
森山直太朗の曲『さくら』がTVで流れてきたら、“君と会える日を待っている人”がいるかは考えないまま、ふと衝動的にお花見に行きたくなる人は多いはずだ。
ただ、そんな時に、定番お花見スポットに行くと人混みの中でお花見することになり、桜を見に来たのか、人を見に来たのかわからなくなる。これでは本末転倒。
混雑回避してお花見がしたい人へ捧ぐ!
今回は穴場(と思われる)桜スポットを7ヶ所、厳選紹介。混雑を回避するためにできる対策も紹介する。
■井の頭恩賜公園
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/jimusho/seibuk/inokashira
桜の名所の定番とも言われる井の頭恩賜公園では、「さくら名所100選」に選出されているほど有名なのだが時期をズラすことで混雑回避を少しはできそうだ。というわけで、3月から花見だ。急ごう。
公園全体で約400本のサクラがあり、池の周囲には約200本のソメイヨシノとヤマザクラがあるが、目的は早咲きのオオカンザクラ、濃いピンク色のカンヒザクラ、カワヅザクラ。人がお花見に行くよりも“前に”行くべきだ。
住所:東京都武蔵野市御殿山一丁目18-31
■桜神宮
https://www.instagram.com/p/DG4jvrDpS_0/
まず、世田谷区の桜新町にある古式神道の神社、桜神宮を紹介したい。理由は境内のカワヅザクラは3月上旬から満開だから。さあ、今から出かけよう。
桜神宮は濃いピンク色がインスタ映えすると話題の人気の神社で、桜の模様が描かれた御朱印も受け取れる。3月30日にはお花見会もある。
問い合わせたところ、4月にはソメイヨシノ、シダレザクラが満開となるよう。また、桜の開花状況によってライトアップも行われる。
ただ、平日でも休日でも混雑しているようなので、邪道かもしれないが、混雑が苦手な人はインスタグラムで桜の開花状況を見てみよう。
https://www.instagram.com/sakura.jingu/
住所:東京都世田谷区新町3-21
■千鳥ヶ淵緑道
定番と言えば定番の千鳥ヶ淵緑道。ただ、このあたりに勤務している人や近くの大学に通学している人は、混みあう休日ではなく、人が少ない平日にお花見というのもよいかもしれない。大学は春休みに突入した今、ちょっと足を運んでみるのはどうだろうか。
九段下駅から徒歩5分、半蔵門駅から徒歩5分。アクセスもよく、筆者も、先日、付近を散歩。3月末が見ごろになりそうだ。
住所:東京都三番町先 九段南二丁目
■小金井公園
約80ヘクタールと都立公園3番目の広さを誇る小金井公園。東京都小金井市と一部が小平市・西東京市・武蔵野市にまたがる東京都立の都市公園で、とにかく広い。というわけで、広ければ人は集中しないから大丈夫だろうと考えて紹介する。密を避けよう。
ヤマザクラをはじめ、ソメイヨシノ、オオシマザクラなど約50種の桜が植えられている。桜の園では3月下旬から4月下旬まで、長い間桜を楽しむことができる。
3月14日のXのポストでは、「オカメという早咲きの桜の一本が満開となっていました。」とあるため、もうそろそろ開花の予感。3月22日からは「花と光のムーブメント」として17時30分~20時にライトアップも行う。
住所:東京都小金井市関野町一丁目13-1
■三ツ池公園
神奈川県横浜市、鶴見区にある三ツ池公園。「さくらの名所100選」に選ばれ、70品種、約1,000本の桜が楽しめる。早咲きのカワヅザクラ以外にも、ヨウキヒなど4月が見ごろになる桜もあり、長い期間楽しめそうだ。
行く際は「桜見頃マップ」を予習して挑みたい。
住所:神奈川県横浜市鶴見区三ツ池公園1-1
■国営昭和記念公園
国営公園の昭和記念公園。むらさき橋では3月14日時点で、カワヅザクラが見ごろ。
園内にはソメイヨシノのある「桜の園」もあるが、注目は、「花木園」の中にある「旧桜の園」。こちらでは残堀川沿いにソメイヨシノ、ヨウコウ、レンギョウが楽しめる。定番の「桜の園」ではなく、混雑回避で「旧桜の園」にも注目だ。
今の時期はクリスマスローズなども楽しめ、季節の花を愛でることもできる。
住所:東京都立川市緑町3173
開園:9:30~17:00 (3月~10月) ※イベント等により異なる ※4~9月の土日祝日18:00閉園
■秩父高原牧場
埼玉県になるが、秩父高原牧場も紹介しておきたい。なぜなら、5月まで桜を見ることができるかもしれないからだ。
秩父高原牧場は県内の酪農家さんから乳用牛を預かり育てている施設で、標高は600~700メートル。四季折々の花を愛でることができ、5月中旬から6月中旬に「天空のポピー」イベントを開催している(2025年は中止が決定)。
この秩父高原牧場では、東京都内の桜の開花よりも少し遅いため、4月から5月に見ごろとなる模様。桜の名所として大々的に叫ばれていないこと、桜の開花が遅いことなどから、穴場なのではと思い、提案しておく。
住所:埼玉県秩父郡東秩父村坂本2951
お花見はやはり「密を避ける」
桜の名所は多いものの、どうしても人が集まって混雑してしまうことが多い気がする。どうすればよいかというと、コロナ禍で学んだ「密を避ける」ことが第一のように思う。
■お花見のコツ1:期間をズラす
これは、中型公園や大型公園にいえる話で、さまざまな品種の桜が植えられている公園であれば、お花見できる期間が「長い」。3月はカワヅザクラからはじまり、4月のソメイヨシノ、そして5月ごろまで楽しめることもあるようだ。
■お花見のコツ2:見る時間帯をズラす
家族みんなでお花見するなら、土日を選びたくなるところだが、休日の午後は人も集まりやすいのではないかと簡単に想像できる。そこで、時間帯はやはり午前中がよいのではないだろうか。
早朝だと人も少ないはずで、平日午前中に休みを取って半日だけ見に行くこともよさそうだ。
■お花見のコツ3:場所をズラす
国営昭和記念公園で紹介したように、定番のソメイヨシノのある「桜の園」だけでなく、「旧桜の園」として知られる「花木園」にも注目しておくとよいかもしれない。「桜の園」が混雑していたから、近くの別のスポットに移動といったようにフレキシブルに対応できるからだ。
とここまで対策をしても、満開の桜を見ると日本人はどうしても足を止めてしまうこともあり、混雑回避が難しいこともあるかもしれない。すべては運次第なのかもしれない。幸運を祈る……。
文/谷口久美子