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北中米W杯優勝へ!サッカーとともにレベルが高まる日本代表選手たちの語学力

2025.03.29

3月20日のバーレーン戦(埼玉)に勝利し、2026年北中米ワールドカップ(W杯)出場権を世界最速で獲得した日本代表。ここまでのアジア最終予選では無敵と言っていいほどの強さを示した。

「目標設定というのはアスリートにとってすごく大事。2022年カタールW杯が終わった時、『ベスト4』がいいのか『優勝』と言った方がいいか考えましたけど、今のチームや選手たちを見ると『W杯優勝』を掲げることがベストだと思った」とキャプテン・遠藤航(リバプール)も改めて頂点を目指すことを強調。まだベスト16を突破したことがない日本にとって高いハードルに他ならないが、アグレッシブに突き進んでいく構えだ。

欧州CL経験者も増加し、個々のレベルが着実に上がっている日本代表

2026年北中米W杯出場を決めた日本代表選手たち(筆者撮影)

今の選手たちが壮大な目標を抱くことができるのも、欧州トップリーグで日々、最高峰基準を体感しているのが大きい。3月の代表活動に参加した27人のうち、UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)に参戦経験があるのは12人。南野拓実(モナコ)や上田綺世(フェイエノールト)、前田大然(セルティック)らゴールを挙げている選手もいる。

そういった面々がもう一段階ステージを引き上げ、欧州CL決勝トーナメントの上位進出を果たせれば、本当に日本代表の躍進も見えてくる。特に来季は重要なシーズンになりそうだ。

出場権獲得翌日の記者会見に参加した森保監督(左から2人目)と遠藤航(同右)ら

この20年間で様変わりしている選手たちの外国語スキル

日本人選手の欧州リーグでの活躍が当たり前になる中、選手個々の語学力も目覚ましい進化を遂げている。

2000年代の日本代表を思い返すと、外国メディアから取材に普通に応じていたのは、中田英寿や小野伸二(Jリーグ特任理事)ら一握り。2010年代になって、本田圭佑や吉田麻也(LAギャラクシー)、英語・フランス語など5か国語を操る川島永嗣(磐田)、ドイツ語なら長谷部誠(日本代表コーチ)、原口元気(浦和)、イタリア語のできる長友佑都(FC東京)といった複数選手が外国語で話す姿が目につくようになったが、まだまだチームの一部という印象が強かった。

しかしながら、2020年代半ばの今、日本代表選手の大半が海外組となり、選手たちが外国語を話すのが日常化してきた。

10代のうちから欧州へ赴いた菅原は堂々たる英語会話を披露する

一例を挙げると、今季からイングランド・プレミアリーグでプレーする菅原由勢(サウサンプトン)。彼は3月25日のサウジアラビア戦(埼玉)前日に海外メディアから呼び止められ、流ちょうな英語で単独取材を受けていた。横を通りかかった堂安律(フライブルク)から「お前、英語で喋ってるのか」と軽口を叩かれると、「英語で話した方がパッションが伝わるから話しやすいんですよ」と笑顔で回答。その発言はあながち冗談ではないのだろう。

実際、彼は19歳になったばかりの2019年夏にオランダ1部のAZへ移籍。そこで5シーズンを過ごして昨夏にイングランドへ赴いた。もともと明るく社交的な性格で、ユース年代の頃から語学学習にも熱心だったうえ、頭の柔らかい10代のうちから異国に身を投じたのだから、英語力は自ずと伸びるはず。今では生活面やサッカーに関するコミュニケーションは全く支障のないレベルになっている。YouTubeなどで菅原が英語で取材対応する動画を見れば、ハイレベルなコミュニケーション力がよく分かるだろう。

堂安も10代から海外に赴いた1人。意思疎通には全く問題がない(筆者撮影)

久保建英はスペイン語がネイティブ並みで英語も巧み。三笘も欧州3年で急成長

そういった立ち振る舞いができるのは、菅原に限ったことではない。同じく20歳前後で欧州移籍に踏み切った南野、堂安、冨安健洋(アーセナル)、中村敬斗(スタッド・ランス)、鈴木彩艶(パルマ)は全く物怖じせずに英語で喋っているし、小学生時代にバルセロナのアカデミーで過ごし、18歳で再びスペインへ赴いた久保はスペイン語をネイティブ並みに操るのと同時に英語会話も非常にスムーズだ。

現在、イングランドで生活している遠藤、鎌田大地(クリスタルパレス)、三笘薫(ブライトン)らはメディアのインタビューにも堂々たる英語で回答している。遠藤に関しては25歳を過ぎてから欧州移籍しているのに、記者会見に出てきて堂々と回答している。それは努力の賜物と言っていいのではないか。

三笘の場合は、2021年夏に自身最初の海外クラブであるベルギー1部・サンジロワーズに赴いた頃は、それほど英会話が得意でなかったという話を耳にする。そこから英語系Youtuber・ATSUのDistinctionという単語帳などを使いながら学習量を増やし、監督やチームメートとも会話を重ねていく中で、日に日に前進。2022年夏にブライトンに行った頃にはかなり話せるようになっていた模様だ。

さらに母国で2年半という時間を過ごし、ボキャブラリーが増え、耳も慣れたのだろう。「カオルの英語は本当に素晴らしい」ブライトンのチーム関係者も証言しているという報道もある。筑波大学卒業というベースも会話上達のプラスに働いているはずだ。

外国語の意思疎通に秀でる久保(右から2人目)と三笘(中央)、南野(左)

「人と人の距離を縮めるには直接会話しないと難しい」という南野の発言に重み

一方、南野のケースを見ると、20歳になった直後の2015年1月に最初に移籍した先がオーストリア1部のザルツブルクだったため、最初はドイツ語学習を意欲的に進めていた。

「監督やチームメートとダイレクトに話をすることはすごく大事だと思います。今の僕は監督の発言が10だとしたら、2か3くらいしか分からないし、細かいニュアンスがつかめていないところが多々あります。大事な話の時は通訳さんに入ってもらうこともありますけど、やっぱり人と人の距離を縮めるには直接会話しないと難しい。監督によっては『ドイツ語で直接話せる選手で固く行きたい』という人もいましたから、言葉を学ぶことはすごく重要なんです」

これは約10年前の2015年10月に南野本人が話してくれたこと。当時は週3回以上のドイツ語のレッスンを受け、必死に環境に慣れようともがいていた。この頃、よくドイツに行っていた筆者が「エントシュルディグング(Entschuldigung=Excuse meに当たるドイツ語)がうまく発言できない」と言うと、「それって一番最初じゃないですか」と笑われたが、彼はそこから着実にレベルアップし、2019年末までの5年間で困ることがほとんどなくなったようだ。

ドイツ語のベースを備えた状態で、南野は2020年頭からイングランドのリバプールへ移籍。2年半在籍したが、そこでは英語スキルも身に着けた。2022年夏からプレーするフランス・リーグアンのASモナコでも多国籍軍ということで、今も基本的には英語で意思疎通を図っている様子だ。

ザルツブルクに在籍した2015年の南野拓実(筆者撮影)

元代表GK川島永嗣は“語学の天才”。彼のようなスーパーな選手の出現に期待

フランス語は特に難しいため、伊東純也(スタッド・ランス)や中村敬斗も英語で過ごしているようだが、フランス語はやはりもう一段階ハードルが上がるのは間違いない。

かつてフランスでプレーした川島は「毎日、練習場に通う車の中でラジオを30分聞いていたら、2年経った時には自然に耳に入ってくるようになった」と語っていたが、語学の天才と言われる男でさえも、それほどの時間を擁するのだから大変だ。もちろん川島はクラブが用意したレッスンも受けたし、自分で語学の勉強も熱心に行っていたに違いないが、いずれにしても、ピッチ外以外でも凄まじい努力をしたうえで環境に適応し、サッカーで結果を出しているのだ。

今も多くの代表選手が尊敬するレジェンド・川島永嗣(筆者撮影)

そんな選手たちのあらゆる積み重ねが日本代表の強化につながっている。それを我々は今一度、認識する必要があるだろう。国際化が進む日本代表がここからの1年3か月で真の強い集団になり、まだ見ぬベスト8の壁を突破したうえで、本当に頂点に立ってくれれば理想的。選手たちの外国語でのコミュニケーションにも目を向けつつ、今後の動向を注視していきたいところである。

取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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