居住スペースや内装、先進機能は?
コーナーでは切り込みの時にやや抵抗を感じたが、ボディのロールも抑えられていた。改めて〝素〟のクルマのレベルの高さを実感することができるのだ。乗り心地も低速域でのゴツゴツは、音のみで、直接体に感じる振動は抑えられていた。中低速でのザラつきも少なかった。このサイズのタイヤをサスペンションが完全にこなしている、という印象を受けた。
もちろん「スポーツ」モードを選択すれば、乗り心地は硬めになり、1.5Lターボ+7速ATは、シフトダウンも積極的に行なうなど、スポーツモードに似合った動きを体感させてくれる。唯一、気になったのはブレーキ。初期制動の甘さと、ペダル踏力の重さは要改良点だ。
居住空間は、基本的にはホイールベースや全幅、全高は3代目とほぼ同じなので、室内の広さも大差ない。前席の着座はやや低めだが、視界に関しての死角は少ない。後席は高めの着座位置だが、頭上のスペースも確保されており、身長170cmクラスが着座できる。足元はやや狭めで、床中央のトンネルもあるので、左右2名乗車が快適定員だろう。
後席背もたれは4/2/4の3分割で、前倒させることができる。ラゲージスペースと後席の可倒スペースの床面はほぼフラットなので、荷物の収納も大きいし、出し入れもラク。床下には手前のみサブトランクスペースがあり、スポーツバッグなら納まりそうなスペースが確保されている。
装備に関しては、ベースモデルの「120」でも充実している。ハンズオフ機能付渋滞運転支援機能はオプション装備だが、先進安全機能ドライビングアシストはほぼ標準装備。クルマが35km/h以下で直前に進んできたルートを最大50mまで記録し、同じルートをそのまま自動でバックするリバースアシストも標準装備だ。
さらにデジタルキープラスの標準装備で、キーを持たずにスマートフォンやスマートウォッチの携行で、ロック解除やエンジン始動もできるという。AI技術の活用で音声会話や情報アクセスも可能だ。ベースグレードとはいえ、「120」は充実した内容を持つエントリーモデルといえる。メーカー希望小売価格は478万円(消費税込み)だが〝ベスト・スモール・インポートカー〟と評価したい。
■関連情報
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models/1-series/bmw-1-series/bmw-1-series.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博