改めて見直される「有線イヤホン」の便利さ
確かにワイヤレスイヤホンの登場により、イヤホンの様式もだいぶ変わってきた。
ただ音楽を聴くだけではなく、通話やリモート会議からゲームまで様々なシーンで欠かせないアイテムだ。
当然だが、ワイヤレスイヤホンはケーブルがなく、ケーブルを引っ掛ける心配がない。片耳だけでも使用することができ、断線や服などに擦れるといったタッチノイズの心配もなく、何より軽いのがメリットだ。
しかし、環境によって音飛びなどがあったりすると、音楽の再現性が有線イヤホンよりも劣ることになってしまう。また、軽量化が進む一方で紛失する可能性も高くなる。
その点、有線イヤホンは音飛びなどや紛失の心配がなく、充電をする必要もない。スペック的な要素を語る以前に、最初から物理的なメリットとデメリットが双方にはある。
また、有線イヤホンはBluetoothプロトコルによる圧縮技術を使用せずにデジタルからアナログ変換が行われるため、音の純度が高く、オリジナルの音源に忠実な音質が再現され、動画やゲームをするのには適している。
その一方で、ワイヤレスイヤホンはBluetoothプロトコルによる圧縮技術が使われるため、音のディテールが失われやすくなる。
しかし、最近では音響メーカーからも、音質にこだわったワイヤレスイヤホンも発売され、今まで懸念されていた音質の問題は解決されているように思える。
そのようなことを踏まえると、単にレトロな雰囲気だから……といっただけではなく、それぞれの特性やシーンに合わせて、若者を中心に有線イヤホンの人気は広まっているようだ。
どちらも甲乙つけ難いほど進化しているイヤホン業界だが、ライフスタイルに合わせて使い分けてみるのも、ひとつの選択肢なのかもしれない。
文/Tajimax
平成ガールズカルチャーの魅力を発信し続けるライター・コレクター。2018年よりSNSを中心に、90年代から2000年代の若者文化をテーマにした情報発信を開始。『東洋経済オンライン』『オリコンニュース』『現代ビジネス』『クイック・ジャパン』などでのコラム執筆やインタビュー取材を行なっている。平成ガールズカルチャーの収集家としても知られ、特に1990年から2018年頃に発行された女性誌の膨大なバックナンバーを所蔵。