【AJの読み】就労人口減少・高齢化が進む建設業界に若者の関心を呼び込む
ワークマンの作業服といえば、筆者の世代では吉幾三さんのCMの印象が強いが、TAKAHIROさんとのコラボが実現した「ZERO-STAGE」は、作業服という概念を取り払うスタイリッシュなデザインだ。
ワークマンがZERO-STAGEを立ち上げた背景として、現在、建設業界が直面する課題のひとつである就労人口の減少がある。建設業に従事する人の割合は、2040年には2017年比で45%減という試算が厚生労働省から出ており、働く人の高齢化も顕著で、55歳以上が35%に対し29歳以下はわずか11%となっている。
「建設業、土木、運送あらゆる職種に対応できるスタイリッシュな作業服で業界を応援したいという想いで、エンターテインメントだけでなく社会貢献活動にも力を入れているLDH JAPANと『LDH MEETS WORKMAN』プロジェクトをスタートすることにしました。
建設業はきついというイメージが強く、暑熱対策でも昔は『労働者の寿命を伸ばす』など身も蓋もないキャッチコピーでしたが、現在は技術の向上により快適さを追求する『快適ワーク』と呼んでおり、働く人の気持ちを高揚するような表現にしております。
ZERO-STAGE発表会には法人のお客様も来られまして、15法人のうち上場している会社が11社で株式の時価総額は15兆円。これだけ大企業から関心を寄せていただけるということは、作業服を変えることによって社員の士気を高めたい、ワクワク感を持ってもらいたいという目的があるのかもしれません」(土屋専務)
スタイリッシュな作業服のZERO-STAGEだが、機能性、価格はワークマンクオリティ。通気性や涼しさを確保するために、スポーツウェアの高級ラインのTシャツ、インナー等で使われるような素材を採用することによって、熱気を脱がすと同時に、風が吹くと服の中を吹き抜けていくような設計のエアサーキュレートシステムを導入している。
デザイン性だけでなく、シャツの左右のペン差しやフラップ付きのポケット、カーゴパンツのしゃがんでも入れやすいスマホポケットなど機能性も両立。高機能を詰め込みながら1,500円~3,900円といつものワークマン価格で、作業服としてはもちろん、タウンウェアとしても重宝しそうだ。
取材・文/阿部純子