
AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略称で、「男性型脱毛症」を意味する。AGAは進行性の脱毛症で生え際の後退や頭頂部が薄くなるといった症状が見られ、年齢に関係なく発症する可能性がある。
では、10代・20代でAGAを発症した人は、どのように自身の薄毛に気付いたのだろうか?
AGAセルフケアブランド「HIX」はこのほど、10代後半~29歳のHIXユーザー52名を対象に「薄毛に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。
1. 20代で薄毛を意識する人が多数、10代からの悩みも無視できず
はじめに、薄毛に悩み始めた時期について尋ねたところ、「25~29歳」が最も多く、全体の36.5%を占めた。次いで「20~24歳」が30.8%、「15~19歳」が25%となり、20代前半までに約6割の人が薄毛を意識し始めていることがわかった。
また、「10~14歳」でも7.7%の人が薄毛を気にし始めており、少数派ではあるものの、10代前半から悩みを抱える人もいることが確認された。
この結果から、薄毛の悩みは決して一部の年代に限られるものではなく、10代・20代の早い段階から適切な対策を講じることが重要であると考えられる。
2. 薄毛を意識するきっかけ、6割以上が「自分で気づいた」一方で他者視点も約4割
薄毛を意識し始めたきっかけについては、「鏡を見て自分で気づいた」と回答した人が34.6%と最も多く、日常生活の中で自身の変化を実感するケースが多いことがわかった。次いで、「シャンプー時の抜け毛が気になった」が26.9%となり、“自分自身で気づいたケース”は全体の約6割を占める結果となった。
一方で、「友人や家族から指摘された」(23.1%)、「写真や動画で自分の姿を見て気づいた」(15.4%)といった「他者視点」や「客観的な視点」から薄毛を認識するケースは、合計38.5%となり、一定数の人が周囲や映像を通じて自身の変化に気づいていることが明らかになった。特に、写真や動画を通じて気づくケースが15.4%にのぼることから、SNSやオンラインミーティングの普及により、「客観視」される機会が増えている可能性も考えられる。
3. 薄毛の情報、9割近くがSNS頼り、医師・専門家からの情報収集は1割強にとどまる
続いて、薄毛に関する情報をどこで得ているかについては、「SNS(X, Instagram, TikTok, YouTubeなど)」と回答した人が86.5%と圧倒的に多い結果となった。多くの若年層にとって、SNSは日常的に情報収集を行う主要なプラットフォームであり、薄毛に関する知識もSNSを通じて得ている実態が明らかになった。
一方で、「美容師・理容師」(21.2%)や「まとめサイト・個人ブログ」(21.2%)、「テレビ・雑誌・ニュース」(17.3%)を情報源とする人も一定数いるものの、SNSと比較すると大きな差があることがわかる。
また、「医師・専門家」(13.5%)から情報を得ている人はさらに少なく、医学・薬学的根拠のある正しい知識にアクセスしている人が限られている可能性が考えられる。
さらに、「特に情報収集はしていない」(1.9%)と回答した人もおり、そもそも積極的に薄毛に関する情報を得ようとしていない層が一定数存在することも確認された。
4. 専門家への相談は3割以下、薄毛の悩みは「身近な人」に打ち明ける傾向が強い
薄毛の悩みについて、誰かに相談したことがあるかを聞いたところ、「ある」と回答した人は57.7%、「ない」と回答した人は42.3%となった。約4割の人が、薄毛の悩みを誰にも相談できていないという現状が明らかになった。
また、相談したことがある人に対し、具体的な相談相手を尋ねたところ、「家族」(63.3%)が最も多く、以下「美容師・理容師」(53.3%)、「友人」(36.7%)、「恋人」(30.0%)と続いた。一方で、「医師・専門家」に相談した人は26.7%にとどまり、医学・薬学的なアドバイスを受ける人は限られていることがわかる。
さらに、「オンライン診療のカウンセラー」に相談した人は13.3%、「SNSや掲示板で匿名相談した」人は6.7%と少数派であることが確認された。近年、オンライン診療やSNSを活用した情報収集が進む中でも、薄毛に関する相談は依然として対面での人間関係に基づくケースが多い傾向にある。
この結果から、薄毛の悩みは家族や恋人など親しい人に相談する傾向がある一方で、約4割の人が相談をためらっている現状が示されている。さらに、専門家への相談が限られていることから、正しい知識を得る機会が十分でない可能性も示唆されている。
5. AGAの若年層リスク、認知度は高いが行動には課題
AGAは加齢によるものと考えられがちだが、実際には若年層でも発症する可能性がある。この認識について尋ねたところ、98.1%の人が「若年層でも発症する可能性があると知っている」といった認識していることがわかった。
しかしながら、認知度は非常に高いものの、「知っている」ことと「適切に対策を講じること」は別の話だ。実際に、多くの若年層がAGAに関する情報をSNSで収集しているものの、正しい治療に踏み切れていない現状があることが、これまでの調査結果からも明らかになっている。
6. AGA治療、決め手は「価格」と「効果」 。副作用への不安も課題に
薄毛・AGA治療を受ける際に重視する条件について尋ねたところ、「価格が安ければ」と「効果が確実なら」がともに82.7%で最多となり、治療を決める上でコストと効果が最も重要視されていることが明らかになった。
次いで、「副作用がなければ」(42.3%)が3番目に多く、治療を受けたいと思いつつも、安全性に対する不安を抱えている人が一定数いることがわかる。また、「周囲に知られずにできるなら」(19.2%)や「オンライン診療が可能なら」(15.4%)といったプライバシーや利便性に関する条件も一定の割合を占めた。
AGA治療に対する関心は高いものの、「価格」「効果」「副作用」などの不安要素が治療のハードルになっていることがうかがえる。適切な情報提供と、安心して治療を受けられる環境作りが、治療への前向きな一歩につながると考えられる。
<調査概要>
調査対象:HIXユーザー(10代後半~29歳)
回答者数:52名
調査期間:2025年2月19日~3月10日
出典:HIX(ヒックス)調べ
構成/こじへい