
欧州特許庁(EPO)は、2025年3月25日に2024年の特許指数を発表。日本は米国、ドイツに次いで欧州特許出願数で第3位となった。
日本企業および発明家による出願は全体の10.6%
欧州特許庁(EPO)が発表した最新の2024年特許指数によると、2024年に日本の企業および発明家は合計21,062件の特許を出願し、EPOへの全出願の10.6%を占めた。
2023年との比較では2.4%減少したが、日本は依然として技術革新において存在感を示している。なお、EPOは昨年、世界中で199,264件の特許出願を受理。これは、2023年(199,452件)と同等の件数となる。
■日本からの特許申請における主要な技術分野は電気機械/エネルギー、輸送、コンピュータ
欧州特許出願における日本の主要分野である電気機械、装置、エネルギー分野では、2023年と比較して8.4%増加し、合計2,077件の日本の特許出願があった。
バッテリー技術(電気機械の重要なサブ分野)の分野では、日本の企業による2024年のEPOへの特許出願は、2023年と比較して20%増加。
自動車、航空宇宙、鉄道技術を含む日本の2番目に重要な分野である輸送分野でも、日本からの出願は1,357件となり3.7%増加した。第3位の分野はコンピュータ技術であり、AI関連のいくつかのサブ分野で日本企業の特許出願が20%増加した。
■ソニーグループ、欧州特許出願件数トップ10入り
EPOの特許出願件数上位25社に日本企業4社がランクインした。ソニーグループが1,307件の出願でトップとなり、2023年の10位から順位を上げ、9位を獲得。以下、パナソニックが990件、キヤノンが760件、日立が653件と続く。
ソニーはコンピュータ技術分野において、EPO全体の出願件数で7位、測定技術分野では13位、デジタル通信分野では14位だった。トヨタ自動車も大きく躍進し、自動車技術(輸送分野の重要なサブ分野)で4位、電動推進(電気自動車)技術で2位にランクインし、特許出願数は前年比12.7%増と顕著な伸びを示した。
また、日本はバッテリー技術におけるイノベーションにおいても継続的な強さを示しており、電気機械、装置、エネルギーのバッテリー関連サブ分野において、世界のトップ10にパナソニック(4位、279件の特許)、プライム プラネット エナジー&ソリューションズ(8位、85件の特許)、トヨタ自動車(10位)がランクインしている。
■世界都市ランキングで東京が1位
東京は、日本の世界的な技術プレゼンスを牽引する上で極めて重要な役割を果たしており、EPOへの特許出願数が合計11,592件と、日本の都道府県で最も多い数となっている。
東京はまた、EPOへの欧州特許出願件数において、米国のカリフォルニア州に次いで世界で2番目に大きな地域であり、広東省(中国)、イル・ド・フランス(フランス)、バイエルン州(ドイツ)を上回っている。
さらに、東京はEPOの世界都市ランキングでも首位を獲得しており、その特許出願における優位性は、エレクトロニクス、AI、クリーンエネルギー、モビリティソリューションなど、多様な産業分野に及んでいる。なお、東京に続き、大阪府が2,979件の特許出願で都道府県別で2位、愛知県が1,447件の出願で3位となっている。
構成/立原尚子