
漠然と異変を感じるのではなく、むしろ「●●が何かおかしい……」と気になる人がほとんどのはず。ここでは身体の部位や症状によって検診をしてくれる専門ドックを紹介する。
【1】頭皮ドック
西新宿杉江中央クリニック
[住]東京都新宿区西新宿7-10-18 小滝橋パシフィカビル4階
加齢、内臓疾患など、薄毛の原因を徹底検査
頭皮の検査と聞くとAGA(男性型脱毛症)をイメージする人が多いだろう。そのため、薄毛の悩みのない人の多くはスルーしがち。
頭皮ドックは、マイクロスコープによるチェックで頭髪に隠れて自分で見ることが難しい皮膚の炎症度合いをチェック。さらに遺伝子検査による薄毛遺伝子の有無、内臓疾患による脱毛が起こっていないかを血液検査で確認。頭皮、頭髪の不調を身体の外側、内側とあらゆる角度から洗い出す検査は薄毛に悩む前に行なっておいたほうがいい検査といえるだろう。
こんな人は受けたほうがいい!
●整髪料などで頭皮に負担をかけている人 ●薄毛の人が血縁にいる人 ●内臓の調子が悪い人
頭皮の状態を直接確認するマイクロスコープによる検査。まずはこの検査で頭皮表面の健康状態を確認する。
[所要時間]1時間〜1時間30分
[費用]遺伝子検査:2万2000円 血液検査:5500円
【2】眼科ドック
お茶の水・井上眼科クリニック
[住]東京都千代田区神田駿河台4-3 新御茶の水ビルディング18・19・20階
自覚症状が出にくい眼疾患の早期発見に役立つ
現代社会は目を酷使している人が多いはずだが、自治体が実施する健康診断での眼科診断は任意。会社などの健診がない人は自分で健診を受けることが必要となるが、眼の疾患は片方の眼に異常が生じてももう片方の眼が補うために自覚症状が出にくい。特に緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などは一度眼機能が落ちてしまうと回復が困難なので、早期発見が最重要となる。眼科ドックではこれらの早期発見はもちろん、白内障やドライアイなどの疾患も早期に発見することも可能だ。
こんな人は受けたほうがいい!
●近視が強い ●目を酷使している ●眼精疲労が続く ●血縁者が眼疾患を患っているなど
視力検査、眼機能検査、眼底などの画像検査、眼底の画像検査など、多彩な検査を実施し徹底的に問題の有無を洗い出す。
約半数が要再検査、要観察の結果となるので、早期治療のフォローも充実。
[所要時間]2時間(検査のみ)
[費用]2万2000円
【3】健脳ドック
アルツクリニック東京
[住]東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー7階
認知症発見の検査はもちろん未病・予防対応、家族のフォローも実施
認知症の6割を占めるアルツハイマー病は20年かけてゆっくり進行するといわれるが、一般的な脳ドックで発見できる認知症は「血管性認知症」が中心。これは脳卒中(脳血管障害・脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)が原因で現れる認知症のことで、健脳ドックではアルツハイマー病の予兆を的確に捉えるアミロイドPET検査を実施し、早期発見にアプローチする。さらに検査結果で発症リスクがある人はそのリスクを少しでも減らすべく、薬物療法や栄養指導、運動療法などを組み合わせたアドバイスや生活改善プランを専門医が提案。またすでに初期認知症の疑いがある人には通常の認知症治療はもちろん、世界規模で新薬を開発する場合とほぼ同時進行で行なう国際共同治験や包括的支援により、患者に寄り添った治療を実施する。
さらに健脳ドックを実施している「アルツクリニック東京」は早期の認知症予防および認知症発症リスク低減のための治療的介入を行なう拠点として「健脳カフェ」も開設。認知症の専門医が常駐し、カフェ内でのプログラムや談話に参加することで未病の段階から予防の個別プログラム支援をしている。ほか来場者に対して、上智大学老年心理学研究室の研究生による談話コーナーでの交流や、認知トレーニングの実施、認知症の人と家族の会による家族目線での相談会など、ひとりひとりに寄り添う取り組みを行なっているのも特徴。これらの試みは高齢化社会の我が国において注目を集めそうだ。
こんな人は受けたほうがいい!
●物忘れが気になる人 ●怒りっぽくなったり、特に理由がなくやる気が出ない人 ●落ち着きがない人など
こちらのPET装置で頭部を撮影。アルツハイマー病の原因の一因「アミロイドβ」の有無や程度を調べることができる。
アミロイドPET検査によって脳に蓄積された「アミロイドβ」のたんぱくを可視化することで、MRI検査では発見できないアルツハイマー病の可能性が一目瞭然となる。
[所要時間]約90分
[費用]アミロイドPET検査:26万4000円(自己負担)