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NVIDIAとAlphabet、Googleがエージェント型AIおよびフィジカルAIの未来に向けて協業を発表

2025.03.25

2025年3月17日から21日までカリフォルニア州サンノゼで開催された世界的な人工知能カンファレンスであるNvidia GTCにおいて、NVIDIA、Alphabet、Googleの各社はAI を進化させ、AI ツールへのアクセスを民主化、さらにフィジカル AI の開発を加速するための新たなイニシアチブを発表した(現地2025年3月18日)。

AIを進化させ、フィジカルAIの開発を加速する新たなイニシアチブ

この協業によりヘルスケア、製造、エネルギーなどの産業に変革が起きることが期待されている。

Alphabetのエンジニアと研究者は、NVIDIAの技術チームと緊密に協力。AIとシミュレーションを活用して把持スキルを持つロボットの開発、創薬の再構築、エネルギー グリッドの最適化などを進めている。

NVIDIA Omniverse、NVIDIA Cosmos、NVIDIA Isaac プラットフォームを活用して、Google DeepMind、Isomorphic Labs、Intrinsic、そして X のムーンショット計画であるTapestry のチームは、NVIDIA GTCグローバル AI カンファレンスでそれぞれの協業における重要なマイルストーンについて語る。

顧客の研究とAI製品開発の取り組みを強化するため、Alphabet の Google Cloudは、3月18日にGTCで発表された NVIDIA GB300 NVL72ラックスケール ソリューションと NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition GPUをいち早く採用する企業の一つとなる。

NVIDIAは、AI生成コンテンツを識別することで知的財産を保護する Google DeepMindのAIウォーターマーク技術であるSynthIDを最初に採用する企業となる。

Googleおよび Alphabet の CEOである Sundar Pichai氏は次のように述べている。

「Androidの初期から Alphabet 全体での最先端AIコラボレーションに至るまで、NVIDIAとの継続的かつ深いパートナーシップを誇りに思います。エージェント型AIやロボティクスに共に取り組み、AIのメリットを世界中のより多くの人々にもたらすパートナーシップの次のフェーズに大きな期待を抱いています」

さらにNVIDIA 創業者/CEOであるジェンスン フアン 氏(Jensen Huang) はこう話す。

「Alphabet と NVIDIAは、AI インフラやソフトウェアの構築から、主要な産業における AI活用の促進に至るまで、長年にわたるパートナーシップを築いています。創薬からロボティクスまで、とてつもない課題を解決するためにGoogleと NVIDIAの研究者とエンジニアが協業する姿を見るのは大きな喜びです」

責任あるAIとオープン モデルの開発

Google DeepMindとNVIDIAは、コンテンツの透明性を通じて生成AIへの信頼構築に取り組んでいる。

NVIDIA は、AI 生成画像、音声、テキスト、動画に直接デジタル ウォーターマークを埋め込むGoogle DeepMindのSynthIDの最初の外部ユーザーとなる。

SynthIDはbuild.nvidia.com で利用可能なNVIDIA Cosmos世界基盤モデルのアウトプットの完全性を保持して、ビデオ品質を損なうことなく、誤情報や誤帰属から保護する役割を果たす。

Google DeepMindとNVIDIAはまた、Googleの軽量オープン モデル ファミリーであるGemma を NVIDIA GPU上で実行するために最適化するパートナーシップを締結した。

つい最近のGemma 3の発表は、オープン イノベーションにおける大きな前進を示している。

NVIDIAはGemmaを開発者にとってさらにアクセスしやすくするための、重要な役割を果たしている。NVIDIA AI プラットフォームによって強化された Gemma は、優れた推論パフォーマンスを発揮するオープンソースの NVIDIA TensorRT-LLM ライブラリのパワーを活用し、高度に最適化された NVIDIA NIMマイクロサービスとして利用が可能だ。

■インテリジェント ロボットの時代

Intrinsicは、さまざまな業界における製造業者にとって、ロボットを使いやすく価値のあるものにするため、インテリジェントに適応する AI の開発を手がける Alphabet企業だ。

現在、世界中に設置されている産業用ロボットの大多数は手動でプログラムされており、すべての動作が複雑で高価なプロセスでハードコードされている。

NVIDIAとのパートナーシップにより、チームはユニバーサルなロボットの把持能力のための、より深く直感的な開発者ワークフローを Intrinsic Flowstate向けに構築した。

このワークフローは NVIDIA Isaac Manipulator 基盤モデルをサポートしている。

ロボティクスのための基盤モデルを使用することで、アプリケーションの開発時間が大幅に短縮され、簡単に適応できる AI によって柔軟性が向上する。GTC では、Intrinsic は Intrinsic FlowstateとNVIDIA Omniverse間の初期OpenUSDフレームワーク ストリーミング接続も共有しており、プラットフォーム間でのロボット ワークセルのリアルタイムの可視化を可能にしている。

同時に、NVIDIAとGoogle DeepMindは、Disney Researchと協業してNewtonを開発することを発表した。

Newtonとは NVIDIA Warpフレームワークで加速され、MuJoCo と互換性のあるオープンソース物理エンジンだ。

Newton を搭載することで、MuJoCo は既存の GPU アクセラレーテッド シミュレーターである MJX と比較して、ロボティクスの機械学習ワークロードを 70倍以上高速化するという。

さらに、この緊密なエンジニアリング コラボレーションは、Vertex AIを通じて NVIDIA GPU 上の Gemini ベースのワークロードの最適化にまで拡大する。

革新を実世界の課題に適用する

Google DeepMind CEOのDemis Hassabis氏が設立した Isomorphic Labsは、AIで創薬を再構築している。

同社は Google Cloud 上に NVIDIA GPUを搭載した最先端の創薬エンジンを構築して、人間の健康促進に役立つ画期的な AI モデルの開発を継続するために必要な規模とパフォーマンスを実現している。

Xの電気グリッド向けのムーンショット プロジェクトであるTapestryでは、よりグリーンで信頼性の高い未来のグリッドのための AI 搭載製品を構築。Tapestryと NVIDIA は、電力グリッド シミュレーションの速度と精度を向上させる方法を模索している。

この共同の取り組みは、グリッドの安定性を確保しながら、データセンターとAIの増大する需要に対応するために、新しいエネルギー源の統合とグリッド容量の拡大という課題に焦点を当てている。

両社は、より持続可能な未来に向けたエネルギー インフラの計画と近代化を強化することを目標に、AI を使用して相互接続プロセスを最適化することを含む潜在的なソリューションを評価する。

■AI に最適化された次世代のインフラ

最先端のAIインフラを顧客に提供するという取り組みをもとに、Google CloudはNVIDIA Blackwell GPUの最新インスタンス — NVIDIA GB300 NVL72 と NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Server Edition —を提供する最初の企業の一つとなる。

昨年発表された革新的なNVIDIA Blackwellアーキテクチャに基づくBlackwell Ultraには、NVIDIA GB300 NVL72ラックスケール ソリューションとNVIDIA HGX B300 NVL16システムが含まれている。

NVIDIA GB300 NVL72 は、NVIDIA GB200 NVL2の1.5倍のAI性能を実現し、AIファクトリーにおけるBlackwellの収益機会を、NVIDIA Hopper で構築されたAIファクトリーと比較して50倍に高める。

NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell は、ヘルスケア、製造、小売、ライブ中継、そしてその他の産業におけるAIとビジュアル コンピューティングの両方のワークロードに対応する究極のユニバーサル GPUだ。

先月の A4 および A4X 仮想マシンのプレビュー発表により、Google CloudはNVIDIA B200 ベースとGB200ベースの両方のインスタンスを提供する最初のクラウド プロバイダーとなった。

現在、A4 は一般提供されており、A4X も間もなく提供が開始される予定だ。顧客は Google Cloud の AI ハイパーコンピューターという追加のメリットとともに、 Blackwell の強力なパフォーマンスを活用できる。

Google Cloud と NVIDIA は共同で、機械学習向けの人気 Python ライブラリであるJAXやMaxTextなど、人気のあるオープンソース フレームワークを最適化し、NVIDIA GPU 上で大規模に効率的に実行できるようにしてきた。

巨大なGPUクラスター上で大規模モデルをスケーリングするための先進的なフレームワークであるMaxText は、NVIDIAと共同開発した最適化機能により、数万のGPUでの効率的なトレーニングを可能にしている。

関連情報
https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-alphabet-and-google-collaborate-on-the-future-of-agentic-and-physical-ai

構成/清水眞希

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