
近年、国際ロマンス詐欺が横行している。警察庁の発表(*)によると、令和6年におけるSNS型国際ロマンス詐欺は、被害額が前年の約2.3倍となる346.4億円に上り、増加している。
(*)参照:警察庁「令和6年11月末におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について」
このような状況を受け、電話・ネット詐欺対策アプリを展開する「Whoscall(フーズコール)」は、「国際ロマンス詐欺に関する調査」を実施した。
約4割がSNSで知らない外国人からフォローや友達申請されたことがある。4人に1人がメッセージに返信したことがある
SNSを利用する男女16,384名を対象に、仕事の場合除く、SNSで知らない外国人からフォローや友達申請、メッセージ(DM)が届いたときの対応について調査した。
SNSで知らない外国人からフォローや友達申請されたことがあるか聞いたところ、約4割が「フォロー・友達申請されたことがある」ことが明らかに。
知らない外国人からフォローや友達申請されたことがあると回答した6,408名に、知らない外国人からアカウントにフォロー・友達申請されたとき、どのように対応するか調査した。
その結果、半数以上が「特に何もしない・無視する(55%)」と回答。次いで「知らない人からのフォローや友達申請は、絶対にブロックする(23%)」「相手のアカウントの内容を確認して、フォローを返したり、友達申請を承認する(18%)」「絶対にフォローを返したり、友達申請を承認する(3%)」となった。
約8割と多くの人が、”反応はしない”または”絶対にブロックする”など、SNS上での知らない人からのアプローチには、気を付けているような対応をしていることが判明。
SNSで知らない外国人から、メッセージ(DM)が届いたことがあるか調査したところ、約3割が「届いたことがある」と回答。
さらに「届いたことがある」と回答した4,906人に、返信したことがあるかどうか質問したところ、25%の人が「返信したことがある」と回答。
この結果から、知らない外国人からメッセージが届いた際に、4人に1人が返信したことがあることが明らかに。
知らない外国人からメッセージ(DM)が届いたツールは、Facebook、X(旧Twitter)、LINE!メッセージのやり取りを続けてしまった理由は?
SNSで知らない外国人とやり取りをしたことがある男女600人を対象に、やり取りを続けた理由や、金銭を要求されたことがあるかについて調査した。
メッセージが届いたツールについて調査したところ、最多が「Instagram(47%)」、次いで「Facebook(41%)」「X(旧Twitter)(36%)」「LINE(30%)」「マッチングアプリ(21%)」となった。
知らない外国人とSNSでやり取りを続けた理由について質問したところ、最多が「なんとなく(28%)」次いで「暇だったから(21%)」「プロフィールの内容に惹かれたから(12%)」「相手が自分に好意を持っていたから(11%)」。
また、その他の理由(自由回答)においては、「大抵は詐欺なのは察しがついたが、もしかしたらまともな人かもしれないと淡い期待をした」「趣味が一緒だったから」「無視するのは申し訳ないから」「質問されたから」「詐欺とわかっていて好奇心で」といった回答が寄せられた。
知らない外国人とSNSでやり取りをする中で、相手に好意を持ったことはあるか質問したところ、43%の人が「好意を持ったことがある」と回答した。
知らない外国人とSNSでやり取りをする中で、相手を不審に思ったことがあるか質問したところ、86%が「相手を不審に感じたことがある」と回答。
その理由について質問したところ、最多が「変な日本だったから(41%)」次いで、「話がかみ合わないから(39%)」「嘘をついていることが分かったから(30%)」となった。
金銭を要求されたことがあるか調査したところ、約4割の人が、知らない外国人とSNSでやり取りをする中で、金銭を要求された経験があることがわかった。
知らない外国人から金銭を要求された理由「貧しく生活に困っている」「投資」「旅費」が上位に
さらに、どのような理由で金銭を要求されたのか質問したところ、最多が「特に理由なく金銭を要求された(15%)」。
次いで「貧しく生活費に困っているため(13%)」「投資(13%)」「旅費( 10%)」「物品やギフトカードの購入依頼(8%)」「日本への渡航費(7%)」という結果に。
具体的にどのような内容だったのか、調査したところ下記回答が寄せられた。
▼貧しく生活費に困っているため
「借金している」
「生活が苦しいから助けてほしい」
「家が貧しく学校を卒業することができない。そのためにお金がいる。」
▼投資関連
「投資話もちかけられた」
「仮想通貨を買わないか提案された」
▼恋愛・結婚関連
「あなたと結婚を真剣に考えたいが、その前に借金精算をしなければならない」
▼旅費関連
「日本への渡航費を援助してほしい」
「旅行中にお金をなくしたので送金してほしい」
▼戦争関連の金銭要求
「戦争をしている国への寄付」
「戦場にいるので助けてほしい。そのためにお金が必要」
▼荷物の受け渡し関連
「『特別な物を海外から送る』と、送料を請求された」
「荷物を預かって欲しいと言われOKしたら、その人の荷物預け先の会社から金銭を要求された」
「現在、駐在している軍隊を除隊するにあたり、貴方に受け取ってもらいたいものがある。 送るためのお金が欲しい」
▼物品の購入関連
「中国のお酒を買って下さい」
「芸能人を騙り『ギフトカードを購入する手助けをしてほしい』と言われた」
▼病気関連
「親が入院して貧乏だからヘルプしてほしい」
「がんで入院中。支援してほしい」
「娘が病気で日本人だからお金があるはずだから助けて欲しい」
▼仕事話を持ちかけられて、費用負担関連
「よい儲け話があるので、紹介料がほしいと言われた。」
「ショップ経営に参加しないかと持ちかけられ、その資金として」
▼その他
「会話費」
「自分は軍に入っており外国にいて、娘がイギリスの寮に入っており、今すぐにお金の振り込みが必要だが、自分は外国にいてできない。代わりに私のお金を振り込んでもらえないか」
知らない外国人とSNSでやり取りをする中で、金銭を要求されたことがある226名に、実際に支払ったことがあるか質問したところ、46%が「ある」と回答。
さらに、支払った金額について質問したところ、その結果、最多が「1万円以上5万円未満」次いで「1,000円以上5,000円未満」「1,000円未満」となった。
■調査概要
名称:「国際ロマンス詐欺に関する調査」
調査対象:
<調査結果1>SNSを利用したことがある20~70代の男女 16,384名
<調査結果2>SNSで知らない人とやり取りをしたことがある20~70代の男女 600名
(調査期間:2025年1月28日~2025年1月30日、調査方法:インターネット調査)
※Whoscall調べ
※調査結果の数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある。
■Whoscall株式会社 日本事業責任者 ロー・ウェイチェンのコメント
今回の調査では、やり取りを続けた理由の上位に「プロフィールの内容に惹かれたから」が挙げられました。
現在、生成AIツールにより、簡単に男女問わず他人になりすました画像やプロフィールを作成することができます。
そのため、メッセージが送られてきた相手が魅力的であったり、やり取りを通して好感が持てたとしても、本人ではない可能性があるため注意が必要です。
構成/Ara