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BMW「120」がベスト・スモール・インポートカーと称される理由

2025.03.24

 BMWの乗用車シリーズの最下限を受け持つ「1シリーズ」は、2004年に初代が誕生した。BMWとして初めてスモールコンパクトサイズのクルマは、現在の「GR86」に近いサイズの5ドアハッチバックモデルだった。特徴はフロントエンジン、後輪駆動だったこと。このクラスのスモールカーは、室内の広さを確保できる前輪駆動が一般的だったからだ。

 BMWは後輪駆動の走りにこだわっていた。そのこだわりは2011年からの2代目にも受け継がれていたが、2019年の3代目では前輪駆動を採用した。その理由として、ユーザーは駆動方式の違いで購入を検討することは少ない。という結論を得たから、と言っていた。 そして、2024年10月「1シリーズ」の4世代目が発表された。

大きな変化を遂げた新たな「1シリーズ」

今回のモデルから「1シリーズ」は変化した。スモールコンパクトサイズの5ドアFF車というのは変わらないが、デザインはフロントグリルが変わった。BMWのフロントグリルは、キドニーグリルと呼ばれ、楕円型のグリルが左右2つ並んでいた。そのグリルは縦のバーが入っていたが、左右両端に斜めのバーが組み合わされた。さらにCピラーには「1」の文字が大きく刻まれた。車名もこれまではガソリンエンジン車には「i」が最後に付けられていたが、今回から「i」は無くなり「120」となった。「i」は今後は電気自動車を意味する記号になるという。

 内装もメーターパネルとコントロールディスプレイは一体化し、運転席側に傾けた。操作性ではコントロールディスプレイはタッチ式を採用。シフトレバーは小さなつまみ形状のスイッチにし、センターコンソールに設置。センターアームレストには走行系の操作装置をまとめている。

 コクピットもスッキリした。センターコンソールにはスマートフォンが充電できるQi対応機器も装備されている。また、ディスプレイはメニューが大幅に改善されており、サブメニューに切り替えることなく、機能に直接アクセスできるようになったこともユーザーには便利な進化だ。とくに大半が言語で操作できるようになったのは、指で操作しなくてもよいので、運転者には安全面からも良いことだ。

 パワーユニットは、直列3気筒1.5Lガソリンターボ+48Vマイルドハイブリッドを組み合わせており、156PS+約16PS、240Nm+40Nmがフロントに搭載され、7速ATで前輪を駆動する。新しい「1シリーズ」は「120」の他に「M135 XDrive」直4、2.0Lガソリンターボモデルも用意されている。新しい「120」をおさらいしたところで、試乗を開始。

 新型は、全長がわずかに長くなったが、ホイールベース、全幅、全高は3代目とほとんど同じサイズ、内装面ではハンドルの握りが太くなくなった。シフトはR、N、D/L。パドルレバーは装備されていない。直列3気筒、1.5Lのターボエンジンは2000回転あたりからトルクが盛り上がり、レッドゾーン手前の6000回転近くまで上昇する。

 音に関しては、4000回転をオーバーしても、耳障りな音は発生しなかった。7速2000回転は、ちょうど100km/hなので、高速道路のロングドライブも苦にならなかった。さらに、うれしかったのは、燃費だ。車載の燃費計ではカタログ燃費16.6km/L(WLTCモード)よりも良い18.0km/L台を記録したことだ。ドライブモードは、コントロールディスプレイ上に「MY MODES」として、パーソナル/スポーツ/エフィシエント/エクスペンシブ/リラックス/デジタル/サイレントの7モードが選択できるが、主に内装のディスプレイなどを変化させるモード。実際の走行に関連するのは、3モードなのでパーソナルモードで走行してみた。

 ハンドリングに関しては、「120Mスポーツ」とは異なり、アダプティブMサスペンションなど搭載されていない、まさに〝素〟のモデルだが、タイヤはグッドイヤーの「イーグルF1」225/45R18の最新ブランドを装着。直進時は低速から高速までやや重めの操舵力で、車速が高くなるほどどっしり感が増してくる。

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