
■連載/阿部純子のトレンド探検隊
健康管理で「モチベーション依存」に左右されない製品づくりを行ってきた、東京大学発ヘルスケアスタートアップの「issin」。同社の「スマートバスマット」は、お風呂上がりに乗るだけで体重測定などの健康管理ができるヘルスケア製品で、継続率が9割、ユーザー数は7万人を超え、幅広いユーザーの健康管理をサポートしている。
issinから、着けるだけで日々の回復力を可視化し、ベストな状態をサポートするウェアラブルデバイス「Smart Recovery Ring(スマートリカバリーリング)」が新たにリリースされた。
リングを着用するだけで日々の回復力を可視化
スマートリカバリーリングは、「睡眠」「ストレス」「活動量」をモニタリングし、専用アプリで詳細なデータを確認し、これらのデータを統合的に分析して、毎朝の回復力を示す「リカバリースコア」を可視化するウェアラブルデバイス。
主な機能としては、リカバリースコア、睡眠モニター、ストレスモニター、活動量モニター、心拍数、血中酸素濃度、心拍変動、皮膚温、女性の健康管理、パーソナルヘルスケアAIで、issin代表の程涛氏は、回復力の源になる睡眠、ストレス、活動量にフォーカスし、今回の新製品を開発したという。
「朝が起きたとき最高の状態を迎えるためには、前日の疲れを取って回復させるリカバリーが非常に重要です。リカバリーには、質の良い睡眠やストレス、活動量が関係してきます。
厚労省が推奨する最低限の睡眠時間は6時間半ですが、日本人の睡眠時間は6時間未満が約4割います。睡眠時間、睡眠の質によっても回復度が変わりますから、自身の睡眠状態を把握することが重要ではないかと思います。
ストレスを感じるという人は同じく厚労省の調査では約半数もいます。私自身もストレスを感じても、今まではほったらかしにしているだけでした。しかしストレスを可視化すれば、どんなときにストレスが高い状況になるのかを把握でき、深呼吸する、休憩を取るなど、ストレスを低減させる方法を取ることができます。
運動習慣がない人は厚労省の調査で約7割。活動量は睡眠やストレスにも関わりがあるといわれており、昼間の活動量が多いほど、睡眠の質が高くなりますし、常に運動習慣がある人ならストレスに対応できるようなパワーを持ちやすくなります。
睡眠、ストレス、活動量とリカバリーができる条件が整っていない人が多いことから、この3つを管理して健康的な生活をサポートすることを目的とした『スマートリカバリーリング』を開発いたしました」(程代表)
スマートリカバリーリングは、幅8mm、厚み2.2mm、重さ約3gの超軽量設計。装着感を感じにくく、日常の動作や睡眠時にも違和感がない。
生活防水(IP68 / 5ATM)仕様なので、手洗い、シャワー、汗や雨などの日常的な水濡れも気にせず使用できる。また、2時間の充電で約7日間の連続使用が可能なバッテリーを搭載、忙しい日々でもストレスなく使うことができる。
〇リカバリースコアで毎日の回復力を可視化
リングを装着するだけで、前日の「睡眠スコア」「ストレスレベル」「活動量」をモニタリングし、計測データを統合的に分析、毎朝の回復力を示す「リカバリースコア」として可視化。これらは睡眠の質、ストレスレベル、活動量、心拍変動(HRV)などのデータから、どれだけ心身がリカバリーできているかを直感的に把握できる指標となる。
専用アプリで詳細なデータを確認できるので、日々のコンディションを可視化することで、自身の体調の変化を直感的に把握し、最適なリカバリー方法を見つけやすくなる。
〇ゲーム感覚で楽しみながら疲れや不調からの回復を促進
ユーザーのモチベーションを維持するためにゲームの要素も加味。パーソナルヘルスケアAI「ウェリーくん」が、ユーザーのデータに連動し、そばで見守るパートナーのように寄り添いながら、ゲーム感覚の健康管理ができる仕組みを搭載。楽しみながら疲れや不調からのリカバリー習慣を促進する。
〇スマートバスマットと連携し、データを統合管理
スマートリカバリーリングは、体重測定できるバスマット「スマートバスマット」と同じアプリ(無料)で記録、分析する。リングが計測する「睡眠」「ストレス」「活動量」に加え、バスマットが測定する「体重・体組成」のデータを統合することで、より包括的な健康状態の把握が可能に。「お風呂上がりに、バスマットに乗るだけ」「リングをつけたまま生活するだけ」のシンプルな方法で、日々の健康データを手軽に管理できるのも大きな特長。
【AJの読み】着け心地にもこだわった厚み2.2mmのリング
スマートリカバリーリングは、リカバリーのカギを握る睡眠、活動量、ストレスレベルを、最長1週間のモニタリングを行うデバイス。パーソナルヘルスケアAI「ウェリー」がユーザーに寄り添う形で、疲れた心と体の回復をサポートしてくれる。
「他社とスマートリングとの違いは『2.2mmの薄さ』です。2.5mmの他社のリングを私も実際に着用していましたが、2.2mmになると装着感に大きな違いが出ます。たった0.3mmですが、1日着けていれば装着感の違いがよくわかります。毎日身に着けて使うものですから、装着感にはとことんこだわりました。
また、スマートパスマットと併用することで、体重、食事、運動、睡眠、ストレスを、ひとつのアプリでまとめて健康管理できるのも、弊社ならではの大きな特色です」(程代表)
リングの素材は外側がチタン、内側が合成樹脂。カラーは「マットブラック」「マットシルバー」の2タイプ。サイズはUS 8号~13号(6・7号は6月20日発売予定)で、自身のサイズがわからない人向けに、サイジングキット(下記画像)も用意しており、商品発送から10日以内で、破損や外観に傷がない状態であれば、1度に限り異なるサイズ(同じカラー・デザイン)への交換が可能。
リングはどの指に装着してもよいが、利き手ではない方の指に装着した方が使いやすいとのこと。実際に装着してみると、人差し指か中指に着けるのが使いやすいのではと感じた。
価格は29,800円。全国のKDDI直営店、au Style、auショップ、UQスポット、au Online Shop にて発売。
現在はブラックとシルバーの2色展開だが、au +1 collection限定販売として、auのデザインケータイ「INFOBAR」コラボデザインしたスマートリカバリーリングも発売予定とのこと。リングの幅が8mmと大振りなサイズ感なので、今後は女性ユーザー向けにデザイン性の高いリングの登場も期待したい。
取材・文/阿部純子