
日本の自動販売機は、独自の世界観で唯一無二の文化を日夜切り拓いている。
時にこの自販機大国は、その貫禄を見せつけるかのように最高の逸品を自販機に詰め込み、さりげなく提供してくる。
最近登場した、変わり種自販機を集めたみた。
あらゆるジャンルの商品が自販機で手軽に購入できる時代へ
【ニューエラ スタンド】
ストリートファッションのアイコンでもあり、世界最大級のヘッドウェア&アパレルブランドが手がける自販機が、羽田空港や札幌駅構内に設置されている。
キャップを中心にサングラスやバッグ、ボクサーパンツから自販機でしか買えない限定アイテムも販売。観光客はもちろん、自販機目当てに空港に訪れるファンも多く、人気スポットとなっている。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000245.000015945.html
【農機具自販機】
今年3月、茨城県に登場したのが、農機具や工具を販売する「農機具自販機」。
中古農機具の売買専門店「農機具王」を運営する株式会社リンクが「一般の人にも農業や農機具を身近に感じてもらいたい」という想いから開発したという。
「何が出てくるかはお楽しみ」というエンターテインメント要素を取り入れ、ガチャ感覚で楽しみながら購入できる仕組みだ。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000163.000108095.html
【アカチャンホンポ自販機】
マタニティ・ベビー用品専門店を展開する株式会社赤ちゃん本舗は、昨年11月より埼玉県の産婦人科病院にアカチャンホンポで取り扱いのあるマタニティ・ベビー用品を購入できる自動販売機を設置した。
これは関東初の試みで、入院中のニーズが高い商品が24時間いつでも購入できるという。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000495.000018863.html
今や定番のドリンクだけでなく、あらゆるジャンルの商品が自販機で手軽に購入できる時代。
24時間利用できる利便性に加え、災害時に助けてくれる機種も存在するなど、自動販売機は日本人の日常になくてはならない存在となっている。
そしてさらに、日本人を力強くサポートしてくれる自販機も登場した。
ドン・キホーテが手がけたドンキオリジナル【プロテイン自販機】
気軽にタンパク質を摂取できる『プロテイン自販機』だ。
これは、株式会社ドン・キホーテが手がけたドンキオリジナル自販機。世界中で人気のスポーツ栄養ブランド「マイプロテイン」の商品を、1杯100円で提供している。
陳列棚でよく見かける大容量の粉末プロテインが買えるのではなく、粉と水が混ぜられた状態の紙コップ1杯分をその場で飲めるのだ。
2024年4月から神奈川県の2店舗に設置されていたが、好評につき日本各地の店舗に順次設置される予定だという。
しかしなぜ「ワンコインプロテイン」の自販機なんか作ってしまったのか?その真相を探るべく、ドン・キホーテを運営する株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス広報室の水越さんに話を聞いた。
――プロテイン自販機を開発したきっかけを教えてください
「プロテインは大容量で高単価のものが多いです。いきなり3~4,000円の商品購入はハードルが高く、また味や成分が合わなかったなど失敗したときのダメージが気になり購入をためらうお客様も多くいらっしゃいます。そんな方のために最初の一歩の後押しをする方法の一つとして自販機を導入しました」
「それと、プロテインのマーケットは広がってきてはいるものの、まだまだプロテインを飲んでいる方は少ない状態です。新たにプロテインを飲んでみようというお客様のなかで、何を買っていいのかわからない、どんな味がするのだろうと思われている方が多く、社内アンケートでもそのような声が上がっていたことも大きな理由の一つです」
「プロテイン自販機」という単語だけ聞くと、かなり突拍子もないアイデアに感じてしまうが、いきなり大容量を購入して好みに合わなかったら悔やまれる。
些細なことだが、ユーザーのそんな不安をさりげなく解消してくれる自販機は、すぐに評判となった。
「店舗や自販機メーカー様、プロテインメーカー様と連携をしながら、神奈川県の溝ノ口駅前店、狩場インター店の2店舗で試験販売を始めたのですが、SNSなどを通してお客様からは良い反応をいただきました」
「これはいける!と判断した上で、社内の後押しをいただきながら、現在、設置拡大に向けて動いております」
ドン・キホーテという誰もが知るスポットから、身近な自販機を通してプロテインユーザーを広げていきたいという思いは、多くのユーザーの心に届いた。
もちろん、その成果は数字にも現れている。
「プロテイン自販機単体の売上は、店舗内の飲料の自販機平均や想定より高い実績で推移しており好調です。また、プロテイン自販機を設置したことで、自販機で販売中のプロテイン(マイプロテイン)商品の売上が、設置前に比べて約2.6倍伸びた店舗もあります」