
モンスターハンターシリーズの最新作『モンスターハンターワイルズ』は発売3日間で全世界売り上げが800万本を超える大ヒットを記録した。
カプコンはモンスターハンターシリーズについて「2004年の第1作発売以来、ネットワークを介して『他のプレイヤーと協力して強大なモンスターに挑む』というプレイジャンルを確立し、シリーズ累計販売本数1億800万本(2024年12月31日時点)を誇る、世界中から注目を集めるコンテンツ」と説明している。
そのDNAを確かに受け継ぎ、モンハンワイルズとはまた少し異なる魅力でユーザーを惹きつけているのがスマートフォン向け位置情報ゲーム『モンスターハンターNow』だ。
一部のユーザーは最新作より「モンハンNow」により”モンハンらしさ”を感じるという。一体なぜだろうか。
モンハンNowには、モンハンワイルズにはない〝モンハンらしさ〟がある
「モンハンNow」はリリースから約半年、2024年4月には1500万ダウンロードを突破し、現在もユーザー数が増え続けている。「モンハンNow」の成功はモンスターハンターシリーズという人気IPを活用したというだけでは語れない。
モンハン歴10年以上、「モンハンNow」ユーザーのひとりは次のように語る。
「モンスタハンターシリーズは大好きで学生時代からずっとプレイしています。それこそPSP時代の『P2G』や『3rd』からDS時代の『4G』や『XX』など、社会人になってからも学生時代の友人たちと一緒に遊んでいます。もちろん、携帯機だけじゃなく据え置きハードやPCで発売された『ワールド』や最新作の『ワイルズ』も私含め友人たちもみんな購入していますが、私の世代だとオンラインでのマルチプレイは少し寂しい気持ちがあります。
というのも、昔からモンハンといえばみんなで集まって『一狩りいこうぜ!』な遊び方をしていたので、オンラインだと”モンハン”を遊んでいる感じがしないんです。最近の作品でもニンテンドースイッチでも発売された『ライズ』シリーズはオンラインでもプレイできるのですが結局、みんなで集まってプレイしました。
だから私にとっては”モンハンらしさ”を感じるのは『ワイルズ』よりも『Now』の方なんです。ゲーム性は簡略化されていますが、『みんなで集まってモンスターを狩りに行く』という遊びができますから」(30代・男性)
別のユーザーは、アプリならではの手軽さを指摘する。
「学生時代と違って社会人になるとゲームをする時間が少なくなります。昔はモンハンも何百時間とプレイしていたのですが、いつからかゲームハードすら所有しなくなりました。でも、たまに無性にゲームがしたくなる時に『Now』をプレイします。スマホでモンハン感を手軽に味わえるので気に入っています」(40代・男性)
「モンハンNow」が、モンハンファンから支持されているのは、カプコンが語る「他のプレイヤーと協力して強大なモンスターに挑む」というモンハンならではの達成感を、手軽さとリアルな交流をもって実現した作品だからだろう。
「モンハンワイルズ」にはない”モンハンらしさ”を感じると言う感想も頷ける。
公式がオフライン交流会を開催、今後にも期待
だからこそ「モンハンNow」は、新たな取り組みとしてオフライン交流会を開催したのかもしれない。
ナイアンティックは2025年3月、公式オフラインイベントとして「モンハンNow公式オフライン交流会」を開催。ユーザー同士がオフラインで直接、対面しながら「モンハンNow」を遊ぶことができる場を公式自らが主催したイベントだ。事前抽選制で行われた本イベントは、担当者によると「かなりの高倍率だった」とのこと。
3月16日、東京・秋葉原で行われたオフライン交流会では、初対面同士のユーザーたちが、モンスターを討伐したり、レア報酬の獲得に一喜一憂している様子は、まさに『P2G』時代によく見た光景だった。
オフラインイベントの参加者は心なしか30~40代の古参モンハンユーザーが多いように感じた。
重厚な世界観やシナリオ、美麗なグラフィック、全世界のユーザーとオンラインで繋がる遊び方など『モンスターハンターワイルズ』には、モンスターハンターシリーズの最新作にふさわしい良さがある。
同時に『モンスターハンターNow』にも、ワイルズとは違ったベクトルの良さがある、ということだろう。
取材・文/峯亮佑