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パティシエに直撃取材!成城石井の大人気プレミアムチーズケーキが自家製にこだわる理由

2025.03.23

現在、成城石井(本社横浜市西区)では、過去に人気だった自家製惣菜・デザートを販売する「成城石井スタッフ 2,000 人が選んだ!復活“推し惣菜”総選挙!!」を開催中である。惜しまれながらも売場から消えた自家製惣菜・デザート・パンの中でも特に人気の28品から、全国の店舗・セントラルキッチン・本社のスタッフ2,212人の投票により、今でもおすすめしたい“推し惣菜”として販売している。

この“推し惣菜”の中にはデザートも多く含まれている。復活するデザートがある一方で、発売当初から長い間支持され、変わらず人気を誇っているのが「成城石井自家製 プレミアムチーズケーキ」 (以下、プレミアムチーズケーキと表記)である。今回はその生みの親であるセントラルキッチンのパティシエ、製造本部製造部部長光野正三さんに、自家製商品の製造のこだわりや独自の仕組み、スーパーマーケットでデザートを開発することが珍しかった時代から今日まで、長年、高く支持されてきた秘密について迫ってみた

過去には年間120万本以上も売れたプレミアムチーズケーキ

――「プレミアムチーズケーキ」の誕生については「スーパーで本格的デザートを販売したいという考えから、専門のパティシエを採用。自社製造による自家製惣菜やデザートを販売できる体制が確立したため」と発表されていますが、もう少し詳しく、解説してください。

光野さん プレミアムチーズケーキとは、きび砂糖を使用した素朴でナチュラルな甘さのスポンジ生地の上に、クリームチーズをベースにアーモンドとレーズンを加えたチーズケーキ生地を重ね、表面はアーモンドプードルで作ったサクサクとしたシュトロイゼルを乗せた3層構造の濃厚なチーズケーキです。シュトロイゼルの食感とレーズンの甘み、アーモンドの心地よい歯ざわりと風味が、濃厚なチーズケーキのアクセントになっています。

他にはない配合、3層構造、厳選された原材料を使用していることから「プレミアムチーズケーキ」と名付けました。

2003年8月に発売を開始し、過去には年間120万本以上を販売したこともある商品ですが、実は入社から4年間、構想を温めていました。どのケーキ屋さんでもレストランでも、“スペシャリテ”と呼ばれるお店の顔となるメニューがあります。成城石井でも、スペシャリテを作りたいという想いがありました。しかし、当時の成城石井のデザートはまだスタートしたばかり。スーパーマーケットでケーキを買ってもらうことのハードルもあったため、最初の1、2年はオードソックスなプリン類やカップのスイーツなどを中心にアイテムを増やしていきました。徐々に“成城石井のお菓子はこういう味”という骨格のようなものを会社全体で作っていこうという空気感ができ、入社から4年後、開発に着手しました。

開発に関しては、色々なところで何かをひらめいたらノートに書き溜め、“これは絶対においしい組み合わせだ、いつかこういうものを作りたい”という構想が元々ありました。それが3層構造のチーズケーキでした。

――なぜチーズケーキなのでしょうか?ショートケーキなども当時から人気があったと思うのですが?

光野さん 今回の「スタッフ2000人が選んだ!復活“推し惣菜”総選挙!!」で復活している「スフレチーズケーキ」は、それより以前にあった「スフレチーズケーキ」とは形を変えているのですが、そのひと昔前からあったもの(今回復活している商品と比較すると、上にアプリコットジャムが乗っており、軽いテクスチャーでした)が当時とても売れていました。

スーパーでデザートを買うという習慣がお客様にない時代に、なぜ「スフレチーズケーキ」が売れるのだろう?と疑問に思っていました。そのような背景もあり、自分が理想として思い描いていた「プレミアムチーズケーキ」を形にすれば、お客様にご支持いただけるのではないか?と考えていました。また、日本にチーズケーキはスフレ、ベイクド、レアと種類が多く、日本のお客様はチーズケーキが好きだと考えていたことも理由の一つです。

――プレミアムチーズケーキは成城石井のデザートの中で一番売れている商品ですが、その理由をどのように分析していますか?

光野さん これだけご愛顧いただいているのは大変ありがたく、支えてくださるお客様がいらっしゃるからこそですね。

商品のこだわりをご説明させていただくと、上でも申し上げましたが「プレミアムチーズケーキ」は、きび砂糖を使用した素朴でナチュラルな甘さのスポンジ生地の上に、クリームチーズをベースにアーモンドとレーズンを加えたチーズケーキ生地を重ね、表面はアーモンドプードルで作ったサクサクとしたシュトロイゼルを乗せた3層の構成にしています。

一番下のスポンジ生地の素朴な甘さ、真ん中のチーズケーキ生地の中に入っているレーズンのちょっとした酸味・甘み、そしてスライスアーモンドの歯ごたえ、一番上のクッキーとして食べてもおいしい表面、といったそれぞれの層の味わいや食感の特長、また食べたときに口の中で一体となる濃厚な味わいをご支持いただいているのではないかと存じます。商品のこだわりの部分をお客様にご支持いただいていることを大変ありがたく思っています。

――発売してすぐにデザート人気No.1になったのですか?

光野さん プレミアムチーズケーキは、発売当初から人気だったわけではありませんでした。開発当初の商品会議で却下されそうだったところ、一緒に試食をした女性スタッフが「これはおいしいから商品にしましょう」と言ってくれて、なんとか商品化することができました。しかし発売後もすぐにヒットしたわけではありません。品揃えのひとつとしてご支持をいただいていましたが、大ヒットするような商品ではありませんでした。

その後、2007年、東京・新丸ビル店をオープンする際に、店舗の皆さんがオープン記念としてこの商品を押し出してくださり(なんとこのとき1日1000本も売れたそうです)、それがお客様の口コミにつながり、徐々に人気商品となるまで押し上げていただきました。

原材料やつくる工程にもこだわった

――美味しさの秘訣を「厳選された原材料を使っている」と公表していますが、何がどう厳選されているのでしょうか?

光野さん 使用されているきび砂糖ですが、きび砂糖は、白砂糖の倍近くの価格になってしまいますが、白砂糖のようなすっきりとした甘みではなく、きび砂糖ならではの素朴な味わいを出すことができます。また、クリームチーズも様々なものを試しましたが、癖のない原材料を探し出して使用しています。

バターをふんだんに使っているほか、シュトロイゼル(上のポロポロした粒状のところ)の部分もアーモンドプードルが30パーセント以上入っています。アーモンドプードルは小麦粉に比べると高価ですが、おいしさのために良い原材料を用いています。

――つくる工程で最も気を使う、もしくは高い技術が必要な部分はどこですか?その点をどうクリアされていますか?

光野さん 真ん中のチーズケーキ生地は、一般的なものの3~4倍の時間をかけて、機械で徹底的に混ぜ合わせます。空気が入らないように、低速でゆっくり回しています。

また、食感のアクセントとなるアーモンドは、焙煎した瞬間から酸化し、風味が落ちてしまうので、毎日約1時間かけ、セントラルキッチンで生のスライスアーモンドを焙煎しています。焼き加減を見て人の手でひっくり返すなど、手間ひまをかけています。

3層構造という味わいにこだわったチーズケーキですが、形状も、大きさも、見た目も、それまで見たことのないようなものになっていると思います。

さらに店頭に並べたときに、隙間なく陳列できる四角いタイプであることと、お客様も切り分けやすい形状から現在の形が良いと思い採用しました。

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