
『EXPO2025大阪・関西万博』のパビリオン『未来の都市』が完成し、3月10日にKDDI、日立製作所、クボタほか、協賛12社と2025年日本国際博覧会協会による記念式典、およびメディア公開が行われた。KDDIはあわせて、万博の開催と同じ4月13日から一般公開するVR空間『バーチャル未来の都市』を発表。一足早く3月14日から、GINZA456でベータ版が体験できるイベントも開催する。
テーマは「Society 5.0が目指す未来の都市」
パビリオン『未来の都市』のテーマは「Society 5.0が目指す未来の都市」。全長150メートルと万博会場の中でもひと際大きいパビリオンで、見晴らしのいいウォーターフロントに位置する。記念式典の挨拶に立った公益社団法人2025年日本国際博覧会協会 事務総長の石毛博行氏によれば、現段階で学校、団体からの予約が最も多い、注目のパビリオンになっているという。
パビリオン『未来の都市』の完成記念式典には、日立製作所 執行役常務の平井裕秀氏、KDDI 取締役執行役員常務 CDO 先端技術統括本部長 兼 先端技術企画本部長の松田浩路氏ほか、協賛社を代表する13名が参加した。
外壁には太陽光によって汚れや有害物を分解する機能を持つ、二重構造の光触媒メッシュ膜を使用。
足元からミストが噴き出す演出もある。夜間には幻想的な雰囲気になるという。
パビリオン内は3つのホールに分かれていて、導入部にあたるホールAでは高さ5メートル、長さ92メートルの蛇行する巨大なスクリーンの間を通り抜けながら、古代から現代、そしてSociety 5.0までの人類の歩みを体験できる。
恐竜の時代からスタートし、Society 5.0までの歩みを巨大スクリーンで体験。
ホールBの入口では、未来の都市の様々な生活シーンを、没入感のあるキューブ型のディスプレイを使って紹介。日立、KDDIがタッグを組んだ展示『Mirai Meeting』は、120名の来場者が同時に参加できる、劇場型の『Mirai Theater(ミライシアター)』がメインだ。スマートデバイスを使って、未来の都市について考えるインタラクティブな体験ができる。未来からのSOSを受け取り、様々な社会課題とその解決策についてナビゲーターとともに考え、手元のデバイスで選択すると、その結果が即座に集計されて未来の都市が変わるというストーリーだ。
没入感のあるキューブ型のディスプレイで未来の暮らしの一部を見ることができる。
手元のデバイスを使って、3つの選択肢から未来を自分たちで選ぶという体験ができる。
『Mirai Theater』の外には、大型タッチパネルを用いて、ゲーム感覚で社会課題を学べるアトラクション『Mirai Arcade(ミライアーケード)』も用意されている。
ホールCには協賛各社が出展。「交通・モビリティ」「環境・エネルギー」「ものづくり・まちづくり」「食と農」の4つの視点から、未来の都市を支える産業、技術が展示される。たとえば商船三井では、風をとらえてグリーン水素を製造、貯蔵、運搬する未来の船『ウインドハンター』の大型模型を設置。来場者がうちわで風を送ると、その風力に応じて帆が回転、伸縮して、シミュレーション航海が行われる。またクボタは、未来の大型汎用プラットフォーム型ロボットのコンセプトモデルを、世界初お披露目。様々な農作業を完全無人で実現する様子を、巨大モニターの映像などを通じて紹介する。パビリオン『未来の都市』にはほかにも、川崎重工業、関西電力送配電、日本特殊陶業、カナデビア、IHI、神戸製鋼所、青木あすなろ建設&小松製作所、CPコンクリートコンソーシアムが出展している。
ホールCの入り口には段ボール製のロボットヘッドがあり、中ではクリエイターの手による4つのストーリーが体験できる。
商船三井の『ウインドハンター』模型と同社代表取締役 社長執行役員の橋本剛氏。
初公開された汎用プラットフォーム型ロボット『Type:V』と同社代表取締役社長の北尾裕一氏。
ホールをつなぐスペースに設置されたベンチや床材には、CO2を吸収する『CARBON POOLコンクリート』が使用されている。