ゴーカートフィーリングは4代目になっても健在
エコに関しても素材からクロームパーツやレザーを少なくし、リサイクル・ポリエステルやリサイクル・アルミニウムを積極的に利用するなど将来に備えている。「COOPER S」のパワーユニットは2種類。「C」は直列3気筒1.5ℓターボ、156PS、230Nmと、「S」は直列4気筒2.0ℓターボ、204PS、300Nmのガソリンエンジンで、いずれも7速のATが組み合わされる。
センターパネルのイグニッションレバーをひねり、エンジンを始動。ミッションはセンターパネルのスイッチでD/Lにシフトする。モードは標準モードの「CORE」を選択し、スタート。加速は小気味良く、軽快に走るが、エンジン回転が表示されないので、「GO-KART」モードに。このモードだと、円形メーターの左側に7000回転までの棒グラフ状のエンジン回転計が表示される。トルクは2000~3000回転で太くなる。さらに踏み込み、ブレーキングになると、ブリッピングながらシフトダウン、減速する。サスペンションも硬めになり、乗り心地もゴツゴツ感が強くなり、キビキビとしたフロントノーズの動きも、まさに「GO-KART」モード。
MINIが初代デビュー当初から唱えているゴーカートフィーリングは、4代目になっても、きちんと生きている。性格のブレがないところが凄いし、そこに魅力を感じているMINIファンも多いに違いない。室内は3代目とホイールベースが同じなので、居住空間に大きな変化はない。3ドアのリアシートは座面中央に張り出しがあり、左右1名ずつしか座れない(カタログの定員も4名だ)。ツマ先は前席下に入るものの、膝のスペースは狭く、大人の長距離ドライブは辛い。ラゲージスペースは、奥行き、左右幅ともに、3代目の3ドアと同サイズなので、ボディサイズの拡大は、外板の細かい張り出しによるものだろう。
ハンドル操作も重くなく、扱いやすいし、車体の周囲が確認できるサラウンドビュー、並列、縦列駐車を助けるパーキングアシスト、車両が時速35km以下で直前に前進したルートを最大50mまで記憶し、同じルートをバックで自動的に戻るリバースアシストも装備されている。4代目「COOPER S」のガソリン仕様は、ビギナーにもシニアにも薦められる小さな高級車だ。
• 関連情報
https://www.mini.jp/ja_JP/home/range/mini-cooper-3-door.html
文/石川真禧照 撮影/萩原文博