
企業などで行なわれる健康診断以外に、自分の意思と自費で受診するのが人間ドック。中でもマストで選択したい「がん検診」の気になる中身を紹介!
子宮頸がん
HPVワクチンで予防、細胞診で早期発見を
〝がん=年齢を重ねた人の病気〟は間違い。若い人の発症も多い
20〜30代で発症する人も少なくない子宮頸がん。「妊娠を望んでいるのに、子宮を摘出しないといけないという苦しい決断を迫られる人をたくさん診てきました」。そう語るのは産婦人科医の髙橋怜奈さんだ。
「代表的な症状として知られているのは不正出血ですが、出血があるのはすでに進行している状態。子宮頸がんはステージⅠの前の〝前がん病変〟の状態での発見が非常に大切。この状態で見つけると、高確率で子宮を残せます」
この〝前がん病変〟での自覚症状はもちろんなく、定期的な検診でしか見つけることはできない。さらに、予防の意味ではワクチン接種が有効とされている。
「子宮頸がんは主な原因がHPVです。一度でも性交渉を持ったことがあれば、男女共に感染の可能性があります。そのため、性交渉を経験する前のワクチン接種が望ましいんです」
同ワクチンは性交渉経験者にも有効。検討してみるのもいい。
山王ウィメンズ&キッズクリニック大森 院長
髙橋怜奈さん
産婦人科専門医。東邦大学医学部卒業。子宮頸がん検診やワクチンの大切さ、女性ならではの悩みについてなどSNSを通じて積極的に発信する。
25歳あたりからぐんと罹患率が上昇 DATA of 子宮頸がん
毎年約1万人の女性が子宮頸がんに罹患、約3000人が亡くなっている。「現在は30~40代がピークですが、性行為の低年齢化により、20代も増えてきそうです」(髙橋医師)
出典:国立がん研究センター「がん種別統計情報2023年」「院内がん登録2011年10年生存率集計」を参考に編集部作成
What’s 子宮頸がん検診
20歳以上2年に1回
信頼できる婦人科のかかりつけ医に診てもらうのがベスト!
細胞診を行ない異常が見つかると、より詳しい検査に進むことになる。「1度でもウイルスに感染すると、体内に存在しつづけます。長期的に性行為をしていないと大丈夫だと思っている人がいますが、それは間違い。何歳になっても2年に1度は検査を受けましょう」(髙橋医師)
子宮頸部をこすって細胞を集める
子宮頸部の細胞診
「最近は綿棒に変わってブラシタイプが増え、また液状化細胞診という手法が広まり、検査エラーも減少しています」(髙橋医師)。検査料金は約3000〜6000円※。
NEWS and TOPICS
子供を子宮頸がんから守る!HPVワクチンの無料接種が可能に
HPVには200種類を超える型があるが、子宮頸がんリスクの高い9価ウイルスのワクチンは対象年齢女性の公費接種が可能。また25年3月31日までは機会を逃した年齢の接種制度もあるので活用を(左図)。「HPVウイルスは咽頭がんや肛門がんの原因にもなるので、男子も打ったほうがいい。男子が公費で打てる自治体もあります」(髙橋医師)。
2025年3月31日までキャッチアップ接種対象者
1997年度~2007年度生まれの女性(かつ、過去にHPVワクチンの合計3回の接種を完了していない方)
定期接種対象者
小学校6年生~高校1年生相当の女子(標準的な接種時期は中学1年生)
取材・文/田村菜津季 イラスト/macco 編集/原口りう子
※検査料は、人間ドックでオプション検査として受診する場合の目安例です。基本コースに含まれている場合や、保険が適用されるケース、自治体検診によっても価格は異なりますので、詳しくは受診施設に問い合わせてください。
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