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今も最高値を更新し続ける「金」、現物購入、投資信託、ETFのうち最適な投資方法はどれ?

2025.03.27

NYダウや日経平均が高値圏でもみ合っており、値動きは冴えない一方で、「金」は史上最高値を日々更新しており、まだまだ投資妙味がありそうだ。本記事では、改めて金への投資方法を解説する。

金はなぜ今も史上最高値を更新中?

金は、過去にお金の代わりとなるものであったことから、安全資産として、戦争等の地政学リスクが高まったとき、金融不安が起きたときに、価格が上がる傾向がある。ただし金利が付かないため、米国金利が高ければドルで運用した方が利息が受け取れ投資妙味があるため、金価格は下がりやすい。

ただ2022年から2023年までの米国金利上昇局面では一時価格が下がることもあったが、利上げがストップしてからは急ピッチで上がり、2024年半ば米国金利が利下げ局面にきてさらに上がった。

そして、3月18日にイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスに対して大規模空爆を行ったこと、トランプ政権の関税政策による米国のスタグフレーション(景気後退とインフレが同時に起こること)への懸念から、金価格は史上最高値を更新している。また、これまでドルを中心に外貨準備を行ってきた各国の中央銀行が、ドルではなく金を買い増している。外貨準備は簡単には売却されないことから、金価格が下がりにくい要因ともなる。

今後、このような流れは続く見込みであり、金への投資妙味はまだあるだろう。

それでは、改めて、様々ある金への投資方法を解説する。

金への投資方法

金への投資方法には、以下の3つ選択肢がある。

(1) 現物購入
(2) 投資信託
(3) ETF

まず現物資産への投資がある。現物資産への投資は、実際の金を地金やコイン、またはg単位で購入する。実物資産に投資するなら、貴金属会社で購入するのがおすすめだ。国内の貴金属会社では、田中貴金属、三菱マテリアルがあり、積立購入も可能で、金を引き出すこともできる。

金の引出しは、地金、コイン、アクセサリーという形で引き出すことができる。証券会社でも、金の地金を購入することができるが、引出しができなかったり、引出しがしにくかったりする。
税制面では、金の現物を売却する場合、譲渡所得となり、保有期間により以下のように分けて計算し、総合課税により他の所得と合算して確定申告が必要となる。なお、売却代金が200万円超で取引会社から税務署に支払調書が送付され、申告しないと税務署にばれることになる。

・総合譲渡所得

(1)保有期間が5年以内
短期譲渡所得
売却価格-(取得価額+譲渡費用)-特別控除50万円

(2)保有期間5年超
長期譲渡所得
{売却価格-(取得価額+譲渡費用)-特別控除50万円}×1/2

上記計算後、プラスとなれば申告が必要となり、会社員は、給与以外の所得が20万円以下のとき所得税の確定申告が不要となる特例がある。ただ、プラスの部分は、他の所得と合算され、超過累進課税で課税されるため、所得が高い人ほど税率が高くなってしまう。金の売却で損失がでたとしても、生活に通常必要でない資産として、損失を他の所得と相殺することはできない。

そして、金現物は取引時に消費税の支払いがある。購入時に消費税を支払い、売却時には消費税を受け取ることになる。

金を現物購入する大きなメリットは、現物を引出しすることができることだ。もし、引出ししなくてもよい場合は、税制の観点から次の投資信託やETFでの投資方法がおすすめだ。

残り2つの選択肢である投資信託やETFにした場合は、NISAの成長投資枠で投資することができるのが大きなメリットだ。

NISA成長投資枠は、年間240万円まで(保有限度額1,200万円まで)投資可能で、売却時どんなに利益があっても非課税となる。NISA枠で投資できないとしても、一律20%で課税され、特定口座源泉徴収あり口座とすれば申告不要だ。

金に連動して価格変動するという点では、投資信託とETFは大きく変わらないが、短期間で売買したい場合はETFがおすすめだ。ETFは投資信託が株式市場に上場しているため、株式市場は開いているときは売買でき、指値することもできる。

一方、投資信託は1日1回価格が決まり、価格は注文締切後に決まり、指値もできないため、大きく利益が出ている状態でないと、マイナスで売却してしまう恐れもあるため、投資信託は長期投資の方が向いている。

金投資の為替リスク

金価格は、国内の金でも、米国市場に上場している金先物価格に連動しているため、ドルの為替に左右される。そのため、金価格が上がっていても、円が米ドルに対して円高になると、金の円換算価格が下がってしまう。金融不安がおきたときは、比較的安全とされる円が買われ円高になる傾向があるため、せっかく安全資産として保有していたのに、円高で円換算された金価格が下がってしまう可能性がある。

そこで、円へ為替ヘッジすることで、ドルの為替リスクを回避することができる。為替ヘッジは、円高になったときにドルの為替リスクを回避することができるが、一方現在のようにドルが円安水準のときには、その為替差益による値上がりを享受できない。

また、為替ヘッジには、為替ヘッジコストといって、ドルの金利から円の金利を引いた分がコストとなる。現在のようにドル金利と円金利に大きく差があるときはコストがかさみその分価格が値下がりしてしまう。逆にドル金利が下がればコストが小さくなり、円高にもなりやすいので、為替リスクを回避することができる。

為替ヘッジは、金の投資信託で為替ヘッジありを選択することで投資できる。為替ヘッジありで投資したい場合は、投資信託で投資するとよいだろう。

iDeCoでも、証券会社によっては金へ投資することができる。

ネット証券大手では、SBI証券が為替ヘッジなしの「三菱UFJ純金ファンド(ファインゴールド)」、楽天証券が為替ヘッジありの「ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)楽天DC」で、金の投資信託に投資することができる。

(参考)
日経新聞 2025年3月18日「金が最高値、一時3024ドル 地政学リスクの高まりで」

文/大堀貴子

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