
クローゼットの中で眠る低価格アパレル商品が実は金の卵かもしれない。Yahoo!オークションなどのフリマサービスで、年代物のユニクロ商品〝オールドユニクロ〟の高額出品が急増。ラグジュアリーブランドなどが中心だったリユース市場に地殻変動が起きている。
年代物のユニクロの再評価の流れは新たな市場確立の兆しか?
なぜユニクロなのか? 2024年にMEGAドン・キホーテ姫路広畑店内へ出店を果たしたファストファッション専門リユース店「フクカオ」責任者・丸山功さんが答える。
「オールドユニクロの突発的な盛り上がりは、ここ数年Gapやエディー・バウアーといった米国量販ブランドの1980~1990年代の古着が高騰していることに紐づいた動きでしょう」
2025年にGapは1980~2000年代の古着をキュレーションして販売するプロジェクト「GapVintage」を始動。3990~4万9900円という攻めの価格設定は〝オールドギャップ〟の付加価値化を象徴する施策だ。一方、オールドユニクロはどうか? フリマサービスを覗くと、定価2900円の約5倍に値付けされたシャツや10万円近いスウエットの出品も。
「個人間売買は、言った者勝ちの世界。欲しい人が一定数いるから成立しているニッチな状況です。フクカオは平均単価500円で古着を提供することをモットーとするため、プレミアム価格の商品は取り扱いませんが、それでもリユース事業者の間でもオールドユニクロの名称が使われはじめているのは事実です」
高額化に期待できる商品は?
「大まかに1980〜2000年代初頭の商品がオールドユニクロに分類されます。特にMA-1フライトジャケットやデニムジャケット、レザーアイテムは高額化傾向にあるようです。また、年代を問わず、企業やデザイナーとの限定コラボ商品は人気です」
ファストファッション古着は売価よりも出品コストの方が高く、送料負けすると避けられてきた。年代物のユニクロの再評価の流れは新たな市場確立の兆しと受け取れそうだ。
年代物&コラボタグが高額商品の目印に!
緑タグ
1980年代後半~1990年代初期
ユニクロ『ピッグスキンランチコート』
正確な年代考証はできないが、緑フチは全国展開以前のデザインといわれている。現行商品にはない本革製品は高額取引される傾向にある。
紺タグ
1990年代後半~2004年頃
ユニクロ『デニムジャケット』
フリースが全国的に大ヒットした1998年前後のタグ。そのため、正方形と長方形の2種類ある紺タグはオールドユニクロの中で最も遭遇しやすい。
人気デザイナーとのコラボライン
+J『ハイブリッドダウンMA-1ブルゾン』
クリストファー・ルメールなど、定番として展開されるコラボ商品よりも期間限定コレクションが高評価。写真はデザイナーズコラボ人気を確立した初期の『+J』のもの。
取材・文・編集/渡辺和博