博士学生からの応募経路は「研究室や教授の紹介」が最多!ジョブ型採用の実施率は?
博士学生を採用している企業の採用担当者に、博士学生からの応募経路で最も多いものを尋ねたところ、「研究室や教授の紹介(25.7%)」が最多に。
経済産業省の調査でも、就職活動を行う際に民間サービスの活用が少ないことが明らかになっており、研究の専攻領域を活かしたマッチングは十分に行われている一方で、それ以外のマッチングが十分に行われていない可能性を指摘している*4。
博士学生の活躍の場を広げるためには、就活エージェントなどの民間サービスの活用を通して、学生がより多くの企業と気軽に接点を持つことができるようにすることも重要な要素となるだろう。
*4 経済産業省「博士人材の産業界への入職経路の多様化に関する勉強会議論の取りまとめ」
現在、博士人材の採用を実施している企業の採用担当者のうち、「新卒の博士学生採用においてジョブ型採用を実施している」と回答した人は約6割であった。
一方で約25%の採用担当者は、新卒・中途のいずれにおいても「実施していない」と回答。博士学生向けのインターンシップの実施については、現在博士学生を採用している企業の採用担当者の約半数が実施していないと回答している。
経団連は博士人材の能力や成果・業績に応じた適切な処遇が重要であるとし、インターン
シップの活用やジョブ型採用の重要性に触れている*5。
ミスマッチのない採用を実現するために、より多くの企業がインターンシップやジョブ型採用を積極的に導入することが重要となるだろう。
*5 日本経済団体連合会 「博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に向けた提言」
調査概要
調査年月:2025年1月22日~2025年1月27日
調査方法:インターネット調査
調査主体:レバテック株式会社
実査委託先:GMOリサーチ&AI株式会社
企業側調査
<有効回答数>192s
<調査対象>博士号取得者を採用する企業の採用担当者・責任者
人材側調査
<有効回答数>212s
<調査対象>博士課程修了者のうち、民間企業で働く・働いた経験のある博士人材
■執行役員泉澤氏のコメント
今回、実施した調査によると、博士課程進学者の約7割は「進学して良かった」と回答した一方で、「就職がスムーズに決まらなかった」という意見も聞かれました。
博士人材の活躍の場を広げるには、企業と博士学生双方が研究内容に縛られないマッチン
グを模索することが重要です。
特に、研究分野に限定されない能力を見極める手段として、インターンシップやジョブ型採用は有効な手段となるのではないでしょうか。また企業側の受け入れ体制の整備とともに、学生の不安を解消するための支援も必要です。
レバテックでは、研究分野以外の広義の専門知識やスキルを活かした就職の可能性も伝えることで、博士学生が自身の活躍の幅を広げるきっかけを提供していきます。
構成/Ara