
グランドデザイン株式会社(東京・南青山)は、世界初※の「デコトラ展」を2025年7月25日〜27日に開催すると発表した。
※アート展示および屋内展示分野におけるデコトラの芸術展示として。同社調べ(2025年3月)
同社では「本展は、現在も被災地に支援物資をいち早く届け、その存在感と情熱で多くの人々に希望を与えている”デコトラ”の現物展示を通して、彼らに宿る反骨精神の美学を、アートとして再定義する挑戦です」と説明している。
災害支援の最前線に駆けつけるデコトラ
大規模災害発生時、自衛隊が設置する交通規制線を最初に通過して、被災地へ支援物資や温かい炊き出しを届ける。
それが“デコトラ”の近年の歴史だ。能登半島震災の際、偶然にもNHKの取材中に記録された出動シーンは、多くの人々に強い印象を残した。
この点に関しても同社は、「誰に頼まれてやっているわけじゃない、好きで続ける支援活動は、単なる輸送手段を超え、人々の命と希望を繋ぐ「生きたアート」として称賛すべき存在だと私たちは考えています」と話す。
■昭和の魂を今に伝える「哥麿会」とデコトラの魅力
全国に広がる「一般社団法人・全国哥麿会」の田島順市会長が語るように、デコトラは現在、社会から評価されにくい存在でありながらも、人知れず支援活動や地域との絆を通じて確固たる誇りを持ち続けている。
コストパフォーマンスの悪い「義理と人情」を美学として掲げ、被災地支援に走り続けるデコトラは、時代の流れと環境規制、さらにはEV化の波により、減少の一途をたどっている。
■デコトラ×NFTアート、そして実物展示への挑戦
これまで、同社は現物デコトラをデジタル・データとして残すべく、NFTアートとしてニューヨーク、フランス、メキシコなどで展示。NFTによる収益は、哥麿会を通じて被災地支援へと還元してきた。
しかし、現実の美術館や博物館で「実物」として展示される機会は極めて少なく、アートとしての価値が十分に評価されているとは言い難い状況でもあった。そこで、今回、大谷資料館(栃木県宇都宮市)の協力のもと、実物展示への道を切り拓くこととなったという。
■本展への想いと今後の展開
そのデザインと日常を超えた美しさは、日本の「歌舞く」文化の継承者であり、高度成長期の日本を駆け抜けた、貴重な文化遺産だと、同社では考えたという。
本展では、デコトラが刻んできた歴史や、そこに込められた人情・義理、そして反骨の美学を次世代へ伝える「生きた資料館」としての役割を担う。
同社は、デコトラを「活動するアート」として再定義。被災地支援という現場での実績と、昭和の魂を現代に引き継ぐ挑戦を、今回の展覧会に凝縮した。
■「デコトラ展」開催概要
開催期間/2025年7月25日(金)〜7月27日(日)
開催地/大谷資料館 〒321-0345 栃木県宇都宮市大谷町909
時間/9:00〜17:00(最終入館 16:30まで)
一般料金/大人:800円、子供:400円(小・中学生)
団体料金(20名以上)/大人:700円、子供:350円(小・中学生)
※支払いは現金払いのみ
関連情報
https://dekotora-arttrucks.jp
構成/清水眞希