
日本の給料は他国に比べて低いと言われている。急速に進む物価高に給与の増加が追いつかず、不満を抱えている人も多いのではないだろうか。
そこで、富とお金のメンタルトレーナー 三凛 さとし氏は、20歳以上70歳未満の有職者全国461人を対象に「現在の収入への不満と収入を上げる行動」についてアンケート調査を実施した。
お金の不満、20・30代「低年収」、40・50代「物価高」、60代「老後資金」がトップ
内閣府が令和6年12月に発表した「国民生活に関する世論調査」によると、所得・収入について「不満」「やや不満」と答えた人は合わせて64.5%いた。
そこで、各年代別に「現在の収入やお金に関して不満はあるか?」聞いたところ、多くの人が「ある」(30代:83.0%、40代:86.0%、60代:82.3%)と回答。その中で、50代が93.8%と最も多く、最も少ない20代でも75.6%の人が不満を感じていることが判明。
「不満がある」と答えた人に「現在の収入やお金に関しての不満の内容は何か?」聞いたところ、20代と30代は「年収が少ない」(20代:64.5%、30代:60.3%)、40代と50代は「物価高」(40代:60.0%、50代:64.4%)、60代は「老後資金が心配」(67.1%)が最多に。
また、「物価高」「老後資金が心配」について、40代以降は半分以上の人が不満と答えていた。これは、このまま物価高が続けば、老後資金に影響を及ぼしかねないという不安によるものではないかと推測できる。
次に、「収入アップしたいか?」聞いたところ、40代の92.5%を筆頭に多くの人が「はい」(20代:78.0%、30代:85.1%、50代:90.6%、60代:85.4%)と答えた。
「収入アップしたい」と答えた人に「収入アップのために何か具体的な行動をしているか?」聞いた。
どの年代も「具体的にしていることはない」(20代:29.7%、30代:42.5%、40代:46.5%、50代:60.9%、60代:62.2%)が最も多く、年齢が上がるにつれ、その傾向が大きくなっている。
一方、具体的な行動としては、20代が「副業・バイト」(26.6%)、30代は「資格の取得・スキルアップ」(23.8%)、40代以上では「投資」(40代:29.1%、50代:18.4%、60代:19.5%)が最多であった。
調査概要
調査期間:2025年1月30日
調査手法:インターネット調査
調査対象:20歳以上70歳未満の有職者全国
有効回答者数:461人
調査機関:Freeasy
※合同会社serendipity 調べ
なぜ収入を増やしたいのに行動しないのか?
今回の調査結果によると、日本では多くの人が収入に不満を感じているにもかかわらず、実際に収入を増やすための具体的な行動をとっている人は少ないことが明らかになりました。
特に、50代・60代では「収入アップのために何もしていない」と答えた人が60%を超えています。
この現象は、日本の雇用文化や心理的な要因と密接に関係している可能性があります。日本人は収入を増やしたいと思っていても、行動に移すことに対して消極的な傾向があります。
しかし、このような姿勢では、他国にどんどん追い抜かれてしまいます。一人ひとりが自立心を持ち、行動を起こさなければ、日本の経済はますます衰退していくでしょう。
実際に、日本のGDPは低成長が続いており、世界の中での競争力が落ちている現実があります。