STEP3…保護猫団体に預けてもらう
筆者が夫に先立たれ、孤独死した時には、愛猫を預けられるような近親者がいない可能性が高い。
そこで私が想定しているのが、東京キャットガーディアンが運営している「ねこのゆめ」というシステムを利用すること。これは、「愛情があっても、(病気やケガ、老衰による施設への入所など)飼育が困難になった猫」を施設で引き取り、新たな里親を探すシステム。里親が見つからなかった場合は終生、同団体の施設で暮らすことができる。
つまり、前もって「ねこのゆめ」を契約しておき、信頼でいるペットシッターさんに、同団体の施設に預けてもらうというのが、筆者の計画だ。
筆者はこの施設を何度か取材したことがあり、フォスターペアレントとして、持病のある猫を経済的に支援している(※関連記事「下半身不随の猫・まるちゃんとの出会いによって決断!保護施設にいる動物を金銭面で支援する「フォスターペアレント」という選択肢」。
フォスターペアレントになると、月1~2回、自分が支援している猫についての報告が届くが、「自分が世話をしても、ここまでできるだろうか」と思えるほど、行き届いたケアをしてもらっているのを見ているので、安心して預けられる。
筆者がフォレスターペアレントとなっている、膵炎などの持病がある東京キャットガーディアンのめいちゃん(右)。右の写真は、スタッフに皮下補液をしてもらっているところ
「ねこのゆめ」の費用は1頭につき273,600円(税別)だが、引き受け時に健康等に問題がなく、譲渡の見込みの高い3歳以下であれば同団体の判断で、163,000円(税別)で引き取る場合もあるとのこと。また「すぐにではないけれど、いつかに備えたい」という場合には、毎月3,800円(税別)×6年間の積立も可能。積立の場合、満期前に愛猫が亡くなったら手数料を除いて全額、返金してもらえる。
※詳しくは「ねこのゆめ」参照
ちなみにこのシステムを利用した人の事例は以下のとおり。
・両親の飼っていた猫の里親を探しているが、中々見つからないため、頼みたい。
・急逝した家族の飼い猫を大切にしたいが、自分は出張が多く猫を見てやることができない。
・事故にあって、世話ができなくなってしまった。
・(ケアマネージャーから)担当する高齢者の方が、飼育が困難になってしまった
万が一の準備をしておけば、長い人生を猫と暮らせる
保護猫を里親として引き取る場合、終生飼養の観点から、60歳~65歳の年齢制限を設けられることがほとんど(何かあった時に猫の世話を任せられる「後見」人がいれば制限はもう少し緩くなることがある)。
とはいえ、人生100年時代だ。おひとり様でも愛猫さえいれば、心豊かで幸せな人生をおくれるという人も多いはず。孤独死を恐れて猫との暮らしをあきらめるよりも、いつ孤独死しても愛猫が幸せに暮らし続けられるような準備をしつつ愛猫と暮らすほうが、トータルでの人生のQOLは確実に上がる気がする。
取材・文/桑原恵美子
取材協力/特定非営利活動法人エンリッチ(NPO法人)、東京キャットガーディアン(NPO法人)、日東書院