging:HPC)を利用すると、約21分で充電レベル(SoC)を10%から80%まで引き上げ、インテリジェントで予測的なサーマルマネージメントが、この高効率充電をサポート。
日本では、Audi charging hub紀尾井町をはじめとする日本国内アウディ販売店に設置されているChAdeMO方式として国内最大出力の150kW充電器を利用した場合、最大135kWの急速充電に対応し、約35分で充電レベル(SoC)を10%から80%まで引き上げる。
さらに8kWのAC充電にも対応し、家庭や公共施設での充電もスムーズに行なうことができる。
さらにQ6 e-tronは、先進的な回生システムにより、効率性とドライビングダイナミクスを卓越したレベルへと引き上げている。日常の制動プロセスの約95%は回生ブレーキによって行われ、最大220kWのエネルギーを回生。これにより、航続距離の最大化と高効率なエネルギー活用が可能。
加えて、新設計のフロントアクスルと精密なトルク配分によりQ6 e-tronは、俊敏かつ安定した走行性能を実現。コントロールアームがサスペンションアームの前方に配置されており、これが高電圧バッテリーのレイアウト最適化にも寄与している。
サブフレームに固定されたステアリングラックや、洗練されたアクスル構造によって、ステアリングの応答性が向上。プログレッシブステアリングとフリークエンシーセレクティブダンパーシステムを備えたサスペンションが、快適性と路面追従性をさらに高めてくれる。
このQ6 e-tronは、後輪駆動とquattro四輪駆動モデルを用意。SQ6 e-tronについては、quattroモデルとなる。quattroシステムは、リヤアクスルへのトルク配分を重視。フロントとリヤで異なるサイズの電気モーターを搭載し、フルロード時でもリヤ重視のパワー配分を維持。さらに、リヤタイヤはフロントタイヤよりも幅広く、これによりグリップ力とドライビングダイナミクスが一層強化されている。