
今も昔も子どもの習い事の定番として親しまれる「そろばん」。このそろばんを長年子どもたちに教え続ける先生たちは昨今、業界のどんな変化を肌で感じているのだろうか?公益社団法人全国珠算教育連盟はこのほど、「そろばんを習い始める時期の移り変わり」に関する実態調査を実施し、その結果を発表した。本調査は、そろばん教室の経営や事業に20年以上携わる現役の先生286人を対象にアンケート形式で行われた。
そろばんを始める年齢 85%が「低年齢化を感じる」、40年以上のベテラン先生は9割超え
調査対象者286人の85.0%にあたる243人が、そろばんを習い始める時期について、「低年齢化している」と回答した。そろばん業界に40年以上携わる、ベテランの先生163人に絞り分析すると、9割以上(91.6%)にあたる149人が、低年齢化を感じていた。
低年齢化を感じているほぼ100%が「小学1年までにそろばんを習い始めている」
「低年齢化している」と回答した243人に対して、小さい子で何歳ぐらいから始めるのか、その時期について、低年齢化する前と後で調査した。質問は「低年齢化する前は、小さい子で何歳ぐらいから始めていましたか?」と「低年齢化を感じた以降は、何歳から始めるようになりましたか?」に分けて行い、比較した。その結果、低年齢化を感じて以降、<小学1年までに習い始めている>と回答した割合が、ほぼ100%(99.2%)となった。低年齢化前の同割合は59.3%だったため、39.9ポイント上昇している。
また、<未就学児(5歳以下)までに習い始めている>と回答した割合は77.8%で、低年齢化する前の27.6%から50.2ポイント上昇している。低年齢化する前は、小学1年(6歳)から小学3年(8歳)の間に習い始めていた人が多く、その割合は72.0%となった。
約6割が 「低年齢化はここ15年で進んでいる」
低年齢化した時期についても調査した。「いつ頃から、低年齢化が進んでいると感じますか?」と質問したところ、<ここ15年>と感じている割合は約6割(57.7%)となった。
最も回答が多かったのは「2015年~2020年頃」の23.5%(57人)で、次いで「2010年~2015年頃」の21.4%(52人)となった。40年以上そろばんの経営や事業に携わる人に絞っても、上位2つの区分(15~20年頃、10~15年頃)が同率でもっとも占める割合が高く、22.1%(33人)となった。
■母集団について
回答を得た286人の、そろばん教室の経営や事業に携わる期間と、そのカテゴリーにおける人数および「低年齢化している」と回答した人数は以下の通りだ。
出典元:公益社団法人全国珠算教育連盟
構成/こじへい
スタンフォードでAIを学ぶ医師が開発!1か月で図形問題が得意になる小学生向け算数ドリルが登場
小学校の勉強科目で、好き嫌いや得意・不得意が一番はっきりしているのが算数。特に図形問題については、苦手としている子どもが非常に多い。中でも立体図形問題は苦手意識をもっている小学生が多いといわれている。ところが、平面図形を正確にイメージする力が身につき、図形の性質を正確に理解する作図力が上達するようになるという小学生向けの図形計算ドリル「AI脳が身につく最強の図形ドリル」(小学館)が登場。さらに、平行・対称・回転の3つの平面感覚を養うことができるほか、立体図形を俯瞰・展開する力を高めることができるという。この画期的な小学生向けの算数ドリルを開発したのは、現在、スタンフォード大学大学院のAI専攻コースでAIを学び続けている岩波邦明医師だ。岩波氏によると、このドリルをマスターすることで「AI脳」が身につくという。早速、岩波氏に話を聞いてみた。
岩波邦明さん
医師。AI研究者。現在、スタンフォード大学大学院コースでAIを専攻。1987年生まれ。東京大学医学部卒。MENSA会員。在学中に暗算法「岩波メソッド ゴースト暗算」を開発。著書は66万部を超えるベストセラーに。AI資格「Stanford AI Graduate & Professional Certificate」を取得。
突然ですが、みなさんは算数の図形問題が得意でしょうか? 「小学生時代は苦手だった」「図形問題のせいで算数が嫌いになった」 という方も少なくないはずです。 みなさんが小学生だった頃と同じように、 図形問題を苦手とする子どもたちは今でもたくさんいます。そして、当時と同じように、図形問題は中学入試を目指す子どもたちが乗り越えるべき算数の最重要分野であるといわれています。大人たちがどれだけ理路整然と理論を並べ立てたところで納得できなければ、子どもたちは頭を縦に振りません。また、図形問題をたくさん解くことは、 解き方の引き出しを増やす(ひらめきを得る)ために必要ですが、図形問題が得意になる前に“苦手意識”が芽生えてしまっては本末転倒です。ではどうして図形問題につまずいてしまうのでしょうか。それは図形センスの習得を疎かにしているからだと私は考えます。
本書は、中学入試の算数の図形問題を解くために必要となる(平面図形のイメージ力、立体図形の把握力、 作図力など)のトレーニングを目的にしています。算数の知識のいらないパズル問題を数多く収録しているので未就学の子どもたちでも、楽しく図形センスを磨くことができます。また、本書はもうひとつ重要な力が身につくことを目的にしています。みなさんは「生成AI」という言葉を見聞きした覚えはないでしょうか。新聞などで盛んに報道されている通り、現在、AIは進化の渦中にあります。その飛躍はすさまじく、ゆくゆくは人間社会の在り方を大きく変えるだろうと予測されています。
AIが人間の仕事を奪うのではないかといった危惧を目にすることもありますがどのような形であれ、来るべきAI時代に向けて備えておくべき能力があります。それが「AI脳」=AIを使いこなす力です。私がスタンフォード大学でAIについて学ぶ中で、気づきを得たことが2つあります。ひとつはAIの開発・研究において、数学の習熟が不可欠であること。もうひとつがAIを使いこなす上で基本的な仕組みをイメージとして認識・理解できる力が必要であることです。それこそが「図形センス」なのです。図形センスとは、複雑な物事を頭の中でシンプルな図へと変換できる力であるとも言い換えることができます。例えば、図のようなAI の仕組みをホワイトボードに書いてわかりやすく伝えられる人は、図形イメージ力が高く、 AIを使いこなしている人といえるでしょう。本書が、子どもたちが図形問題を好きになるきっかけとなり、AI時代を賢く生き抜く一助となることを願っています。
この図形ドリルには、図形計算が得意になる8つのテクニックが網羅されている。著者の岩波邦明医師は、2011年に独自の暗算方をまとめた小学生向けドリル「岩波メソッド ゴースト暗算」を刊行し、シリーズ累計66万部の大ヒットを記録。2023年にはこのメソッドをバージョンアップさせた「小学生が99×99までスイスイ暗算できる最強ドリル」を出版。こちらもたちまち重版になっている。現在は、米スタンフォード大学大学院コースでAIを専攻し、最高評価の成績を収めたというまさに数学のプロ。その岩波氏が、今回、中学入試までの1か月で図形問題が得意になるというドリルを監修した。岩波氏が「問題集でも参考書でもない、画期的なワークブックです」というように、内容もとてもユニークなものとなっている。算数、とくに図形問題が苦手だというお子さんにプレゼントしてみてはいかがだろう。