
’80~’90年代の熱狂的ディスコブームは、時を経て小規模スペースで音楽をメインで楽しむクラブ文化へと移行。そして今、東京・新宿に1500人以上の集客力を誇る大箱クラブが林立し、ナイトエンタメを大きく変貌させつつある。
眠らない街・新宿のネクストステージ
先陣を切ったのは、2018年オープンの『WARP』。以降、次々と新店が爆誕。都内でこの規模を有するクラブは渋谷と銀座に1店ずつというだけに新宿の盛り上がりは推して知るべし。
こうした新宿興隆のきっかけに外せないのが「東急歌舞伎町タワー」の存在だ。地下フロアを占める『ZEROTOKYO』は、日中、ライブハウスでその深夜帯にクラブ営業。運営するTSTエンタテイメントのリチャードソン千尋さんは「新宿はライブや演劇など様々なカルチャーが根づく街であり、最も外国人訪問者数の多いエリア。だからこそ新宿から日本のクラブカルチャーを世界に発信したい」と話す。海外大物DJたちの招聘にも積極的で、最新のサウンドシステムと360度LEDビジョンを導入した空間は、クラブ慣れしているインバウンド客からも高い評価を得ている。
’24年には日本一の集客数を誇る渋谷『ATOM』が新宿に姉妹店をオープン。照明、音響、モニターなど、海外のクラブを彷彿とさせる大迫力の空間に注目が集まる一方、渋谷で一世を風靡した後、名古屋へ場を移した『T2』も同年、新宿に開業する。
「新宿に店を出すのは念願だった」と話すのはT2のゼネラルマネージャー、本間崇嗣さん。
「ディスコ文化の象徴=新宿の時代もあったが、平成以降、若者が集い熱狂できる大箱は消えた。近年の都内クラブ分布図でいえば、新宿は店舗数が少なく、可能性しか感じなかったんです。『WARP』が新宿で成功を果たし、再熱の口火を切ったのも大きいですね」(本間さん)
業界有数の大箱が徒歩10分圏内に集結し、クラブ間のハシゴなど相乗効果も高い。眠らない街・新宿のネクストステージはもう始まっている。
T2 SHINJUKU
SINCE 2024年4月
大迫力のダンスフロアにフェスのような熱狂が生まれる
多様な音楽ジャンルと最新の音響設備、天井高7m、1フロアの圧倒的なスケール感に色鮮やかな照明が飛び交う。駅徒歩1分で料金は女性500円~と良心的! 収容キャパ1500名。
龍の大きなモニュメントが象徴的なアイランドバー。ゴージャスさを演出。
DATA
[住]東京都新宿区西新宿7-1-1 新宿カレイドビル 7F [電]03・5497・8913 [営]22:00〜05:00 [休]無休 [料](1ドリンク付き)金・土曜・祝前日/男性3000円、女性1000円(22:00〜24:00は男性2000円※) 日〜木曜/男性1500円、女性500円(22:00〜24:00は男性1000円) ※のみ2ドリンク付き
ATOM SHINJUKU
SINCE 2024年10月
最新鋭の映像と光が音と融合する非日常空間
天井に設置した巨大発光ダイオードモニター、最新鋭の映像演出とライティングにオーディエンスが熱狂。530坪の広さで最大収容キャパは2700人。VIP席は128席と都内最大級。
DATA
[住]東京都新宿区新宿5-17-13 オリエンタルウェーブビル7〜8F [電]03・4400・9330 [営]22:00〜04:30 [休]無休 [料](1ドリンク付き)日〜木曜/男性1900円、女性900円(共に23:00〜24:00は無料※) 金・土曜・祝前日/男性3900円、女性900円(22:00〜23:00は無料※) ※はドリンクなし
ZEROTOKYO
SINCE 2023年4月
世界的なDJたちも絶賛!最新設備で音楽に没入!
抜群の音のよさと映像演出で定評。11mの吹き抜けがあるなど、空間は開放的。地下2~4階の3フロア・5エリアで構成され、様々な音楽ジャンルに出合える、収容キャパは1500人。
DATA
[住]東京都新宿区歌舞伎町1-29-1 東急歌舞伎町タワーB1〜B4 [電]03・6380・3741 [営]23:00〜04:30 [休]月・火曜(祝前日は営業実施の可能性あり) [料]2000円~(イベントにより異なる)
取材・文/嶺月香里 編集/原口りう子
※営業時間や料金は日によって変わることがありますので、都度確認をしてください。