
企業などで行なわれる健康診断以外に、自分の意思と自費で受診するのが人間ドック。中でもマストで選択したい「がん検診」の気になる中身を紹介!
ステージⅣの10年生存率はわずか0.6%!〝沈黙の臓器〟のがんを見つける新検査法EUS
高齢化を除く年齢調整死亡率で見るとがんの死亡率は下がっている。一方、じわじわ増えているのがすい臓がんだ。ステージⅣの10年生存率は0.6%。〝沈黙の臓器〟と呼ばれて早期発見は困難、進行も早い難治がんだが新たな検査により早期発見可能になった。
すい臓がんのリスクが高い人はどんな人か。北青山D.CLINICの阿保義久さんが語る。
「親族に2人以上すい臓がん罹患者がいる遺伝要因も見逃せません」
一般的な検査は腹部の超音波(エコー)検査。場合によってMRIや造影剤CT検査をし、すい臓がんを疑うケースで超音波内視鏡(EUS)検査を行なう。すい臓は胃の後壁にあり、肝臓など多臓器に囲まれるためにエコー検査では見つけにくい。そのため、確定診断のためのEUSを最初から使う方法が普及しはじめている。
北青山D.CLINIC 院長
阿保 義久さん
東京大学医学部卒、東京大学医学部附属病院 第一外科勤務を経て、2000年に北青山D.CLINICを開業。予防医療をはじめ、再生医療や遺伝子治療にも注力する。
60代以上が男女共に要注意!!DATA of すい臓がん
黄疸が出てすい臓がんに気づくこともあるが、その時点ではステージ2以上の場合も。最も発見されるステージ4の10年生存率は0.6%と低く、進行の早さも特徴的。
出典:国立がん研究センター「10年生存率集計公表」を参考に編集部作成
肝臓がん
死亡率は減少し、新たな治療薬も。転換期を迎えた肝臓がん
肝炎ウイルス(B型・C型)に感染した慢性肝炎や肝硬変は肝臓がんの高リスク群。経口薬による治療が主流となりリスクを下げているが、早期検査が重要だ。
DATA of 肝臓がん
1990年代後半から、肝臓がんによる死亡率が低下。他より死亡率が最も低くなった。
出典:厚生労働省 令和元年人口動態統計より