
ボディイメージにまつわる問題は小児期に始まる
体重に関する知覚は、わずか7歳という若い年齢で機能としてすでに形成されており、目にしたものの影響を受けて変化する可能性のあることが、新たな研究で明らかになった。この研究の詳細は、「Journal of Experimental Child Psychology」に3月5日掲載された。
論文の上席著者である、英ダラム大学心理学教授のLynda Boothroyd氏は、「限られた範囲の体型しか紹介しない視覚メディアに注意する必要があることは、何年も前から明らかだった。なぜなら、それが大人の体型に対する知覚に影響を与えるからだ。今回の研究により、それが子どもにも当てはまることが判明した。非常にニュートラルなイメージであっても、同じような体型を繰り返し見ると、子どもはそれを基準に太い、細いと判断するようになる」と述べている。
メンタルヘルス財団によると、非現実的なボディイメージは否定的な自己評価を助長し、人々が「完璧」を目指す原因となり得る。これは、摂食障害や気分障害につながる可能性がある。
この研究でBoothroyd氏らは、2つの実験を通して、子どもがある刺激を繰り返し見ること(視覚の適応)が、その後、目にしたものに与える影響を調べるために2つの実験を行った。1つ目の実験は、11~12歳(44人)、14~15歳(59人)、および18~25歳(78人)の男女(計181人)を対象に実施された。試験参加者に、プレテストとしてBMIが12~32の女性の画像を21枚見せて、女性の体重を7段階の評価尺度(非常にやせている~非常に太っている)で評価させた。次に、参加者を低体重群と高体重群の2群にランダムに割り付け、低体重群にはBMIが11.60~13.84の女性の画像を20枚、高体重群にはBMIが30~42の女性の画像を20枚見せて視覚を適応させた後、ポストテストとして再び最初に見た21枚の画像を、適応画像を交えながら提示し、体重を評価させた。
その結果、高体重群では、ポストテストで再評価する際に、最初の評価よりも体重を軽く評価する傾向が認められた。この傾向は特に、12歳の子どもにおいて顕著であった。一方で、低体重群ではプレテストとポストテストの評価に大きな変化は見られなかった。
2つ目の実験は、7~11歳の子ども44人と学部生66人(計110人)を対象に実施された。実験の手順は基本的に1つ目の実験と同じだが、いくつかの点を簡略化した。具体的には、体重に対する評価を5段階に変更し、再評価時の画像の中には適応画像が含められなかった。その結果、実験1と同様、高体重群では、ポストテストでの再評価時に、プレテストでの評価よりも軽い体重で評価する傾向が示された。
これらの結果は、人々の体重に対する知覚が7歳という若さから進化していることを示していると研究グループは主張する。Boothroyd氏は、「研究者はしばしば、子どもの身体知覚やボディイメージは、大人と同じように作用すると考えている。われわれの研究では、その考え方は正しく、7歳の子どもでも、視覚的な刺激を受けて体重に対する知覚が変わることが示された」と述べている。
研究グループによると、これまでの研究で、メディアによる体型の表現により、西洋諸国の白人女性はあらゆる年齢層において、ナイジェリアの黒人女性や中国人女性と比べて、やせていなければならないことへのプレッシャーを強く感じていることが判明しているという。
研究グループは、「7歳以上の子どもは、成人と同様に、視覚の適応により体重に対する知覚が変わることが示された。この結果は、健康とウェルビーイングの文脈における体のサイズの(誤った)知覚についての理解だけでなく、身体知覚の発達についての広範な理解にも影響を与えるだろう」と述べている。(HealthDay News 2025年3月11日)
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(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0022096525000098?via%3Dihub
Press Release
https://www.durham.ac.uk/research/current/research-news/2025/03/body-image-perceptions-take-shape-from-early-childhood/
構成/DIME編集部