ついに独自決済サービス「Samsung Wallet」が日本上陸
Galaxy S25シリーズの発売後すぐ、2025年2月25日より、独自の決済サービスである「Samsung Wallet」がサービスを開始した点も、見逃せないポイント。サムスン独自のセキュリティプラットフォームによって情報が保護されており、指紋認証機能や、暗号化機能を搭載している。対応は、2021年以降発売のモデルかつ、Android 14以上のGalaxyシリーズとなる。
サービスイン時点で対応が決定しているのは、オリコカード(Mastercard)、三井住友カード(Visa)、三菱UFJデビット(Visa)、株式会社ジェーシービーが発行するカード。QRコード決済ではPayPay、ポイントカードはVポイントとPontaポイントに対応予定。一部サービスは、2025年3月以降に順次対応予定となる。執筆時点では、筆者の三井住友カードは対応がまだのようで、登録できなかった。
そのほか、エアトリ(国内航空券)のチケット、大韓航空、エミレーツ航空、ライアンエアー、エールフランス航空、KLMオランダ航空の搭乗券も格納できる。
現時点で試せるサービスとして、PayPayを登録して使っている。Samsung Walletアプリを開き、PayPayの項目をタップすると、バーコードを表示、スキャンして支払うといった項目が表示される。任意の項目をタップすると、PayPayアプリの該当ページが開くという仕組み。いわば、PayPayの各機能に簡単にアクセスできる、ショートカットのような形となっている。
便利なのが、ロック画面や画面がオフの状態でも、ディスプレイ下部から上方向にスワイプをすることで、クイックにSamsung Walletが起動できる点。支払いの際などに、すぐに決済サービスを開けるのが魅力だ。
一方、下から上へのスワイプは、ジェスチャー操作に設定している際、ホーム画面だと、起動アプリの履歴を表示する機能と重なる。そのため、アプリの履歴を表示したいのに、Samsung Walletが起動してしまうミスが頻発している。慣れの問題かもしれないが、筆者の場合は、ジェスチャー操作はロック画面、画面オフ時のみに設定し、ホーム画面や別のアプリ起動時には、サイドボタンのダブルクリックで、Samsung Walletが起動するように設定することで、かなり快適になった。
文句なしのハイエンドスペックと7世代のOSアップデートに対応
搭載チップセットは、Snapdragon 8 Elite for Galaxy。Snapdragonシリーズの中でも、現行のハイエンドモデルを、Galaxy S25シリーズ用にカスタマイズしたものとなる。
メモリは両モデルともに12GB、ストレージは256GBスタートとなっている。最新のAI機能をフル活用するためのスマホということもあり、スペックも高水準になっているため、ほとんどの動作が快適。特に標準モデルのGalaxy S25は、今回よりUltraモデルと同じメモリ容量になったことで、魅力が増している。
バッテリーはGalaxy S25が4000mAh、Galaxy S25 Ultraが5000mAhとなる。数々の魅力があるGalaxy S25シリーズだが、個人的に唯一、特記事項のない項目がここだと感じている。ヘビーなゲームアプリなども快適に動作するのに加え、AI機能もガンガン使っていると、バッテリーの消耗はかなり早い印象を受ける。急速充電に対応しており、無線、有線のどちらでも充電できるユーティリティさはあるが、1日がかりの外出の場合は、モバイルバッテリーの携帯を推奨したい。
生体認証は顔認証と指紋認証の両方に対応。認証スピードもストレスのないレベルで快適だ。防水防塵はIP68規格に準拠し、おサイフケータイ機能も利用できる。
特徴的なのが、7世代のOSアップデート、7年間のセキュリティアップデートに対応している点。最近は、3年、4年と同じ端末を使うユーザーが多いのに加え、アップデート期間が長いと、リセールバリューも高くなる。
Galaxy S25、Galaxy S25 Ultraを実際に使っていると、バッテリー持続時間を除き、大部分が高水準に備えられたスマホであることを感じる。新しいAI機能に関しては、まだまだ完全とはいえない部分もあるのに加え、人間がどのようにAIを使うのかという部分も発展途上なので、今後のアップデート次第で、どんどんスマホの使い方が変わる期待感もある。
個人的には、薄型軽量、コンパクトで高スペックな標準モデルと、大画面でSペンを格納し、力強いカメラを搭載したUltraというすみわけができているのも、面白いと感じた。どちらも高スペックにまとめながら、コンセプトで明確な違いを押し出しているので、ユーザー的にも、自分に合ったモデルを選びやすいのがいい。
ソフトバンクでも採用され、販路を拡大したことで、多くの人が手を出しやすくなったGalaxy S25シリーズ。キャリアの端末購入プログラムを使えば、かなりお得に使用できるのも魅力だ。日本市場で絶対的なシェアを持つアップルや、コスパで近年急速に知名度を伸ばすグーグルやシャオミに対し、愚直な進化を続けるサムスンが、多くの支持を得ている理由を実感できる端末といえるだろう。
取材・文/佐藤文彦