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韓国発のドバイチョコが人気爆発!韓流バズりビジネスに世界が注目する理由

2025.03.16

Kポップやドラマなどのエンタメから美容やグルメまで、韓国ブームが続く昨今。あらゆるものが韓国を経由して世界規模なブームとなる現象が起きています。渡韓歴20年以上、韓国に暮らした経験もある筆者が、いまや世界のトレンド発信地となった韓国のバズり事情から今まさに大バズり中のドバイチョコレートについて、ソウルの最新情報とともにお伝えします。

ドバイチョコレートとは

カダイフとピスタチオのフィリングをはさんだドバイチョコレート。写真は韓国製の商品(約610円)

ドバイチョコレートの発祥とされるのは、アラブ首長国連邦ドバイにある「フィックス デザート ショコラティエ(FIX Dessert Chocolatier)」。中東で親しまれているお菓子クナーフェに着想を得たというこの板チョコは、中にカダイフ(小麦粉やトウモロコシ粉で作られた細い麺状の生地)とピスタチオクリームのフィリングがたっぷりとつまっており、表面にカラフルな模様が描かれているのが特徴です。

韓国のドバイスタイルチョコレートはカダイフの量が少なくピスタチオクリームが固め。

注目されるようになったのは、2023年の末にフード・インフルエンサーがTikTokで同店のチョコレートを食べる動画を投稿したのがきっかけ。映える見た目とザクザクという咀嚼音が話題となり他国にも人気が広まっていきました。

本家の商品はドバイでしか買えないという珍しさもあって、急激に需要が拡大。転売市場で高値で取引きされたり偽造品の増加や密輸事件も起きるなど、世界的な社会現象となっています。

ドバイチョコはなぜ韓国で流行ったのか

韓国のスーパーやコンビニに並ぶ韓国製のドバイチョコレート

このブームをいち早く察知し飛びついたのが、新しもの好きで流行に敏感な韓国の消費者。韓国ではモッパンと呼ばれる「食べる動画」が消費トレンドに大きな影響を与えています。最近特に注目されているASMR(聴覚や視覚を刺激し心地よさや快感を高める)動画に、ドバイチョコレートのパリパリ&ザクザクとした咀嚼音はぴったりでした。さらに、高級感のあるおしゃれなビジュアルもSNSと好相性。韓国のトレンドにおいて、「映え」は重要な要素なのです。

フルーツ大福の人気店ではドバイチョコスタイルの餅が大ヒット

韓国では2024年の初め頃からユーチューブやインスタグラム、Tik Tokでドバイチョコレートをおいしそうに食べる動画や「作ってみた動画」が大バズリし、早速それに目を付けた食品メーカーやコンビニが商品開発を開始。チョコレートにとどまらず、ケーキにクッキー、パンにドリンクまで、独自のアレンジを加えた進化系ドバイチョコ商品が次々と登場し、一大ブームを巻き起こしています。

韓国人の国民性は「パリパリ(早く早く)文化」とよくいわれます。何事も早ければ早いほうが良いという考え方で、仕事でもプライベートでもスピードの速さにびっくりさせられることがしょっちゅう。何かが流行り出すとあっという間に広まり、枠にはまらない自由な発想とアレンジ力で独自の商品を次々と生み出します。流行の移り変わりも驚異的に速く、「半年ごとにトレンドが変わる」と言われるほど。にもかかわらず、今回のドバイブームはまだまだ続きそうな勢いです。

ソウルでドバイチョコレートを食べ歩き

あちこちで行列ができている聖水

ソウルでドバイチョコ商品が買える場所といえば、ホットプレイス(流行発信地)の聖水(ソンス)。ここにはグルメにファッション、コスメまで全てのトレンドが揃っており、行列の先を見れば今何が流行っているのかが一目瞭然です。

カダイフとピスタチオクリームをチョコと餅で包んだドバイ餅。ザクザクとした咀嚼音が心地よくリッチな味わい

2025年2月の時点でもドバイチョコ関連商品を販売するショップは大賑わいでした。とくにフルーツ大福の人気店「ハン・ジョンソン」は長蛇の列。筆者も列に並びましたが、ほとんどの人が「ドバイ餅」目当てで、高額(約670円)にもかかわらず飛ぶように売れていきます。

聖水には、ほかにもドバイフィナンシェやドバイクッキーなどを販売するショップが点在しており、ショッパーをいくつも抱えてスイーツ巡りをする日本人女性をたくさん見かけました。

フィナンシェ専門店では大きな看板でドバイフィナンシェをアピール。

人気のアメリカンクッキー店ではドバイチョコクッキーが完売必至。

日本でも大バズり中のドバイチョコレート

一方日本でも、昨年からじわじわと韓国発のドバイチョコレートが注目されはじめ、東京の新大久保などで提供するお店も出てきました。今年のバレンタインにはデパ地下でトルコのスイーツブランド「ディヴァン(divan)」のドバイチョコが爆発的な売り上げを記録し、一気に人気に火がついた様子。最近ではメディアがこぞってドバイチョコを取り上げるようになり、本格的なトレンドとなってきています。

ヤフーによるトレンド予測レポート「『DS.INSIGHT Trend』が導き出した2025年のヒット予測」でも注目のヒットアイテムとして発表されており、大ブレイク必至のドバイチョコレート。

筆者は食品の商品開発に関わることもあるのですが、日本のメーカーがその気になれば、クオリティの高いドバイチョコ商品を作れるはず。あのお菓子とコラボしたらおいしそうだなあなどと勝手にあれこれ妄想しながら、ひそかに期待しています。

文・写真/坪井由美子
ライター&リポーター、PRなど幅広く活動。ドイツ在住10数年を経て世界各地でプチ移住や語学留学をしながら文化やグルメ、トレンドを発信。テレビの甘味通選手権で3度優勝しレシピ開発も手掛ける食いしん坊。著書『在欧手抜き料理帖』(まほろば社)。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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