
三井不動産は、Mitsui Fudosan (UK)(英国三井不動産)を通じて、大英図書館との共同事業契約を締結し、2032年竣工予定の複合開発事業へ参画したことを発表した。
同社初の英国ラボ&オフィス事業となるライフサイエンス機能を備えた複合開発事業
本事業では、近年、文化・ライフサイエンスを中心とした再開発が進むキングスクロスエリアにて、図書館、オフィス、ラボ&オフィスを含む大規模複合施設を建設し、総事業費は2,000億円超を見込んでいるとのこと。また、本事業による大英図書館の拡張と、ラボ&オフィスの新設は、当該エリアのさらなる発展に貢献できるものと考えているという。
なお、同社は、2024年4月に策定したグループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」において、海外事業領域での新たなアセットクラスへの投資拡大を戦略と位置付けており、本事業は英国初のラボ&オフィス事業となる。
【本エリアの特徴】
本事業の予定地は、ロンドン有数の立地に位置しており、ロンドンの主要鉄道駅でユーロスターの発着駅であるセントパンクラス駅、英国内の主要都市への発着駅であるキングスクロス駅、キングスクロスセントパンクラス駅、ユーストン駅といった総乗降客数が年間で2億人を超える4駅と近接する。また、現在計画中の新路線「Cross Rail 2」の新駅も新設される予定であり、将来的にエリア全体のさらなる発展が見込まれている。
キングスクロスエリアは、2000年代から再開発が行われ、世界的なテック企業の集積が進んだエリア。近年では交通アクセスの良さや、世界的なAI研究機関であるアランチューリング研究所、欧州最大のライフサイエンス研究所であるフランシスクリック研究所などのアカデミアの集積を背景に、大手製薬会社も進出しております。また、当該エリアを含むキングスクロス、ケンブリッジ、オックスフォードの3都市で形成されるエリアは「ゴールデントライアングル」と呼ばれ、ライフサイエンス・AI技術の拠点として英国政府がサポートしており、今後も当該分野の発展が期待されている。
【本事業の特徴】
本事業は、ロンドン有数の好立地であることに加え、基準階で約2,000坪を誇るフロアプレート、豊富なアメニティの設置など、同エリアにて高い競争力持った開発を目指す。また、公共貢献の一環として大英図書館のオフィス棟を再開発して新館の整備をおこない、既存の図書館との親和性を守りつつ、地域に開かれた空間づくりを目指す。なお、建築デザインは世界的な建築設計事務所のRSHPが担当し、デベロップメントマネージャーには、英国の不動産デベロッパーであるStanhope PLCが就任する。
【物件概要】
プロジェクト名称:(仮称)大英図書館再開発事業
所在地:96 Euston road, London NW1 2DB
交通:セントパンクラス駅(徒歩1分)/キングスクロス駅(徒歩3分)/キングスクロスセントパンクラス駅(徒歩3分)/ユーストン駅(徒歩6分)
敷地面積:約122,000sf(約3,400坪)
延床面積:約1,040,000sf(約29,200坪)
用途:図書館、オフィス、ラボ&オフィス、商業
構造・棟数:SRC造、地上11階、地下1階
共同事業者:大英図書館
デベロップメントマネージャー:Stanhope PLC
設計会社:RSHP
スケジュール(予定):2026年着工/2032年竣工
※ 画像は(仮称)大英図書館再開発計画の外観イメージ
関連情報
https://www.mitsuifudosan.co.jp/
構成/立原尚子