
近年パンブームが続いている韓国。塩パン、マヌルパン(にんにくパン)、クルンジ(プレスして焼いたパリパリのクロワッサン)など次々とトレンドが生まれては移り変わるなかで、ここ数年、爆発的な人気を集めているのがカムジャパン(じゃがいもパン)。
行列ができるカムジャパン発祥のカフェを取材、魅力にせまります。
カムジャパン(じゃがいもパン)とは?
まるで本物のじゃがいもみたいなカムジャパン。
カムジャパンとは、「じゃがいもパン」という意味で、見た目が本物のじゃがいもみたいなユニークなパンです。表面にはきな粉や黒ごま粉がまぶされており、まさに畑から掘りおこしたばかりの土が付いたじゃがいものような姿。米粉を使ったもちもちの生地の中に、ほんのりと甘いじゃがいもペーストをたっぷりと包んで焼き上げています。
もっちり生地の中にほんのり甘いじゃがいも餡がたっぷり。
初めてカムジャパンを食べた時の驚きは忘れられません。パンのようなスイーツのような、出会ったことのない新感覚のおいしさに大感激。ひとつでもけっこうなボリュームなのに、思わず2つも食べてしまったほどです。
可愛いビジュアルとじゃがいも本来の素朴で奥深い味わいがSNSを中心に話題となり、韓国全土に広まったカムジャパン。その発祥地であるカフェは地方にあるにもかかわらず、国内外から年間100万人もが訪れる観光名所として賑わっているんです。
カムジャパン発祥の地、超人気カフェの魅力にせまる!
チョンさん(写真中心上)と彼がチング(友)と呼ぶ従業員たち。
カムジャパン発祥の地は、江原道(カンウォンド)春川市にあるカフェ「カムジャバッ」(じゃがいも畑という意味)。今や韓国全土にその名を轟かす同店で、代表のチョンさんにお話を伺うことができました。日本のメディアには初登場とのこと。
ローズレッドなど国内品種のじゃがいもを地元の農家で契約栽培し、ほっこりおいしいパンを開発。
農家出身のチョンさんが、農夫を夢みる若者たちと一緒に会社を立ち上げたのは2020年のこと。持続可能な農業と地域の活性化を目指す彼らは、地元の特産品であるじゃがいもを使って新しいスイーツを作ろうと奮起。研究を重ねてカムジャパンを開発したといいます。
カムジャパンはすぐに人気が出たのだろうか。
「いえ、オープンした当初はパンよりも庭が評判だったんですよ。」
山と畑に囲まれた広々としたテラス席。
カムジャバッは畑に囲まれたのどかな場所にあり、四季折々の植物が楽しめる広い庭を有しています。散歩や景色を堪能してゆったりと過ごせるということで、地元の人のみならず、都会からやってくる観光客にも評判となり、カムジャパンの人気も徐々に口コミやSNSで広がっていったようです。
10個入りボックスはじゃがいも出荷用のダンボール風。
SNSで注目されるようになると、一気に人気が拡大するのが韓国。視覚的なインパクトもさることながら、ヘルシーで自然なおいしさが幅広い世代に支持され、地域の特産品というストーリー性や若者たちの志の高さも共感を呼んだのでしょう。都市部から春川に出かけてお土産にカムジャパンを買って帰る人が急増し、今では江原道を代表する特産品となりました。
さつまいもパンやじゃがいもラテも人気。
カフェでは、オリジナルのカムジャパンにチーズ入りや季節限定のフレイバーのカムジャパン、さつまいもを使ったコグマパンのほか、じゃがいもラテなどのドリンクメニューも豊富。店内や庭にはSNS映えする撮影スポットがいくつも用意されており、韓国っぽさ満載です。
ステッカーやキーホルダーなどのキャラクターグッズも展開。
ソウル市内のデパートでポップアップをした際には、1週間で1万個を売り上げるほどのメガヒットを記録したというカムジャパン。最近は韓国のコーヒーチェーン店「MEGA COFFEE(メガコーヒー)」とコラボしたことでますます大バズりし、観光客を通して国外での知名度も急上昇しています。
カムジャパンがついに日本上陸
春川本店でいただくカムジャパンは格別。だけど日本でも食べたい!
2025年3月現在、「カムジャバッ」の直営店は韓国の春川だけですが、同店の人気をうけて、他の企業でもカムジャパン風の類似商品が作られるようになり、カフェやベーカリーで提供するお店も増えています。これは韓国の食品業界ではよく見られる現象。トレンドが生まれると瞬く間に商品化合戦が始まるのです。
一方、日本でも韓国ファンを中心にカムジャパン人気が上昇中。新大久保の韓国風カフェや一部通販サイトを通して購入できる場合もありますが、元祖カムジャパンはまだまだ入手困難な状況。
噂のカムジャパンがいよいよ日本にやってくる!
しかし、4月にカムジャバッが日本上陸するとのこと。可愛い見た目ともちもち食感、甘さ控えめの自然な味わいなど、日本人が大好きな要素がつまったカムジャパン。きっと日本でも大バズりするだろうなあと、ワクワクドキドキしています。
文・写真/坪井由美子
ライター&リポーター、PRなど幅広く活動。ドイツ在住10数年を経て世界各地でプチ移住や語学留学をしながら文化やグルメ、トレンドを発信。『テレビチャンピオン』甘味通選手権で3度優勝しレシピ開発も手掛ける食いしん坊。著書『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員