
さまざまな価値観を持つ生活者の住まいと暮らしについて調査・研究を行なうパナソニック ホームズ「くらし研究室」は、家事の意識と実態を把握することを目的とした『家事の意識と実態に関する調査』を2025年2月に実施。
全国の既婚男女を対象に、三大家事(「炊事」「洗濯」「掃除」)のいずれかを、家庭全体の家事量において3割以上実施している人から回答を得て集計した。
調査結果から住む人に最適な「家事楽」間取りの提案手法を新開発
回答者のうち、住宅の一次取得層が多い25~44歳の年代(以下、一次取得層)は、「家事を効率化して、家族や自分の時間を増やしたい」の回答が他の年代(45~74歳)より多く、家事の効率化に関する情報収集も積極的に行う反面、「情報が自分に合っているのかわからない」と感じている人が他の年代よりも多いことが顕著だった。
今回の結果から、一次取得層は情報収集には前向きだが、膨大な情報の中から自分に合うものを取捨選択して見極めることには苦戦していることが推察できる。そこで、「くらし研究室」では、住む人の家事スタイルを可視化して、住む人に合った「家事楽」※1の間取りの提案手法を新しく開発した。
※1「家事楽」とは、家事をラクに楽しくできる提案であり、同社の登録商標。
まずは調査結果の概要からお伝えする。
一次取得層は家事を効率化して「家族や自分の時間を増やしたい」
<図1 「家事を減らして、家族や自分の時間を増やしたい」(単一回答) n=1030>
三大家事の「炊事」「洗濯」「掃除」のうち、いずれかの家事を家庭全体の家事量において3割以上実施している既婚男女に対して、家事への取り組み方について普段の考えや行動を聞いた。
その結果、「家事を減らして、家族や自分の時間を増やしたい」と回答した一次取得層の平均(70.4%)は、他の年代の平均(51.8%)より18.6ポイント高いことがわかった。(図1)
また、「家事に役立つ便利な家電やアイテムはすぐに取り入れたい」と回答した一次取得層の平均(50.0%)は、他の年代の平均(31.6%)より18.4ポイント高区なった。
このことから一次取得層は他の年代よりも便利な家電やアイテムを使いながら家事を効率的にこなし、家族や自分の時間を増やしたい傾向が強いことが考えられる。
<図2 「家事に役立つ便利な家電やアイテムはすぐに取り入れたい」(単一回答) n=1030>
■一次取得層は、家事効率化の情報収集を積極的にする一方で取捨選択に苦戦
<図3 『家事の「時短」「効率化」に関する情報を積極的に取りに行く』(単一回答) n=1030>
『家事の「時短」「効率化」に関する情報を積極的に取りに行く』と回答した一次取得層の平均(53.6%)は、他の年代の平均(37.2%)より16.4ポイント高いことがわかった。(図3)
また家事に関する情報収集の方法について聞いたところ、一次取得層は「SNS(Instagram、YouTubeなどのインフルエンサーや家事関連アカウント)(40.5%)が最も多く、「インターネット(ブログ、Q&Aサイト、家事に関する情報サイトなど)」(37.4%)が続いている。
他の年代は「インターネット(ブログ、Q&Aサイト、家事に関する情報サイトなど)」(41.6%)が最も多く、「テレビ番組(家事や暮らしに関する特集、料理番組など)」(40.0%)が続き、年代によって情報収集の方法が異なることがわかった。
特に、一次取得層でもっとも多い「SNS(Instagram、YouTubeなどのインフルエンサーや家事関連アカウント)」(40.5%)は、他の年代の平均(13.4%)と比較して27.1ポイントも差があった。(図4)
<図4 家事に関する情報収集の方法(複数回答)>
一次取得層は、家事に関する情報収集を他年代よりも積極的に行なう一方で、「情報が自分に合っているのかわからない」と回答した一次取得層の平均(60.4%)は他年代(47.9%)より12.5ポイント高い。(図5)
<図5 情報が自分に合っているのかわからない(単一回答) n=1030>
調査概要
調査対象/全国25歳~74歳の既婚男女1,030人(性年代均等割付)
※「炊事(準備・調理・片付け)」「洗濯」「掃除」のいずれかを、家庭全体の家事量において3割以上実施している人が対象
調査期間/2025年2月7日(金)~2月10日(月)<4日間>
調査方法/インターネットリサーチ
調査委託先/マクロミル
調査主体/パナソニック ホームズ株式会社
調査結果から新たに生まれた「家事楽」※1の間取りの提案手法とは
今回の調査から同社では生活者、とりわけ住宅の一次取得層は家事の効率化を求める一方、自分に合う「家事に対する考え方や取り組み方(以下、家事スタイル)」を採り入れることが難しくなっていると考えた。
そこで今回、「くらし研究室」では、住む人の家事スタイルを可視化して、住む人に合った「家事楽」※1の間取りの提案手法を新しく開発した。
※1「家事楽」とは、家事をラクに楽しくできる提案であり、同社の登録商標。
■住む人の家事スタイルに合った「家事楽」※1の間取りの提案手法(従来比較)
昨今、ライフスタイルの多様化や便利家電・代行等のサービスの増加により、家事のスタイルが多様化している。
今回の新提案では、生活者の家事スタイルを分類し、各々の傾向を可視化してわかりやすく顧客に提示。新提案の開発にあたっては、「予定通りに家事を終えられるか」、「家族で協力して家事を行えるか」など、「家事に対する自己評価の指標」を最も重要視したという。
住む人が、どの自己評価指標を重視するかに応じて、優先すべき間取りやアイディアを絞り込み、効率的で快適な家事動線や空間を提案。その結果、住宅商談の初期段階である間取りの提案時から、住む人の家事スタイルにマッチする家事動線や空間の提案が可能になった。
顧客が、家事の役割分担や時短・効率化の考え方に関する質問に回答することで、自分に合う家事スタイルや、家事への自己評価の重要ポイントを明らかにし、重要ポイントを基に、精度の高い「家事楽」※1のプランニングと提案を行なうことができる。
今回の発表に際して同社では、以下のようにコメントしている
「今後は、この研究結果を活かし、それぞれの家事スタイルに適した自己評価を高めるためのポイントや家事楽アイディアを提案するツールの開発を進めていきます。当社は長年、家事をラクに楽しくできる提案「家事楽」※1を研究しています。
当社は今後も、家事に対する生活者の意識や心理にも着目し、家族みんなが『誰でも、いつでも、苦手でも』家事がしやすい住まいの提案に取り組んでいきます」
関連情報
https://homes.panasonic.com/kurashi-lab/
構成/清水眞希