
働く女性が、メンズスタイルスーツを選ぶ動きが目立ってきている―――。
紳士服販売チェーン「洋服の青山」を展開する青山商事の調査では、女性の約25%は「メンズスタイルでのオーダースーツを仕立ててみたい」と回答した。果たして、その女性たちの理由とは? 具体的なメンズスタイルのスーツについて探ってみた。
女性の約50%がメンズファッションに関心あり!デザイン・サイズ感・オプションに魅力
「洋服の青山」では、既製品を買えるだけでなくオーダーメイドでスーツを仕立てることもできる。同社が2025年1月31日~2月7日に同社のアプリ会員の10代~50代以上の女性848名に対して実施した意識調査では、年代問わず、約50%がメンズファッションに関心があると回答。そして女性の3人に2人は、スーツは「性別を問わないファッション」ととらえていることがわかった。
●「今後、メンズスタイルでオーダースーツを仕立てたいと思いますか?興味はありますか?」
さらに、「今後、メンズスタイルでオーダースーツを仕立てたいと思いますか?興味はありますか?」との質問に対し、女性全体の約25%は「仕立ててみたい」と回答。世代別で見ると、20代以下が最も多い割合を占めていた。
●メンズオーダーに関心がある方のメンズスタイルのオーダースーツの魅力について(複数選択)
では、メンズオーダースーツのどこに関心があるのかと尋ねたところ、「デザイン」「サイズ感」「オプション(襟型やポケット、ボタン、ベストが作れるなど)」に魅力を感じていることがわかった。
実際に購入した人の購入の決め手は多い順に「性別に関係なくファッションとして興味があった」「デザインが好みだった」「レディススタイルのスーツにはないサイズ感が魅力的だった」となった。
女性たちは、メンズファッションへの憧れからデザインやサイズ感に魅力を感じている様子。特に若い世代ではジェンダーレス感が強く、「パンツスーツは男性が着るもの」といった固定概念が薄いようにも見受けられる。
ジャケットはメンズ、ボトムはレディススタイルで仕立ての要望が多い
「Quality Order SHITATE』で仕立てたメンズスタイルスーツの例
さらに詳しく、今どきの女性たちの想いを探るべく、同社の営業部 副部長 星川直美氏に話を聞いた。女性にはどんなメンズスタイルのスーツが人気なのだろうか。
「弊社パターンオーダー『Quality Order SHITATE(クオリティ オーダー シタテ)』のメンズスーツのスタイルはスリム型とベーシック型がありますが、女性の骨格でも合いやすいスリム型やダブルブレスト(前身頃の幅が広く、ボタンが二列になっている)のデザインが人気です。パンツはレディススーツとして人気のあるテーパードパンツを選びたいという方が多いので、ジャケットはメンズスタイル、ボトムはレディススタイルで選択される方も多いですね」
「Quality Order SHITATE』で仕立てたメンズスタイルスーツの例
メンズスタイルスーツを仕立てるきっかけは、人それぞれだという。
「特に、お祝いごとや成人式、入学式用として仕立てる方が多くいらっしゃいます。ビジネスシーンと比べて自由度が高いからこそメンズスタイルで仕立てているのではないでしょうか。また店内の女性スタッフがメンズスタイルのオーダーを着用していて、それをカッコいいと感じてオーダーされる方もいらっしゃいます」
また既製品についても女性がメンズスタイルを選ぶことがあるという。
「既製品については、好みや個性を表現したいという要望が多いように思います。またご自身の『推し』が着用しているスーツスタイルを真似したいという、推し活の一環としてメンズスタイルのスーツを購入されるケースもありました」