
日本列島が寒さに震えた冬も終わり、いよいよ新緑の季節、ドライブ、アウトドアに最高のシーズンが到来した。ここでは、日常の使用からアウトドアまでをしっかりと快適無比にこなしてくれるホンダ・フリードのクロスオーバーモデル、フリードクロスターに焦点を当て、この春から楽しみたいアウトドア&車中泊の適応性について解説したい。
ホンダ・フリードクロスターの季節が到来!
まず、現行モデルとなる3代目フリードの概要を説明すると、クリーンでシンプルな、ミニステップワゴンとも呼びたくなる3列シートのエアーと、先代より一段とクロスオーバーテイストを強め、エアーとはエクステリア、インテリアともに異なり、さらに2列シートも用意した、全幅1720mmの3ナンバーとなったクロスターの2タイプが揃っている。
メインとなるハイブリッドモデルは先代の1モーター、i-DCDからホンダ最新の2モーターとなるe:HEVを搭載。クラス初のリヤクーラーを用意するなど、ライバルを驚愕させる新型となっているのだ。
エアーとのエクステリアの違いは、SUVテイストあるシルバーのパネルを配した前後デザイン、無塗装の樹脂製ホイールアーチプロテクター、ビルトインルーフレールの装着が主。エアーが5ナンバーなのに対してクロスターが3ナンバー登録となるのは、実はそのホイールアーチプロテクターの出っ張りによって全幅が1720mmとなるだけ。つまり、基本のボディサイズは5ナンバーの全幅1695mmのエアーと変わらず、全長、全高、ミラー・トゥ・ミラー幅は両車同じ。つまり、エアーとクロスターでは、車両感覚、運転のしやすさもまったく変わらないというわけだ。
もっとも、エアーとクロスターの3列シートとクロスターの2列シートではテールゲートの開き方、ラゲッジルームの仕立てが異なる。具体的にはクロスターのラゲッジルームの開口部地上高はエアーのFFが460mmなのに対して、クロスターのFFは地面スレスレのようにも感じる320mm(4WDは520mm。それでも低い)と極めて低いのである。これはラゲッジルームの室内高を稼ぐためと、重い荷物の出し入れ性に配慮した部分と言っていい。
フラットアレンジした時のフロア長は大人が真っすぐに寝られる1840mm、車中泊性能も抜群!
しかも、ライバル車ではオプションとなるワイパブル仕立ての耐荷重200kgのユーティリティボード(ラゲッジボード)を標準装備。
そのため2段仕立てとなるラゲッジルームの実測寸法は、奥行が下段1000mm、上段885mm、幅1270mm、天井高下段1130mm、上段885mm。前席を前にスライドさせ、2列目席座面を持ち上げてダブルフォールダウンし、2列目席背もたれを前にフラットに倒し、ベルトで固定されていたラゲッジルームとの”渡し板”を後ろにスライドさせて隙間を埋めてフラットアレンジした時のフロア長(ベッド長)は、なんと大人が真っすぐに寝られる1840mmに達する。室内高がたっぷりあるからお座敷化もできるというわけだ。その際、ユーティリティボード下は大容量の物入になるため、フラットアレンジした際に不要な荷物をどっさり収納可能。まさにアウトドア仕様、車中泊仕様の”鏡”と言えるのが、このフリードクロスターの2列仕様なのである。
さらに、ラゲッジルーム左右壁面にはエアーにない無数の穴が開いたマグネット対応のステンレス製ユーティリティサイドパネルが備わり、テールゲート内側には開けた際にランタンや濡れたアイテムなどを吊るせるユーティリティナットを用意。アイデア次第で自分だけのアウトドア仕様、フィッシング仕様、車中泊仕様にアレンジできるのだ。
そして忘れてはいけないのが、テールゲートを開けると、それがひさしになり、ラゲッジルーム後端に陣取れば、雨や直射日光が防げるテラス席になりうるということ。