
■連載/ゴン川野の阿佐ヶ谷レンズ研究所
「CP+2025」はSIGMAとTAMRONが大人気
カメラや映像機器の最新技術が結集するワールドプレミアムショー「CP+2025」は毎年横浜で開催され、国内外のメーカーが新製品やコンセプトモデルを発表する場として注目を集めている。2025年はSIGMAとTAMRONからインパクトのある製品が登場した。
SIGMAからアルミ削り出しミラーレス「Sigma BF」誕生!
開催、初日午前中から列ができたのはNikonでもCanonでもなく、SIGMAのブースだった。プレス関係者が取材したかったのは同社が4月に発売予定の「Siguma BF」である。ミニマリストもびっくりのシンプルな構成、EVFレスで、メモリーカードも排除して、撮影に必要最低限の機能しかないシンプルなフルサイズミラーレス。マウントはライカレンズと互換性のあるLマウントを採用する。同社オンラインショップでの予約価格は38万5000円で、ブラックとシルバーの2色から選択できる。
ボディの重量は約446gで、持ってみると見た目より軽い。ライカM10とM11は500gを超えているためズシリと重い印象だが、BFはレンズも含めて軽い印象を受ける。物欲を満たすには重いほうがいいが、撮影に行くなら軽いほうがいい。重くはないがアルミ削り出しなのでつなぎ目がなくソリッド感はすごくある。画像で見たときはシルバー一択だろうと思ったが、ブラックもなかなか良かった。特に底面には黒いラバーが貼ってあるのでシルバーよりもブラックの方が違和感がない。バッテリーは裏蓋と一体化されライカQやM11を思わせる交換方法となる。充電はボディに入れてUSB-C接続でおこなう。充電器は別売だ。シャッターボタンのストロークは浅く、半押しでフォーカスロックがかかり、カシャッと落ちる。と言っても電子シャッターなので、音量は調整可能だ。
正面から見ると左側だけにチェッカリングが入っておりグリップを助ける。右側はサンドブラスト仕上げだ。背面の右側にはサムグリップがあり、ただの箱に見えるがホールドが良くしっくりくる。背面にあるボタンは3個+ダイヤルのセンターボタン。ボタンは感圧式でレスポンスがすこぶるいい。電源ONからの立ち上がりも早いし、さらにスリープモードもある。「fp」の操作がもっさりした印象があったが、それを一新させる斬新なインターフェイスとサクサクした動きを実現している。AFもサクサクで被写体検出モードには犬と猫にも対応した。撮影後は再生画面が表示されず、再生ボタンにタッチすると再生するスタイルだ。BFが速写性を重視したスナップシューターであることが分かる。アクセサリーシューも省略されているため外付けの光学ファインダーは付けられない。スナップには広角レンズでノーファインダーで決めたい。カメラ天面にはシャッターボタンしかないので、ノールックで素早く撮影できる。コンテンポラリーシリーズのレンズと組み合わせればモニター画面を使って、MFでじっくりピント合わせが楽しめる。久しぶりに、スペック以外で魅力にあふれたミラーレスが登場した。
SIGMAブースの正面のテーブルにはアルミから削り出される「Sigma BF」が展示されている
シルバーの「Sigma BF」にCシリーズLマウントレンズのシルバーの組み合わせはため息が出るほど美しい
正面右側だけにチェッカリングがあり左側はサンドブラストで、ロゴや型番などは一切なくアートな雰囲気を漂わせる
背面にあるのは再生ボタン、電源ボタン、オプションボタンとセンターが押せるダイヤル。そして小さなステイタスモニターとサムグリップのみ
シルバーモデルで残念なのは底面で、できればここもアルミのシルバーにしてバッテリーの底もシルバーにして欲しかった
カメラの存在を主張しすぎないブラックこそスナップシューター向きと言える。カメラボディよりメカニカルなレンズの存在が際立つ
レンズの存在感が大きいので、ブラックボディにシルバーのレンズを付けると、また印象が変わってくると思う
フルサイズセンサーで画素数は約2460万画素と欲張らないため秒8コマの連写ができる
「CONTEMPORARY 16-300mm F3.5‐6.7 DC OS」はミラーレス用として世界初のズーム比18.8倍を実現したAPS-Cサイズ用レンズ。ライバルのTAMRONは広角18mmからなので、35mm換算で27mmに対して24mmのアドバンテージを持っている
こちらがTAMRONの18‐300mmで、16.6倍のズーム比になる。重量は620gとSIGMAの605gより少し重い
16‐300mmは長さ123.4mm(Eマウント)だが、伸ばすとこれだけ長くなる
「SPORTS 300-600mm F4 DG OS」ズーム全域で開放絞り値F4の超望遠系ズームレンズ。重さ約3.9kgで直販価格129万8000円と迫力のあるサイズと価格で登場する
手ぶれ補正機能内蔵だが、手持ちは無理なので三脚座を使って三脚に取り付けて使うことになるだろう
三脚座はレンズの回転時にクリックありとなし、固定が選択できる