
交通の利便性や生活環境、住みやすさなど、さまざまな視点から選ばれる「理想の街」は年々変化している。では、関西で「住みたい街」として人気を集めるのはどこなのだろうか。
リクルートは、関西(大阪府・兵庫県・京都府・奈良県・滋賀県・和歌山県)に居住している人を対象に実施したWEBアンケート形式による「みんなが選んだ住みたい街ランキング2025 関西版」を集計したので、調査結果の一部を抜粋して紹介しよう。
関西の住みたい街(駅)ランキング、1「梅田」、2位「西宮北口」、3位「神戸三宮」
住みたい街ランキングトップ3は昨年と同じく1位が関西随一の大都心「梅田」、2位が不動の人気を誇る阪神間の街「西宮北口」、3位が神戸の中心地「神戸三宮」という結果に。
1位の「梅田」は4年連続してトップの座をキープし、今年も圧倒的な強さを見せている。2位の「西宮北口」との得点差は2023年、2024年に続いて拡大し、今回は約500点もの大差をつけていた。
同時にアンケートをとった「得点がジャンプアップした街(駅)ランキング」でも「梅田」は2位を獲得。人気の高まりが加速していることがうかがえる。
理由はやはり西日本最大のターミナル、JR「大阪」駅北側のうめきた再開発を中心とする地域整備だろう。昨年はうめきた2期「グラングリーン大阪」が先行街開きし、駅前に広大な都市公園が誕生した。
緑豊かな芝生広場が広がり、オフィスやタワーマンションなどが集約した新しい街は、利便性だけでなく自然や癒やしにも配慮した、まさに若い人たちが求める都心居住の舞台といえそうだ。
うめきた再開発の波及効果で周辺エリアでも分譲マンションの供給が相次いでいる。「梅田」は単なるビジネス街ではなく、暮らす場としてのイメージも定着したと考えられる。
[関西]得点ジャンプアップした街(駅)ランキング
「得点ジャンプアップした街(駅)ランキング」で「梅田」を抜いて「京都」が1位を獲得(333点→450点)。
6位の「大国町」(総合ランキング71位)、9位の「あびこ」(総合ランキング77位)は、どちらも例年、100位まで紹介している総合ランキングに初ランクインした。
[関西]穴場な街(駅)ランキング
「大国町」は「穴場だと思う街(駅)ランキング」でも4位にランクインし、初のトップ5入りを果たしている。
「大国町」の人気急上昇の理由は何か。街の魅力項目として、「物価が安いと感じる」「コストパフォーマンスがよい飲食店や個人商店がある」「住居費が安いと感じる」などが挙げられた。
駅徒歩3分に水産や青果の卸売業者が軒を連ねる「大阪木津卸売市場」があり、一般客も気軽に利用できる。
市場内での月2回の朝市での食べ歩きや競り体験も楽しみのひとつだ。昔ながらの雰囲気を残しながらも、2023年にオープンした「なんばパークス サウス」を皮切りに都会的な街へと変化も遂げた。
四つ橋線と御堂筋線の交差地点に位置する「大国町」は「なんば」や「心斎橋」へのアクセスもしやすいため、「いろいろな場所に電車・バスで行きやすい」「通勤・通学など特定の場所に行きやすそう」が魅力項目の上位に。
性年代別では男性40代と女性20代、ライフステージ別では共働きの夫婦のみ世帯、共働きの夫婦と子ども世帯の得票が伸びている。
「桂」も前回から得点を伸ばし(195点→225点)、「住みたい街ランキング」で15位、「得点がジャンプアップした街ランキング」で12位に。
街の魅力項目では「コストパフォーマンスがよい飲食店や個人商店がある」「物価が安いと感じる」がトップ10にランクインした。
京都市内中心部の家賃や物件価格の相場が上昇する中、中心部から少し外れている「桂」は比較的リーズナブルに住めるエリアだ。また、京都大学桂キャンパスにも近いことから飲食店も多く、値段が手ごろな学生向けのチェーン店や個人店が多く出店している。
どちらも都心へのアクセスがよい割に家賃が比較的安価でコスパがよい点が若い世代を中心に人気を集め、得点を伸ばしたようだ。
調査概要
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査対象:関西圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県、滋賀県、和歌山県)在住の20歳~49歳男女
有効回答数:4,600人
調査実施期間:2024年11月8日(金) ~ 2024年12月6日(金)
調査機関:株式会社マクロミル
関連情報
https://suumo.jp/journal/2025/03/19/208522/?msockid=15f89f030a02635a010a90ce0be8621c
構成/Ara